環境保全先進国と言われるニュージーランドでは、再生可能エネルギーの活用、ごみの削減、野生動物の保護など、国をあげて様々な取り組みがおこなわれています。
またビジネス面でも、競争力を維持し、市場で生き残っていくだけでなく、現代においては、消費者だけでなくこの地球にとっても何かポジティブなことをしてこそ、ビジネスを持続させることができると、多くの企業が環境問題にも取り組んでいます。
エコストアが30周年
ニュージーランドが誇るNO.1の持続可能なブランドとして、世界的にも知名度が高いサスティナブルブランド・エコストアが30年周年を迎え、国営放送で特集が組まれました。
エコストアはマルコム・ランドさん、メラニー・ランドさんによって1993年に設立されました。1993年といえばまだ、人々の大半が”サスティナビリティ”という言葉を知らず、「環境に配慮した製品」が注目されるもっと前。その頃から人と環境の両方に配慮した洗剤や石鹸などを作り続けているブランドが、このエコストアなのです。
きっかけは、学校で清掃員として働いていたマルコムさんの祖母。いつも洗剤で手が荒れていた祖母をみて、もっと優しい製品が作れないのかと考えたそうです。
人々の健康を一番に考えた上で、家中が綺麗にできかつ、環境も守ることができる製品を届けることがエコストアのミッション。使い捨てのプラスチック容器を無くし、店舗での詰替えやボトルの回収、プラスチックのに変わるパッケージの開発など、様々な取り組みを行っています。
持続可能な航空燃料の開発
エア・ニュージーランドとニュージーランド政府は、Sustainable Aviation Fuel(SAF)の国内製造を実現する研究のために、共同でさらなる予算を投入することを発表しました。
Sustainable Aviation Fuel(SAF)とは、持続可能な航空燃料のこと。このSAF(サフ)は農林廃棄物、バイオマス由来原料、廃食用油、自治体・一般家庭からでる廃棄物などが原料。化石由来の原料を使用しないことで、二酸化炭素削減へ大きく貢献できると注目されています。
飛行機から出る二酸化炭素は、ありとあらゆる二酸化炭素排出量の2%から3%を占めているといわれ、削減は航空業界の大きな課題。気候変動は予想よりも速いスピードで進んでおり、早急な対応が求められているとして、ニュージーランド航空は約1.3億円、ニュージーランド政府は約65000万の追加予算を投入する予定です。
ビジター・エコノミーをサスティナブルに
オークランド近郊にある人気観光地、ワインの島とも言われるワイヘキ島と、美しい原生林の遊歩道が楽しめるグレート・バリア島で、ビジター・エコノミーに関連するサービスを提供する事業者を対象に,サステナビリティ強化のための研修プログラムが開催されました。このプログラムは、文化面をサポートする行政機関や、環境省、経済産業省などの国の機関からも支援を受けています。
ビジター・エコノミーとは、いわゆる観光客だけでなく、友人、家族の訪問やビジネス目的など、ありとあらゆる理由でNZを訪れる人すべてを含む市場のこと。環境、そして地元、また天然資源への影響に配慮した市場の形成は、地元の事業者として不可欠。
ビジター・エコノミーで二酸化炭素排出量を削減し、気候変動への影響を軽減するために、事業者には研修プログラムを通じて様々な課題へ取り組む力をつけ、長期的に戦略的な取り組みが行える体制の構築が期待されています。
NZを訪れる人からも、よりサスティナブルなサービスを求められており、この取り組みは、継続的に国中で行われていくそうです。