「ヴァラエタルワイン」とは、“ぶどうの品種名”がラベルに記載されているワインのことです。
ワインの歴史が長いフランスをはじめとするヨーロッパ諸国では、ラベルには生産地の名前を最も際立たせて記載する方法が主流で、ラベルにぶどうの品種名が明記されないワインが多くありました。消費者は、ぶどうの品種を知らなくても、有名な産地の味わいを知っていれば、好みのワインを買うことができたわけです。
しかし、ワインの文化が次第に広まるにつれて、ワインの産地もヨーロッパ以外の世界各国へと拡大し、産地も多種多様となりました。従って、産地を見ただけで味わい想像することは困難になったのです。
そこで、消費者に味わいをわかりやすくために、ぶどうの品種名を前面に押し出したワインが登場しました。これをヴァラエタルワインと呼びます。
このヴァラエタルワインの登場によって、消費者はぶどう品種による味わいの違いを意識するようになり、自分の好みのぶどう品種でワインを選ぶ人が増えました。
最初にヴァラエタルワインで名を馳せたのは、アメリカのカリフォルニア。20世紀後半にはその他のニューワールドの国々(チリ、オーストラリア、ニュージーランド、日本など)にも広がっていきました。