政権交代なるか。ニュージーランド、最新の世論調査発表

石黒さんニュース

総選挙を約3ヶ月後に控えたニュージーランドで、国民放送による最新の世論調査の結果が発表されました。

今年の初めに辞任をしたジャシンダ・アーダーン首相の後任として、ヒプキンズ現首相が党首を務める与党のLabour(労働党)と、政権交代を狙うNational(国民党)がせめぎ合っています。

政権交代はおきるのでしょうか・・・?

連立なら政権交代も?

最新の世論調査では、両政党とも前回から2%支持率をダウンさせ、国民党が35%、労働党が33%と、国民党がわずかにリードしています。

その他は、アクト党12%、グリーン党10%、NZファースト3%、マオリ党3%、トップ党2%となっています。

そして、この数字をそのまま議席に置き換えると、下の図のようになります。

全120議席のうち、国民党が46議席、労働党が43議席を獲得できることになりますが、両党ともに単独では過半数に届かず。

Act党と連立なら、国民党がかろうじて過半数を獲得できる、という状況。対する労働党は、グリーン党だけでなく、マオリ党も含めた連立としても、過半数には届きません。

また、2017年は国民党か労働党の支持者が全体の80%以上を占めていたのにもかかわらず、徐々に割合を減らし、今回の調査では70%にも満たない数字に。2大政党の支持から離れる人が増えているのも最近の傾向のようです。

首相は誰がいい?

首相の支持率は、党の支持率とは比例せず、現職で労働党党首のヒプキンス首相が24%で1位。国民党のクリストファー・ルクソン氏は20%に。

3位はアクト党のデービッド・シーモア党首で7%、4位はグリーン党のクロエ・スウヮブリック氏という結果でした。

ヒプキンス首相が就任した直後には、NZ北島を中心に大雨や大型サイクロンが各地を襲い、就任早々にその手腕が問われました。ヒプキンス首相の支持率は、一番高かった3月で27%。アーダーン前首相の在任中の最高支持率51%比べると、いまいち振るわない数字に留まっています。

とはいえ、国民党のルクソン氏の支持率も、政権交代に翳りを見せる数字と言えます。

国民党党首のクリストファー・ルクソン氏(左)と、副党首のニコラ・ウィリス氏。

日・NZ首脳会談

先週には初めて、NATO首脳会合が開催されたリトアニアにて、日本・ニュージーランド首脳会談が行われました。

その首脳会談に先駆けて、まずは日豪NZ韓首脳会合。

ヒプキンス首相は、オーストラリアのアルバニージー首相、韓国のソンニョル大統領、そして日本の岸田首相と共に、北朝鮮による弾道ミサイルの発射への抗議、自由で開かれたインド太平洋の実現などについて、約25分間話し合ったそうです。

そして日・ニュージーランド首脳会談では、安全保障そしてクリーン・エネルギー分野での戦略的協力パートナーシップの強化、太平洋島嶼国における地域の情勢や貿易などについて協議が行われたようです。

また、ヒプキンス首相は、ウクライナのゼレンスキー大統領とも面会。

ニュージーランドは自由、民主主義そしてデモクラシーを大切にしています。私たちはこの不当な戦争が終わるまでウクライナと共にあります。ウクライナへのさらなる支援を発表した今日、こうしてゼレンスキー大統領と握手を交わし、直接支援を伝えられたことを誇りに思います。

と語りました。

ニュージーランド総選挙は10月14日に行われます。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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