NZ News & 雑学

ニュージーランドに初のIKEA。2025年オープンにむけ着工

ニュージーランドに初のIKEA。2025年オープンにむけ着工

日本でも12店舗を展開するスウェーデン発の世界最大の家具量販店「IKEA」がニュージーランド進出を決定。2025年後半の初店舗オープンにむけ、工事をスタートしました。 第一号店はシルビア・パーク 先日着工式がおこなわれたばかりのイケア・ニュージーランド第一号店は、オークランド郊外のシルビア・パークに建設されます。シルビア・パークはNZ最大のオフィス・商業施設。居住エリアも含めた中心一帯も通称でシルビア・パークと呼ばれています。 イケア第一号店は34,000平方メートルの広さで、3階建て。ソーラーパネル、電気自動車の充電スポットなども備え、100%LED照明を使用する予定。イケア単独の出入口もありますが、ショッピングセンターとも繋がるそうです。 ちなみに34,000平方メートルというと、東京ドームの約7割くらいの広さですが、NZのニュース番組では「ラグビー場3つ分より広い」と説明されていました。さすがラグビー大国らしい表現ですね。 最初に発表されたのは2019年 イケアがニュージーランド進出を発表したのは2019年。それが2023年の上半期も終盤というこの時期にやっと着工となりました。 お隣のオーストラリアにはすでに10店舗あり、おまけに1店舗目がオープンしたのはなんと50年近く前。 Facebookには“BringIkea to NZ(NZにイケアを)”というページができ、2万人近くが「いいね」するほど、オープンが待ち望まれていました。ちなみにこのページ、今は”Ikea is coming to NZ(IkeaがNZに)”と名前が変わっています。 イケアによると、建設地の決定にかなりの時間を要したそう。かつ、新型コロナウイルスの影響で、着工が遅れました。 今回のNZ一号店は、世界的に観て建設費、建設期間ともに最高額・最長期間になるとのことです。 NZ家具全体の価格が下がる? デザイン的にも優れたものを、安く手に入れられることで人気のイケア。イケアの進出は、NZの家具全体の価格を下げる可能性があるととイケア側は述べています。 人々が求めているものと、市場に出回っている家具の価格には大きなギャップがあります。イケアの理念は「より快適な毎日を、より多くの方々に」。(イケアが指す)人々というのは潤沢な予算を家具にかけることができない人なんです。 NZは昨年の10月に、コストコ第一号店がオープンしたばかり。一時、近隣のスーパーで食品の値段が下がったとのニュースが出ましたが、それもかなり限定的だったそうです。 家具はどうなるのでしょうか...? コストコのオープン時は大行列ができ、大きな話題になりました。イケアも行列間違いなし。 ちなみにニュージーランドでの多店舗展開に関してイケア側は口を閉ざしていますが、原宿や渋谷、新宿に展開されているような都心型店舗も選択肢に入っているようです。 そして、イケア側は できるだけ多くの人が来店できるロケーションを選びたいと思っています。しばらくは市場の動向など様子を見ていくことになるでしょう。 と述べています。

ニュージーランド航空が乗客乗務員の体重測定を実施

ニュージーランド航空が乗客乗務員の体重測定を実施

近々ニュージーランドへの旅行を計画されている方、帰国の際には思わぬ役目が待っているかも!? なんと搭乗時に体重測定されるのです。 荷物を量るのは当然なのですが、体重まで量られてしまうとは・・・。もしかしてメタボなのをチェックされてしまうのでしょうか・・・。 体重測定の目的とは ニュージーランド航空は、5月29日から7月2日までのおよそ1か月間、オークランド空港で国際線の搭乗前に乗客の体重計測を実施します。 ニュージーランド航空のロードコントロールの専門家であるアラスター・ジェームスさんは国営放送の情報番組で “ちょっとイレギュラーなお願いですが、航空機に乗るものすべての重さがどれくらいなのかを知るのはとても重要なんです。” とコメントしています。 ロードコントロールとは、航空機に積載される貨物や燃料などを管理する業務を担う人。ロードコントロールの「ロード」とは、道などを意味するRoad(ロード)ではなく、積み込むを意味するLoad(ロード)なんです。 積載物は物だけでなく、当然飛行機に乗り込む乗客乗務員も含まれます。 1万人のデータ収集が目標 “乗客と乗務員、そして持ち込みのバッグに関しては、平均の重さで計算します。その平均値を出すために今回の調査が必要なんです。” とジェームスさん。 5年おきに行われるこの調査では、最低でも1万人以上の乗客乗務員の体重を測定し、平均値を出すのに必要なデータを集めるそうです。 調査方法は至って簡単。 乗客はチェックイン時、手荷物の重さを量ると同時に、乗客自身も体重計に乗ることを求められます。体重は自動でコンピューターに記録され、その場で重さを本人に伝えられたり、周りの人に知られることも、もちろんデータが公開されることもありません。 また、この体重測定は任意で行われます。エアライン側に協力を求められても、量られたくない場合は、スキップすることも可能です。 7回目の受賞 ニュージーランド航空が「エアライン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるという明るいニュースも飛び込んできました。この賞の受賞はなんとここ10年で7回目です。 AirlineRatings.comによると、最近価格が発表されたエコノミークラス向けの3段ベッド「スカイネスト」や、環境に対する取り組み、安全に対する運用ポリシー、スタッフの質などで、最も素晴らしい航空会社と評価されたそうです。 ちなみにANAは14位、JALは19位でした。 スカイネストは、4時間で400ドル(日本円でおよそ35,000円)という価格で利用できる予定。日本へのフライトは約10時間。その間の4時間は完全に横になれるということになりますが、高いのか安いのか・・・? みなさんはどうですか? ニュージーランド航空が運行する最も長いフライトが、ニューヨークからオークランドまでの約18時間。このフライトなら、4時間でも横になれるのは大きいかもしれませんね。 スカイネストは2024年の運用開始が予定されています。

NZの羊と人の比率が、1850年以来最小の5対1に。

NZの羊と人の比率が、1850年以来最小の5対1に。

ニュージーランドが話題に上った時、 「ニュージーランドって、人間より羊の数が多いんでしょ?」 という様な話をしたり、聞かれたことはありませんか? ニュージーランド統計局の最新の第一次産業に関する調査によると、羊の数は2%減少したということ。調査が始まった1850年代以降初めて、羊と人間の数の比率が5対1にまで下がりました。 1982年と比べると・・・ 羊の数が減少したとはいえ、ニュージーランドにはそれでも人の数(現在の人口:約520万)の5倍近くになる、約2,530万頭の羊がいます。 日本に住む私達からするとそれでも多く感じるのですが、1982年の調査では羊と人間の比率はなんと22対1だったそうです! 当時のニュージーランドの人口は約315万人。今より200万人ほど人の数は少ないですが、それにしてもこの比率はかなり驚きの数字です。 一番多い時で約7,200万頭いた羊は少しずつ減少し続け、今では3分の1に近い頭数になりました。 羊減少の大きな要因は、飼育に関する経費が上昇しているのにもかかわらず、ウールの価格が下がっているからだそうです。特にウールの価格は2013年から2021年の間に、1キロ6.74ドルだったのが3.77ドルと、約半値ほどに下がってしまいました。 牧草地を森林に転換 今回の調査では、羊だけでなく乳牛や鹿も減少傾向にあることがわかりました。 乳牛はピーク時であった2014年の670万頭と比較すると8%減少。特に北島ではピーク時と比べ11%減と、南島の5%減と比べると大きな減少率となりました。 今まで牧場として使われてた土地が売却され、林業に転換しているというのも、家畜数減少の要因の一つであるそうです。しかし、この場合(牧場から林業への転換)の林業は、木材確保のための林業を指すわけではありません。 温室効果ガスの排出量を売買する仕組みである「カーボンクレジット」のために、牧場だった場所に植林して森林を管理しているのです。 「カーボンクレジット」とは、例えば森林を管理する会社など、温室効果ガスの削減や吸収への取り組みを行う企業から購入できるクレジットのこと。そして、温室効果ガス等の排出削減が難しい産業では、そのカーボンクレジットを購入し、自社が排出する温室効果ガスの埋め合わせをするのです。 そのようなカーボンクレジットに対するニーズから、現在は牧草地から森林への転換が進んでいます。 羊牧場でサーフィン?! もう一つ、羊がらみ?で面白いニュースをお伝えします。 なんと、羊牧場でサーフィンができる!? ▶︎1news|How surfers are catching waves on an Otago sheep farm...

より男女格差なき社会へ。レスキューヘリで女性が活躍

より男女格差なき社会へ。レスキューヘリで女性が活躍

ニュージーランドは、ジェンダーギャップ指数の総合順位10位以内の常連であり、世界的に見ても男女格差が少ないとされています。しかし課題はまだ多く、女性が活躍の場を広げているという事が当たり前という状況には及ばず、ニュースとして取り上げられることもしばしばあります。 レスキューヘリコプターは、以前は男性が中心に活躍する職場の一つでした。10年前は男性ばかりだったこの世界も、徐々に女性隊員が増えているそうです。 オークランドを拠点にするレスキューヘリの団体は、救命救急士の五分の一、救命救急医にいたっては半分が女性隊員が占めるようになりました。 ヘリ乗組員スタッフの一人が国営放送のインタビューに答えています。  ▶︎1News:More Kiwi women pursuing careers on rescue helicopters 子供の頃からの憧れ 現在、オークランド・ウエストパック・ヘリコプター・レスキューで、初めてのエアクルーオフィサーとして働くミッシェル・マクレーンさんは、子供の頃からレスキューヘリに関わる仕事をする事が夢だったと語ります。 子供の頃、ヘリが学校の校庭を着陸地にすることがありました。その度にフェンス越しに覗き見たものです。真っ赤なヘリから降りてくる隊員たちはみんなスーパーヒーローに見えました。その姿に刺激を受けたのを今でもはっきりと思い出せます。しかし、そのヒーローたちが全員男性だったということは全く気にならなかったです。どんなキャリアであっても、女性にだって目指す権利があります。 とマクレーンさん。 マクレーンさんが働き始めた時には、トイレは男性が使うことしか想定されていなかったといいます。 ここ近年で、女性スタッフが増えたものの、レスキュー現場では まだまだ「ヘリにこんなに女性隊員がいるなんて思わなかったよ」と言われることはよくありますよ。 とマクレーンさんはコメントしています。 ニュージーランドの郊外では、救急車が到着するまでに30分、病院まではそれ以上かかることもしばしばあります。 助けを求める人々にとっては、数分がまるで数時間のように感じてしまう…そんな人々を助けるために、力になりたいと思っていたマクレーンさんは、今の仕事に大きなやりがいを感じているそうです。 “好きなこと”を仕事に ヘリコプターのパイロットとして活躍している女性もいます。 スー・ディンケラッカーさんはレスキューヘリ総飛行時間1万時間を超えるベテラン。 飛行時間が1万時間を超えるのは、飛行機のパイロットとしては決して珍しいことではありません。でもレスキューヘリは一回ごとの飛行距離、時間が短いので、飛行機のように一日長い時間を飛ぶことはありません。 ディンケラッカーさんは、このレスキューヘリでキャリアを積み上げていくにつれ、活躍する女性の姿を見る機会が増えてきたと言います。 乗務員、救命士、そしてエンジニアと、多くの女性がいます。女性パイロットだということを驚かれることは多いですが、だからと言ってネガティブな経験をしたことはほとんどありません。最初はびっくりしても、その後ほとんどの人が応援してくれます。 ディンケラッカーさんは家族に何人もパイロットがいるとか。好きなこと、そして情熱を持って向き合える仕事ができて幸せだとコメントしています。 また、...

気候変動に強いぶどうを!NZのワイン業界が研究開発

気候変動に強いぶどうを!NZのワイン業界が研究開発

南半球に位置するニュージーランドでは、そろそろぶどうの収穫が終わります。今年は、ワイン生産量第2位のホークス・ベイ地方を襲ったサイクロンの影響により、ぶどうの収穫量が減少したため、ワインの生産量にも影響が出る見込みです。 しかしそれらの問題は今年に限ったことではなく、近年の気候変動により、今後ぶどうの品種や味に影響が出ることが懸念されています。 その様な事態を事前に防ぐため、ワイン業界は団結し様々な取り組みを行っています。 業界全体が支える研究機関 今、ニュージーランドのワイン業界が力を入れているのが品種改良です。ワイン専門の研究機関では「完璧なワイン」を作るべく、研究が重ねられています。 「ブラガート研究所(Bragato Research Institute)」は、「ニュージーランド ワイングロワーズ(New Zealand Winegrowers)」によって運営されている研究機関。 「ニュージーランド・ワイングロワーズ」は、ニュージーランドの600人以上のぶどう農家と700人以上のワイン醸造家からなる全国規模の団体で、ワイン業界において世界レベルのマーケティングを提供し、持続可能なワイン製造を目指しています。 そして業界をタイムリーに盛り上げるため、地域や国、そして国際的なレベルで様々な活動を行っており、消費者向けのイベントの企画や運営なども行っています。 そんなニュージーランド・ワイングロワーズが運営するブラガート研究所(Bragato Research Institute:BRI)では、国内外の研究機関と協力もしつつ、品種改良だけでなく、畑のエコシステム、低アルコールワインの開発、害虫対策、微生物によるぶどうの治療、環境に良い土地の活用など、様々な研究を行なっています。 ソーヴィニヨン・ブランの改良 今回ニュースになったのは、ニュージーランドを代表するワイン、ソーヴィニヨン・ブランの品種改良。現在BRIではなんと12000種ものソーヴィニヨン・ブランのバリアント(変異種)が研究されているそうです。 BRIのCEO、ジェフリー・クラーク氏は 気候変動は当然、ぶどうの味に影響を及ぼすと考えられています。気温に変化があると、一部のぶどうは現在栽培されている土地で上手く生産ができないのではという懸念があります。現在ラボでは、気温の変化や、あらゆる害虫、そして病気などの気候変動による影響に、最も強い品種がどれなのかを研究しています。 と国営放送のインタビューで語っています。 すでに一部ではイタリアやスペイン系の品種のソーヴィニヨン・ブランの栽培が始まっているそうですが、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランはかなり特徴的なため、今後はニュージーランド・ソーヴィニヨン・ブランの特徴を最大限活かした品種の改良が期待されています。 悪天候の影響を乗り越えるために ホークス・ベイにあるワイン栽培地区、Gimblett Gravels(ギムレット・グラヴェルズ)は、幸いにもサイクロンの被害が最小限で済みました。 しかし、それでも今年は非常に雨の多い栽培シーズンとなりました。そして雨がほしい時に降らず、逆に降ってほしくない時に降るという、ぶどうにとっては悪天候と言える天気が続いたのです。そんな気候が影響してか、今年は収穫が例年より2週間も早くスタートしたそうです。 この気候変動による悪影響を乗り越えるためにBRIが行っている研究は、ワイン業界と政府が約16億円を投じて行っているプロジェクトの一部ということ。 今後研究が進むと、今までぶどうが栽培できなかった地域での栽培や、違う種類のぶどうが栽培できるようになる可能性も出てきそうです。

最も信頼できるブランドに「ウィッタカーズ」が選ばれる。12年連続の快挙!

最も信頼できるブランドに「ウィッタカーズ」が選ばれる。12年連続の快挙!

世界的雑誌「リーダーズ・ダイジェスト」のNZ出版社が行っている、ニュージーランド人が信頼するブランドの調査で、「最も信頼のおけるブランド」として「ウィッタカーズ(Whittaker’s)」が選ばれました。なんと12年連続の快挙です! 人気チョコレートメーカー「ウィッタカーズ」 ウィッタカーズは、イギリスからの移民であるジェームス・ウィッタカーが、1896年にクライストチャーチで創業した菓子メーカー。 NZに移住する前ジェームス・ウィッティカーは、イギリスのチョコレートメーカー、キャドバリー社で営業として勤めていました。NZ移住後間もない頃は、自宅でチョコレートを作り、馬車に積んで販売していたそうです。そして会社設立から15年後にウエリントンに移転し、そこに息子二人も会社に加わりました。ウィッタカーズは創業から現在に至るまで、家族経営が行われています。 1969年には事業拡大のため首都郊外のPorirua(ポリルア)に移転し、今もそこで「bean-to-bar(ビーン・トゥ・バー)」スタイルでチョコレートを作り続けています。bean-to-barとはカカオ豆(Bean)から板チョコなどのチョコレート(Bar)が出来上がるまでのすべてを自社で徹底管理し、製造することです。 1950年代からレシピが変わっていないピーナッツがぎっしり詰まった「ピーナッツスラブ」は、ウィッタカーズの主力商品。そんな昔ながらの商品を守りつつも、高級ラインや他のメーカーとのコラボ商品など、新商品を次々に世に送り出しています。 こちらはニュージーランドを代表するクッキーメーカーの「グリフィンズ」とコラボしたチョコレートです。 ブランド調査とは 今回24回目となったブランド調査は、独立した調査機関であるCatalyst Consultancy & Researchによって、1700人のニュージーランド人を対象に行われました。ブランドは、71カテゴリに細かく分けられています。 ニュージーランド国産のブランドだけではなく、全世界のブランドが対象なので、車やタイヤのカテゴリーには、トヨタ、ブリヂストンといった日本の会社が選ばれています。 ちなみにワインカテゴリーで選ばれたのは「オイスター・ベイ」でした。惜しくも選ばれませんでしたが、ボクモワインで取り扱いのあるVilla Mariaも、候補として紹介されていました。 カテゴリごとで選ばれたブランドと候補に上がったブランド一覧はこちら ▶︎2023 TRUSTED BRANDS NEW ZEALAND ニュージーランドを象徴するブランドに 今回ウィッタカーズは、自身の業種カテゴリである菓子部門だけでなく「最も信頼できるブランド」及び「最も信頼できるニュージーランドのブランド」でも1番に選ばれました。 専門家によるとウィッタカーズが愛される理由は チョコレートを愛する地域社会の人々との繋がりを大切にし、顧客の声やアイディアをよく事業戦略に反映している。 ということ。 現在、ウィッタカーズで生産されている商品の3割が世界に輸出されています。日本でも、輸入雑貨店やネットショップで売られていますので、見つけたらぜひ食べてみてくださいね。クリーミーでありながらくどくなく、日本のチョコレートを食べ慣れている私達でも美味しくいただけると思います。 ボクモワインでは、チョコレートに合うワインのご提案もしています! こちらもぜひ参考にしてみてください。 ▶︎バレンタインに贈るおすすめワイン!【2023】チョコレートに合うワインも!

スキー場や森林の維持。地域コミュニティーで助け合い

スキー場や森林の維持。地域コミュニティーで助け合い

海外からの観光客は戻りつつあるものの、新型コロナウイルスや異常気象の影響が続くニュージーランド。 そんな中、地域の人々が協力し合い窮地に陥った施設や店舗を支援する動きが広がっています。今回は、そんな助け合いのニュースをお届けいたします。 スキー場を守ろう! 北島の中心部に位置するトンガリロ国立公園。その公園の中心には「ルアペフ山」という火山があり、その斜面に広がるスキー場は、冬の人気観光スポットとして知られています。 しかし、新型コロナウイルス感染拡大時に行われたロックダウンによる業績悪化に加え、悪天候等も重なり、70年近く続くスキー場の管理会社がVoluntary Administration(任意管理)となりました。任意管理とは、ニュージーランドやオーストラリアでとられる会社更生または破産に向けて行われる手続きのこと。 現在はとりあえずの資金が投入され、これから始まるスキーシーズンに向け、新しいシーズンパスの内容が発表されるなどしていますが、今後運営がどうなっていくのかはまだ不透明です。 そこでこのスキー場を守るために、クラウドファンディングで600万〜1,000万ドル(日本円で約5億〜9億円)を集めようという計画が持ち上り、株主やスキー場の生涯パスを持つ人たちによる呼びかけが始まっています。 この今回のスキー場を守るクラウドファンディングのアイディアは、7年前のある成功事例をもとに発想を得て、計画が進められたそうです。 それは、4万人から約2億円の寄付を集め、かつ政府から約4,000万円の支援を受けて、法人の所有だった南島北端のアビーチを公的化し、国立公園の一部として管理することに成功したという出来事でした。 今年のスキーシーズンは海外からの観光客数も増える事が予想されており、ここが踏ん張りどころ。地元の企業や小売店などももスキー場の復活に期待を寄せています。 人々がアクティビティやスポーツを楽しむことができるニュージーランドの美しい自然を、地域の人々で守っていこうとする動きは今後も大きくなっていきそうです。 ニュージーランドで一番小さな鳥 マオリ語で“Titipounamu”(ティティポウナム)英語では“Rifleman”(ライフルマン)と呼ばれるニュージーランドで一番小さな鳥が、北島西海岸の街Taranakiから車で2時間ほどの保護区域の森にお引越しをし、ニュースになりました。 ティティポウナムは鳥綱スズメ目イワサザイ科に属する鳥で、そのルーツは古く、その昔南半球に存在したと考えられているゴンドワナ大陸からの生き残りと言われています。 有害な昆虫から森を守るには、それらを食べてくれる鳥たちの力が不可欠。今回このティティポウナムのお引越しは、鳥そのものを保護していくだけでなく、森を以前のような健康な状態に戻すため、2021年から計画されていました。 今回お引越しした60羽のティティポウナムは、体重がたった4.5g〜7g。地域の人たちによるセレモニーも行われ、盛大な(でも鳥たちを驚かせないよう小さな声で)歓迎を受けました。 すでに森に住む他の鳥たちと共に、森を守りながら鳥たちも元気に数を増やしてくれるといいですね。 レストランで60人の予約がキャンセル サイクロンによって大きな被害を受けたホークスベイにあるレストランで、なんと60人キャンセル、という事態が発生。 こちらのレストラン、土曜日の夜にパーティーの予約が入り、貸切の予定でした。しかし時間になっても誰も来ない・・・。 そこでお店は1人もいないレストランの様子をFacebookに投稿。急遽1人4,000円で食べ放題、とアナウンスすると、地元の人たちが大勢集まってくれたそうです。 この様子は国営放送のニュースでも取り上げられました。出演したお店の人は 2ヶ月経った今でもサイクロンによる被害の影響は続いています。でも地域の人たちは後片付けを続けたり、自宅を避難場所として提供したり、炊き出しを行うなど、ずっとお互いを助け合っています。今回はたまたまうちが困っていたのですが、それにもすぐに答えてくれて。地域のつながりを感じました。 とコメントしています。 →Community rallies to help restaurant...

滋賀県・米原で4/15に「ニュージーランド災害復興支援イベント」開催

滋賀県・米原で4/15に「ニュージーランド災害復興支援イベント」開催

当サイトでもたびたびお伝えしているとおり、今年2月にニュージーランド北島をサイクロンが襲い、大きな被害をもたらしました。 今回のサイクロン・ガブリエルによって、ニュージーランドでは史上3度目の非常事態が出され、ヒプキンス首相は「被害の深刻さは、これまでに経験したことのないものだ」と発言。 およそ1万人もの住民が住居を失い、被害総額は日本円にして1兆円以上にも上ると言われています。 この被災者への支援に立ち上がったのが、滋賀に本社を構える「大沢ホールディングス」です。 大沢ホールディングスは、水害の被災地であるホークス・ベイでワイナリー「OSAWA WINES」を経営しています。また、地元滋賀の米原市には複合型観光施設の「English Garden ローザンベリー多和田」を運営しています。 そして今回、そのローザンベリ―多和田にて「ニュージーランド災害復興支援イベント」が開催されることが決定しました。 集まった義援金は、ニュージーランド赤十字を通して、現地の災害復興に充てられます。 開催概要は以下の通りです。 【開催場所】 English Garden ローザンベリー多和田(米原市) 【開催日】 2023年4月15日(土)のみ 【時間】 開園時間に準ず(10時00分~17時00分/入園最終受付~16時30分) English Garden ローザンベリ―多和田にて、2023年4月15日(土)の入園料とBBQ場で提供するメニュー(一部のぞく)の売り上げの一部が災害復興支援の義援金として寄付されます。 また、当日は、OSAWA WINESのSingle Estate Vineyard(自社単一ブドウ畑)産ワインの協賛もあります。 詳しくは、こちらのサイトをご覧ください。 → ニュージーランド災害支援チャリティー |...

サイクロン被害状況。ホークス・ベイのぶどう収穫量25%減

サイクロン被害状況。ホークス・ベイのぶどう収穫量25%減

先月、ニュージーランド北島を襲ったサイクロン・ガブリエル。史上3度目となる国の非常事態宣言が出され、今世紀最大の自然災害と言われるほど、大きな被害をもたらしました。 そして少しずつ復興が進む中、被害の詳細がわかってきました。中でも農業、林業、畜産、酪農は特に大きな打撃を受けています。 気になるワイナリーの状況はどうなのでしょうか。詳しくお伝えします。 25%のぶどうが被害に 今回被害に遭った北島の東部には「ホークス・ベイ」というワイン産地があります。ホークス・ベイは、ニュージーランドで最も歴史のあるワイン産地の一つであり、国内では2番目に広いワイン産地で、100ほどのワイナリーがあります。ボクモワインでも人気のある産地ですが、サイクロンとその後の大雨により残念ながら予想される収穫量の25%にあたるぶどうが被害を受けました。 ホークス・ベイには東京ドーム約1,000個分、約4,800ヘクタールのぶどう畑が広がっています。しかし今回の災害で300ヘクタールの畑が、地滑りや洪水の被害に。そして、その内140ヘクタールのぶどう畑(3,000トン分のぶどう)が完全に破壊されました。 また、サイクロンの後の大雨では7,000トン分のぶどうが被害に。ホークス・ベイでは毎年40,000トンのぶどうが収穫されており、例年の収穫量の約25%が被害を受けたことになります。また、200近いワイン関連の事業者のうち、40の事業者が大きな影響を受けているそうです。 被害の修復にかかる費用は約1,200万ニュージーランドドル、日本円で約10億円と予想されています。 現在は、被害を免れたぶどうの保護が優先されており、ぶどう栽培学の専門家が修復のサポートにあたっているそうです。また、今回被害にあった人々の心のケアや、経営支援などにも専門家による支援プログラムが導入されています。 最近では、こんなチャリティーイベントも。 ホークス・ベイのワイナリーの一つ、Elephant Hill(エレファント・ヒル)で、犬と飼い主のウォーキング・イベントが開催されました。 参加者は愛犬と一緒にワイナリーを散歩するだけでなく、ワインの試飲も楽しめたそうです。わんこたちにも、サーモンのおやつが振る舞われました。このイベントの参加費用は、サイクロン被害の復興団体に寄付されるとのことです。 りんごや梨も被害に ホークス・ベイはりんごや梨の名産地としても知られており、ホークス・ベイ産のりんごは、日本にも輸入されています。 そして、今回の災害で果樹園も大きな被害にあいました。収穫予想量は、例年より33%減少する見込みであるとのこと。そして、この影響で国全体の果物の収穫量も、1月時の予想と比べると、21%減少しています。 しかし、被害のあった土地とそうでなかった土地には明確な差があり、影響を受けなかった土地からは今年も多く収穫が見込める様です。 日本でも人気があり、ホークス・ベイでも収穫の多いJazz Appleは、日本のりんごがオフシーズンとなる5〜8月に出回ります。日本に輸入されているなんと97%のりんごは、ニュージーランド産だそうです。今年の輸入量はどうなるのでしょうか。 政府が支援額を追加 ニュージーランドの農業、林業、漁業等の第一次産業を管轄するMinistry for Primary Industries(略してMPI、第一次産業省)は、当初、ホークス・ベイ地方の復興に2,500万ドル(日本円で約20億)の支援を発表していました。しかし、すぐに2,600万ドル(日本円で約22億)が追加され、トータル5,100万に。 助成金はまず、二次災害を最小限に抑えるため、畜産や酪農に必要な牧場の柵や水回りの修復に使用され、次に地滑りの被害を受けた森林や畑の土砂の撤去に優先的に使われるようです。 農業においては、1ヘクタールにつき2,000ドル(最高40,000ドルまで)、牧場では最高10,000ドルの助成金申請が可能であるそうです。 ニュージーランドの大きな産業に大きな打撃を与えたサイクロン。今後も政府のさらなる支援が求められています。

「女性」や「マオリ文化」に注目。ニュージーランド航空の特別フライト

「女性」や「マオリ文化」に注目。ニュージーランド航空の特別フライト

新型コロナウィルス感染拡大の対策として行っていた入国規制が全て解かれ、海外からの観光客数が戻りつつあるニュージーランド。ニュージーランド航空の利益も伸びているという明るいニュースも届いています。 そんなニュージーランド航空では、以前より様々な取り組みを行っており、度々話題になっています。今回は、その中でも最近話題になった取り組みをご紹介します。 すべて女性クルーでお祝い 女性の地位向上や男女平等を推進する目的で国連が制定した3月8日のInternational Women’s Day(国際女性デー)と、航空業界の女性の活躍を促す週間、Women Of Aviation Worldwide Week(航空業界の女性国際週間)を記念し、オークランドを出発した3便が、女性クルーのみで運行されました。 このビデオでは、まず機長を務めるレイチェルさんが 子供の頃から飛行機と働くのが夢でした。そして今年、ニュージーランド航空で飛び始めてから16年目を迎えます。 と語り、副操縦士のペニーさんが 毎朝、世界で一番の“オフィス”で働ける、そう目覚められる幸せ。 とコメントしました。 このビデオでは、フライトを担当した2人の女性パイロットだけでなく、キャビンクルー、整備、空港で働く大勢の女性たちの姿が映し出されます。 そして最後は いつの日か、私たちが「女性パイロット」ではなく、ただの「パイロット」と見てもらえる日が来ることを願っています。 というメッセージで、締めくくられました。 すべてマオリ語で運行 ニュージーランド航空は、オークランドで開催されたTe Matatini(テマタティーニ)と呼ばれるマオリの歌や踊りなどのパフォーマンスのコンテストとコラボレーションし、Te Matatiniに向かう参加者を乗せたウェリントン〜オークランド便を、すべてマオリ語で運行しました。これは初めての試みであるそうです。 搭乗前には、ロビーでマオリの歌と踊りで乗客を見送り、搭乗アナウンスからパイロットやキャビンクルーからのアナウンスもマオリ語で行いました。(安全に関わるアナウンスは、英語でも行われました。) そして、機内ではクルーによるパフォーマンスも行われました。 先住民であるマオリ族の文化を大切にする取り組みが多く行われているニュージーランド。Te Matatiniの責任者、ヘレウィニ・パラタさんは、 このコラボレーションは私たちのユニークなマオリの言語と文化を、歌や踊りのパフォーマンスを通じて伝え守っていくためのいい機会となりました。 とコメントしています。 Crystal...