ソムリエ岩須(いわす)のブログ

良き師

僕は「良き師」に恵まれてきた方だと思う。 今はもうやっていないけれど、若い頃はスキーが大好きだった。きっかけは中学3年のとき、よくスキーに行っている幼なじみのファミリーが「いっしょに行かない?」と誘ってくれたことだ。 あのとき、幼なじみのけいちゃんは、まったく経験のない僕に「直ちゃんは頭がいいからさ、スキーの本でボーゲンを勉強してから本番にのぞむといいよ」と言ってくれた。 頭がいいから、というのは、けいちゃんの優しさだ。僕が運動音痴であることを柔らかく言い換えてくれたということを、僕は知っていた。 僕はその優しい助言通り、近所の本屋で買ったスキーの本を片手に、家の中に座布団で傾斜をつけてイメトレした。 雪山に着くと、けいちゃんたちは腰が引けまくっている僕を、文字どおり、手取り足取り教えてくれた。 「さすが!予習してきただけあって、飲み込みがはやいね!」 なんておだててくれた。嬉しくなった。自分でも信じられないことに、半日でなんとかボーゲンが出来るようになっていた。 彼らはきっと僕なんかを教えるよりも、自分たちだけでスイスイ滑っていたかっただろう。それでも、その時間を僕のために使ってくれた。そしてあの半日のおかげで、僕のスキーの扉は開かれたのだ。 高校のスキー合宿も、大学時代に冬が来るたびに何回も雪山に行って楽しい思いをしたのも、すべて幼なじみが最初の先生だったおかげだ。 あのとき、「じゃあ頑張ってね。僕らは上に行ってくるから」と置き去りにされたら、間違いなく僕はゲレンデの楽しさを知らない人生だった。 今のワインの仕事もそうだ。ラジオディレクター時代、僕にワインの基礎を教えてくれた方がいたのがきっかけで「店をやるならワインだ」と思ったのだった。 あの「超ワインおたくの師」がいなかったら、今は別のことをやっていたと思う。 ニュージーランドの師は、従兄弟だ。もう現地に30年近く住んでいる。店をオープンするときに、現地からワインを送ってもらわなかったら、そしていっしょに現地のワイナリー巡りをしなかったら、今の僕はないと思う。 そんなことを振り返りながらふと思う。 もうすぐ49だ。人生折り返しを過ぎている。そろそろ僕も誰かの良き師にならないといけない年頃なんじゃないか、と。 いやいや、そうじゃない。僕に影響を与えてくれた良き師たちは、こいつの人生を変えてやろうと思ってアドバイスをしてくれたわけじゃない。 温かく接してくれた。丁寧に教えてくれた。そのおかげで、僕が勝手にそれを扉としたのだ。 そうだ。誰かの人生に影響を与えてやろうなんていうのはおごり以外の何物でもない。 ただ毎日、自分の好きなこと、伝えたいことを続けた結果、誰かがどこかで「おかげでよかったよ」と思ってくれたら、それでいい。直接言葉にされなくても、なんとなく伝わっている感触があればそれでじゅうぶんだ。 今の僕がやるべきこと。熱量を持って、伝えることを怠らないこと。これに尽きるかな。 ちなみに、僕はラジオの原稿は30年近く書いているけれど、そう言えば書き方をちゃんと教わったことがない。 だからいまだにつっかえつっかえだし、てにをはを間違えるし、たまに小林克也さんからクレームの電話がかかってくる始末だ。 どこかに、僕の文章の師はおらぬか。

暗い店に学ぶ

仕事柄、「おすすめの飲食店は?」と聞かれることがよくある。 名古屋の名物を楽しめる店を教えるのは案外簡単だ。名古屋には、グルメ界で無双の存在・大竹敏之さんというライターがいて、彼の書籍から少しピックアップすれば、名古屋の「らしさ」を堪能できる店を紹介できる。 最近だと、SNSで話題になった「コデランガイド」という一冊が秀逸だ。この小冊子は、名古屋大学病院の小寺教授と、彼の率いる消化器・腫瘍外科の先生方が、学会の際に配るためにつくったグルメ本で、大竹さんも編集に協力している。 名大病院の先生たちが自ら取材した170軒以上の店が載っていて、「地元の人が通う店が一望できる!」と大評判なのだ。無料配布にしてはクオリティが恐ろしいくらい高く、地元民でさえ唸る内容だ。 (ちなみにボクモも載せてもらっている。わざわざ先生方がラムチョップとNZワインをたらふく召し上がりに来てくれて、取材してくれた。感謝しかない。) とはいえ「若者に人気の店」となると、話は別だ。 僕は世間の飲食店事情を把握しておかねばと思ってはいるが、夜はだいたいカウンターに立っているし、そうでない時は原稿を書いている。流行りを追っかける余裕がないのが実情だ。 そこで頼りになるのは、カウンター越しに集まる若いお客さんからの情報だ。外食好きの彼らに「最近、どこか良かった?」と尋ねると、いろいろ教えてくれる。 それを元に先日、思い切って流行の店に行ってみたのだった。 きっかけは、名古屋にやってくるあるインポーターの方から「ボクモワイン×インポーターで、今後の展開の打ち合わせをしませんか?」と誘われたため。 せっかくだから流行りの店でご飯を食べながら打ち合わせをしようと思い、いつもより早めに原稿を片付けた(いつもこうすれば、もっと飲食店に行けるんじゃないの?←正論)。 予約した店は、予想どおり若者だらけ。後ずさりするほどのスタイリッシュさで、とんでもない金額がインテリアに投じられていることがうかがえた。 しかし、僕が何より驚いたのは、店内の暗さだ。 もう、圧倒的に暗いのだ。 まずメニューが読めない。テーブルにあるライトを近づけてもギリギリ。もっと大きな字で書いておくれ。 そして、暗すぎて、運ばれてきた料理もワインも色がまったくわからず。何を口に運んでいるのかわからないのだ。 食べながら、これ何だっけ?と考えて、頼んだ料理をメニューで確認しようと思ったが、またライトを近づけて小さな字を見るのが面倒で、結局見ない。今、自分が何を食べているのか、本当にわからなかった。ワインの色もへったくれもない。 キャンプ用のヘッドライトを持ってくれば良かったぜ! ・・・と、僕は別に悪口を言っているわけではない。 だって、これでちゃんと流行っているんだから。それは実に素晴らしいことだと心から思う。 世の中は、自分の価値観だけでは成立しているわけではまったくない。自分が勝手にどうかな?と思ったやり方だったとしても、お客さんからの需要さえあれば、当然やっていける。誰かのイマイチは、別の誰かのイケてる。世の中そんなことだらけだ。 そしてこういう体験が、僕の勇気に繋がる。 たとえ今週はヒマだなあと思っても、アイデアを出して改善したら、来週は「お客さんの需要があるゾーン」にたどり着けるかもしれない。リーチできていないところに、まだまだお客さんはいるはずなのだから。 飲食だって、通販だって、ひと工夫で未来が変わる。それが楽しいのだ。 店は暗くても、先は明るい。そんなことを感じた一夜だった。

温存する知恵

岐阜の金華山に登るのにハマっている。 家からの距離も遠足みたいでちょうどいいし、登るルートもいくつかあるので難易度が選べる。下りた後に銭湯に浸かって、岐阜の駅前で軽く食べて。 すべてが僕にとってちょうどいい。 こないだの祝日も、そんなちょうどいい金華山ルーティーンを楽しもうと、また出かけた。 そして最寄りの駅からJRに乗るため、地下鉄の長いエスカレーターに乗っていたときのこと。 ふと横を見ると、そこには勢いよく階段を登っているトレーニングウエア姿の若い男性が。 そのとき、思わず笑いがこみ上げた。 トレッキングシューズにマウンテンパーカー、リュックという山登り装備の僕。そのくせに、エスカレーターで優雅に運ばれている。 一方で、横のアスレティック男子は一生懸命階段を駆け上がっている。 涼しく運ばれる僕と、はあはあ言って登る彼。 エスカレーターを降りたとき、視線が合った。そしてじろりと僕を見る彼の目はきっとこう言っていた。 「これから山を登るんだろ?じゃあ、なんで階段は登らないんだよ。」 ごもっともだ。わかるよその言い分。登るんなら、ここから登れよ。それ正論。その昔、ジム通いしていたときの若き僕はあなた側だったよ。 でもね、時は経ったのさ。 頼む。今は足腰を温存させてくれ。これから山で大変なのに、その前の都会でも大変って無理なのよ。 彼の視線を感じ、心でそんな長い言い訳をしていた。 そしてそんな自分に、苦笑いしてしまったのだった。 その後JRの車内で、僕は以前家族と行っていたキャンプを思い出していた。 お気に入りの中津川のキャンプ場は民家がすぐ横にあった。民家の隣で僕らはわざわざ不便なテント生活でキャッキャやっていたな。 きっとあの家の住人たちは、僕たちを「なんで?」と笑っていたに違いない。 ああ、そうだ。僕らは日常と非日常を使い分けている。 普段は文明の恩恵を最大限に受けながら、たまに 「自然」という非日常のエンターテイメントに飛び込むのが好きだ。 飛び込んだとき、価値観のスイッチが切り替わる。 山、キャンプ場。そこでは便利で合理的すぎるものはダメで、不便で非合理が良いとなる。 つまり、そのレジャーの最中にいる一瞬だけ、僕らは文明を否定する。「ああ、自然っていいなあ」などと言う。そしてまた便利な都会に悠々と帰ってくるのだ。 ぬるい。 でも、そのぬるさが僕は大好きだ。僕にとっての非日常体験って、便利なところにすぐに戻れる安心感があるからいいと思えるのだ。求めているのは無理のないスパイス感。 だいたい文明、たまに自然。まったくかっこよくないけれど、それが僕にとってはちょうどいい。 夕方、ガクガクになった足で、駅まで戻り、またエスカレーターに乗りながら朝の彼を思い出す。やっぱり温存しておいて正解だった。最初から飛ばしていたら怪我をしていたかもしれない。...

ボクモ15周年パーティー

ある日、ふと気づきました。 「あれ?これって挟んでない?」と。 ボクモって、入り口を入ったらすぐにテーブル席があって、少し進むと僕がカウンターでワインを注いでいます。 僕の後ろは壁です。 そして、この小さな箱の僕の反対側の壁にいるのがシェフです。 壁と壁。シェフと僕。料理とワイン。 毎日、真ん中に来るお客さんを挟んでるじゃない! 料理とワインは、それぞれ単独でも楽しいもの。 でも、それが同じ空間の中で、調和したものとなるとき、その楽しさはそれまでと比べものにならないほどにふくらみます。 そのムードは笑い声となり、暖かい空気となり、ときには熱気を帯びて、どんどんふくらみ続けます。 そして、お客さんが帰った後も、ふわふわと残る笑い声の残像が漂っているのを感じます。 あのお客さん、楽しそうに過ごしていたな。良い表情をされていたなって。 で、そんな日々を重ねて、気がつけば15年。 感謝の気持ちを込めて、パーティーをやりたい。 そう思ったとき、この挟むというキーワードがふと浮かびました。 ボクモ15周年PARTY「挟みます。」 〜ワインが右から、料理が左から、そして音楽が前から後ろから迫り、あなたを完全に挟みこみます。  それは五感を包み込む圧倒的な体験。  この挟み撃ちに逃げ場はありません。  美味しさと楽しさの猛攻に、ぜひ撃ち抜かれてください!〜 ■開催日: 2024 年 11月 15日(金) 16日(土) 17日(日) ■開催地: ボクモ ■イベント概要:...

そのままでいい

「そのままでいい」 エドワードさんはそう笑って言った。 先日、ニュージーランドのワイナリー「ペガサス・ベイ」からマーケティング・マネージャーのエドワードさんをボクモにお招きしたときのこと。 ボクモの他にニュージーランドワインのオンラインショップも運営しているんですよ。そう伝えると、彼は興味津々で、「どんなサイトか見せてくれないか?」と言ってきた。 iPadを手に取り、通販サイトを見せる。彼は、知っているワイナリーを見つけるたびに「うん、なるほど」と頷きながら、画面に釘付けだ。 「ノース・カンタベリーのワイナリーだけでソートできる?」 彼のワイナリーが位置するのはノース・カンタベリー。どうやら日本で他にどんなワイナリーが扱われているか知りたかったらしい。さすがマーケティング・マネージャー、他社の動向のチェックにも余念がない。 「もちろん」と言ってページを見せた瞬間、彼はにんまり。 「そのままでいい」 そう、ノース・カンタベリーのワイナリーはペガサス・ベイだけ。競合なし、というわけだ。 僕は「いや、それは実はですね…」と言いそうになって口をつぐんだ。 正直、ノース・カンタベリーのワイナリーは数が少なく、扱っている日本の輸入業者も限られている。だから、うちでも積極的に他のアイテムを揃えられていないだけ。 なのだけれど、まあ、そんな言い訳は不要だなと思い直した。彼の満足げな顔が全てを物語っているではないか、と。 用意した牛頬肉のパスタに、ペガサス・ベイの赤ワインを合わせると「これ、最高に合うね!」と絶賛。元々ワイナリー併設のレストランで働いていた彼は、日本でのペアリングもしっかり確認していた。 トークは想定以上に盛り上がり、ときに会場は笑い声に包まれた。お客さんとのコミュニケーションもしっかり取ってくれて、会の終わりには即売&サイン会も実施。彼は終始にこやかで、良い「ノリ」があった。 そう、盛り上がる会には必ずゲストの良いノリがある。 昔、ラジオのディレクターをやっていた頃も、そう感じていた。番組のゲストが心から楽しんで話していると、その感情がリスナーにも伝わり、場の空気が一気に弾む。 ディレクターからソムリエになり、海外のワイナリーを迎える立場に変わったけれど、結局、根本は同じだ。ゲストが楽しいと、お客さんも楽しい。その関係があってこそ、会は成功するんだと改めて思った。 ただ、ひとつ反省点がある。 それは、「名古屋の人は一度気に入ると、末永く愛してくれるんですよ」と伝えそびれたこと。 実際のところ、海外からのプロモーションツアーの中に、名古屋が入ることはなかなか多くない。それでも、わざわざ来てもらった以上は、「名古屋に来てよかったな、また行きたいな」と思ってもらわなければならない。これ、地味に大事なポイント。 今回は幸運にも、熱心なワイン愛好家やニュージーランド好きが集まり、エドワードさんの話を真剣に聞いてくれた。彼らの目の輝きを見て、きっと今後訪れる特別な日に「ペガサス・ベイで乾杯しよう」となると思った。 そう、名古屋の人たちは情が深い。気に入ったものは、長く愛し続けるタイプなのだ。これは自信を持って言える。 だからこそ、エドワードさんにそのことをちゃんと伝えるべきだった。「名古屋に来てくれたから、あなたのワインはこれからも大切にされますよ」と。もしそう言っていたら、彼ももっと名古屋を特別な場所として感じてくれたかもしれない。 でも、まだチャンスはある。来年、僕はニュージーランドに行く予定で、もちろんペガサス・ベイにも足を運ぶつもりなのだ。その時には、きっとこう伝えよう。 「名古屋の人たち、あなたのワインに夢中になりましたよ。これからも、ずっと愛され続けるはずです。」 そう伝えるときのエドワードさんの表情を、今から想像している自分がいる。 ・・・と、今回「です・ます調(敬体)」でなくて、「だ・である調(常体)」にしてみました。 どう?そのままでいい?いや、やっぱりちょっと威圧的かな・・・。

準備していること

今日は、最近僕が「準備していること」を。 いよいよ開催が迫ったワイナリーイベントの準備 明後日9/18(水)、ニュージーランドの名門ワイナリーをお呼びする企画「ミート・ザ・ワインメイカーズ 〜ペガサス・ベイを迎える一夜〜」をやります。 久しぶりに現地のワイナリーの方を招くイベントです。しかも、ビッグネーム。つくっているワインの「格」で言えば、ホテルのレストランなどが似合うアイテムばかりです。 でも、今回はカジュアルなワインバーのボクモに来ていただける。だからこそ、ボクモならではの楽しさを提供しなければ。 それはやっぱり、先日の名古屋大学のイベントみたいな「自由闊達な意見交換ができること」です。 発表者と参加者の距離が近い。これこそが、ボクモでやる意味だと思います。なので、皆さんが質問や感想を発言しやすい感じの会にしようと、今レジュメを作っています。 ちなみに、枠はあと2名様分あります。滑り込みご参加、まだ間に合います!(チケットはこちら) ボクモの月〜木限定のお得なセット「プチボクモ」の準備 おかげさまでボクモは金・土はご予約で満席になることが多いです。でも、月〜木は波があります。名古屋はコロナ前後で平日飲み人口がガクッと減っちゃったなあというのが正直な感想です。 でも、こういうときこそアイデアが必要。魅力がある店は曜日関係なくいつもお客さんでいっぱいなのです。うちもまだまだ頑張れる余地はある。 そこで今回考えたのは、月から木のサービスメニューです。ボクモのど真ん中のメニューをお手軽に楽しめるセットがあれば、来やすいのではないか。 というわけで、ニュージーランドワイン2杯+前菜2種+マッスル(ムール貝)+ラムチョップで、お一人様3,900円税込のセット「プチボクモ」をつくりました。ただし2名様以上でのオーダーに限ります(お一人様用のお得メニューはソロデリがあるので)。 深夜にみんなで写真撮影をして、なんとか差し込みメニューも完成。さあ、今週からどんとこいです。 11月に開催予定のボクモ15周年パーティーの準備 本当は7月が開店記念の月なのですが、酷暑のため、パーティーは11月に。今年は3日間連続で、3日ともボクモ店内で。20名様限定で、それぞれ内容がちょっとずつ異なるイベントにします。 今はその日だけのフードメニューを考えています。半立食にするので、持ち歩いて食べ安い、しかもワインにあうメニューを考案中。今日はバインミーを自宅で試作しました。 試作して初めて分かったのですが、味の決め手は肉じゃなくて、なますですね、これは。今回は大根と人参のなますにしたのですが、食感、量、味つけでバインミー全体のバランスが大きく変わります。良い発見。ワインと行ったり来たりして美味しくなるやつにするために、もっと試作します。 ボクモの15周年イベントは、11/15(金)16(土)17(日)。楽しくしますので、ぜひ空けておいてください。詳細は追って。 こないだも言いましたが、僕は準備が楽しいと、本番もきっと楽しくなると思っています。準備には発見がある。発見は楽しい。楽しいは連鎖する。 よし、もっと準備だ。

生活への刺激

土曜日、ボクモはイベントの店でした。 昼の部は、母校・名古屋大学のイベントでした。お話をしてくれたのは、デンキナマズなどの魚類を研究している飯田敦夫先生。 テーマは「論文と報道」について。以前マスコミ業界にいた僕としても、ちょっとドキドキするテーマです。 だって、研究者サイドからのマスコミに対する辛口の批判が飛び出るんだろう、と思っていたから。「マスコミのやることは誇張がすぎる!」とか、そんな主張かなと。 でも、実際にはそんな単純な話ではありませんでした。 確かに科学系の記事の中には、実際に論文を書いた研究者から見たら、こんな表現を使わちゃれうと誤解を与えるかもとヒヤヒヤすることもあるし、一部分だけを切り取ってセンセーショナルな見出しにしていることもある。 ただ、マスコミって元来たくさんの人の目を引く宿命を背負っているもの。しかも、専門的な知識を持っている人ばかりが記事を書いているわけではない。 報道には報道の独特の仕組みがある。なので、研究者の主張とのズレが生じるのは、ある意味仕方のないこと。 だからこそ、記事を見る皆さんは気になるものがあったら、「本当にそう?」と好奇心を持って、その記事の元になっている論文を読んでみると面白いよ、と先生は語っていました。 これには、僕もつい首を縦に振ってしまいました。 今だとChatGPTとかDeepLとか、助けてくれるツールのおかげで格段に英語の論文は読みやすくなっています。それほど思い切らなくても、学問の世界に飛び込めるわけです。 もうすぐイグノーベル賞が発表されます。今年も受賞した研究はおそらくネット記事になるでしょう。その記事から論文をディグするのもオツかもな、と思いました。 そして、質疑応答の時間。 質問と返答で会場の空気が活気づいていくのを感じながら、僕はふと「ああ、これって久しぶりの光景だな」と思いました。 コロナ前のボクモはこういう店だった。 専門的な何かを持つ人と、意見を交わし、新しいことを学び合う場所にしたい。そう思ってこの店に音響や映像の設備を入れ、ミニステージをつくったのでした。 残念ながらコロナでイベントはゼロになり、コロナが明けてもイベント開催は以前より控えめになっています(あれこれやることを増やしすぎて手が回らんのです←言い訳)。 でも、やっぱりこういう「いつもと違う人に関わる場」って良いです。これからもイベントはやっていくべきだと胸に刻みました。 そして夜。 ボクモは貸し切り営業をしました。こちらは、僕が大学生の30年前からお世話になっている方の還暦祝いのパーティー。大事な節目のイベント会場に、ボクモを選んでもらってありがたいです。 その方に言われました。 「お前さあ、文章が長いよ!」 この投稿のことだ・・・ 「あの長さの文章を毎週書くって、よっぽど自分が好きなヤツのやることだよ。」 うぬぬ。そうか、この文章によって、僕って自己愛が溢れまくり男と見られているんだな。さすが30年僕を見ている方。ぐうの音も出ないぜ。 そんな大先輩は、赤いちゃんちゃんこを着て、以前自分がやっていた会社の元社員たちに祝われ(いじられ)、ワハハと笑ってワインを飲んでいる。なんといい光景だろうと思いました。 昼のイベントも夜の貸し切りも、集まった人にとって「生活への刺激」をもたらすことができる場になった。そんな気がするいい土曜日でした。 ・・・と、今回は皆様のお目汚しにならないように、短くせねばと思って書いたのですが、やはり1500文字を越えてしまいました。 残念。今回も自己愛まる出し。次は目指せアンダー1000文字!

楽しませる楽しさ

やっぱり肉を焼くなら、道具が必要だ。 そう思って、まずホームセンターで焼き肉プレートを買いました。あの、穴が空いていて中に水を入れるタイプのプレートです。 そして、どうせならきちんと美味しい肉がいいと思って、飛騨牛専門店に行きました。値札を直視すると迷いが生じるのでなるべく見ないようにして、A5等級の飛騨牛を購入します。 次は、名古屋に北陸の風を吹かせるスーパー「アルビス」で、北の美味しそうな海鮮を仕入れます。そして車でボクモへ。 買ったものを冷蔵庫に入れていったん家に戻り、地下鉄で再び店へと向かいます(ワインを摂取するので)。 18時に集合すると、まずは養生を。油が飛び散っても大丈夫なように、みんなで床に段ボールを敷き詰め、カウンターや本棚にビニールをかぶせます。 そして、食材を机に並べ、いざスタート。 「最初はやっぱりA5の飛騨牛から攻めるべき!」 「シェフの秘伝スパイスをかけると、もう1ランク上がるぞ!」 そう。 その日はスタッフ焼き肉会を開催したのです。 事前にスタッフにどんなものが食べたいのかヒアリングしたところ、大学生男子は「カルビがいいです!」、静岡出身お酒好き女子は「イカをつまみに飲みたい!」と、それぞれの欲望を披露。 だったら若い男子には、白米にバウンドさせて最高にうまい肉を、海育ち女子のお眼鏡に適う海鮮を、と思って丹念に手はずを整えたのです。 結果、みんないい顔でした。ワインもぴったりすぎるくらいぴったり。ああ、楽しかった。 ところでその準備の最中、ハッとさせられることがありました。 それは、最初のホームセンターでのこと。 あれこれ物色しているときに、ふとガラスに写った自分の顔が目に入り、思わず吹き出してしまったのです。 もうね、それはそれは楽しそうに品物選びをしているおっさんの顔だったのです。おもちゃ売り場に迷い込んだちびっ子のように目をキラキラさせているではないか。 ああこれ、忘れかけていた顔だ。 僕ら飲食店は準備の仕事です。準備したものを楽しんでいただく商売です。準備を食べてもらい、準備を飲んでもらうとも言える。 普段の営業で、その肝心の準備をしているときの僕は、果たしてこのガラスに映ったちびっ子のようなおっさんの顔をしているだろうか。 こういうタイプのプレートだったら煙の量が抑えられるかな、とか。食欲くん用に、食べ出のあるソーセージも買っておこう、とか。飲み助ちゃんのアテはイカだけじゃなくて海老も要るだろう、とか。 そういう想像をしている今この瞬間が、なにより楽しい。人を楽しませる楽しさで心が満ちている。 それが毎日のこととなるとどうだ。ちゃんと想像力を働かせているか? 来て頂ける方の楽しんでいる様子を想像して、よーし、次はどんなふうに楽しんでもらおうかな、とわくわくしているか? いや、そうでないときがある。いつものルーティンをただ手を動かしているやっているだけのときもある。集客システムのことばかり考えちゃってることもけっこうある。 それではいかんのだよ。 食べているとき、飲んでいるとき、人は自然と口にしているものに「準備の跡」を感じている。楽しんでやった準備は、きっと受け取る人にもじんわりと伝わっているのです。 だから、きちんと「この準備の結果、良い顔になってもらえるかな」と、いちいち思い描く必要がある。そして、その想像を楽しむことが、まさに僕の仕事なのだ。 僕は目の前の仕事がお客さんの喜びにまっすぐに繋がる、珍しい仕事をしている。だから日々の想像をサボってはだめなのです。...

ペガサスが来る!

今日はお知らせを。 ボクモにいらっしゃる方の中には、「ニュージーランドに行きたい」「ワイナリー巡りをしてみたい」という方が多くいらっしゃいます。 また、ボクモワインでワインをご購入された方から、「ニュージーランドに行きたい(戻りたいと表現する方もいます)けれど、今はワインで現地の気分を味わいます」という声も届きます。 そんな方に朗報です。 行かなくても、来るのです。 そう、ニュージーランドのワイナリーの方が、こちらにやってくるのです! 現地のワイナリーでの醍醐味は、なんと言っても「生産者の声を聞きながらワインを飲むことができること」です。 目の前にある一杯のワインは、どのような土地で、どのような思いを持った人が、どのようなやり方でつくったのか。 それを知ることで、ワインという飲み物が、つくる人の思いが込められた農産物であることが実感できる。味わいを深く感じることができると思います。 その「知る楽しみ」を、日本に居ながら体験していただこうという企画、それがボクモ / ボクモワインがニュージーランドからワインメイカーをお招きするイベントシリーズ「Meet the Winemakers」です。 今回のMeet the Winemakers、お迎えするのは・・・・ 南島クライストチャーチ近郊「ノースカンタベリー」では最重要ワイナリーとの呼び声が高い「ペガサス・ベイ」! 創業家であるドナルドソン・ファミリーの次男エドワード・ドナルドソン氏がやってきます。 そう、海を越えて、ペガサスが羽根を羽ばたかせ、名古屋へやってくるのです。   イベント概要 Meet the Winemakers : Pegasus Bay from North...

結果発表

それではお待ちかね、「小牧ワイナリーのワインにあう愛知の食」を発表します。 (ドラムロール  どぅるるるるるる・・・・  じゃん!) 「ユウゼンのあんかけパスタ」 (歓声:ええ!?いけるんだ!) そして 「風来坊の手羽先」 (歓声:おお、そうなんだ!) さらにもうひとつ 「おとうふ工房いしかわのきらず揚げ」 (歓声:なんと、そうなの?) 以上、3点は小牧ワイナリーのワインにばっちりあうという結果が出ました! (パチパチパチパチ) というわけで、先日のイベント「小牧ワイナリー × 愛知の食 ペアリングラボ」に参加していただいた方からの声を(だいぶざっくりと)まとめますと、このような結果となりました。 意外だったのが、上記の3品は、白ワインでもロゼワインでも赤ワインでもマッチするという意見が多かったことです。 ちょっと詳しくワインの説明をしますと・・・ 小牧ワイナリーの白「Komaki Blanc」は、ローズシオターとモンドブリエのブレンド。ともに日本で品種改良されたぶどうです。酸味はほどよく、柔らかい柑橘の風味があってドライです。 ロゼワイン「Komaki Rosé」は、マスカットベーリーA 100%。果皮や種を漬け込んだ通常の仕込みのロゼに、マセラシオンカルボニックのワインをブレンド。キャンディー香はやや抑え目。イチゴのニュアンスもありますが非常にドライ。 赤の「Komaki Rouge」はヤマ・ソーヴィニヨン 100%。青っぽい野性味が感じられ、一部セニエをやっています。酸はおだやか。やわらかく、メルローのような雰囲気も感じられます。 この小牧産の3本に貫かれているのは「軽やかさ」です。アルコール度数もそれぞれ10.5%、8.5% 、10%と低めに作られていて、主張しすぎない味わいが持ち味です。...

美味しいプリン

今、プリンを食べています。 西尾の抹茶をつかったプリンです。ちょっとゆるめでクリーミー。抹茶の風味が濃厚。甘みの奥のマイルドな苦みが心地よい。 とても美味しいです。 プリンを食べながら、7年くらい前の出来事を思い出しています。 彼女が初めてボクモに来たのは、アルバイトの面接のとき。 その姿に僕は驚きました。なんと高校の制服姿で現れたのです。 これまで若いアルバイトスタッフはいたけれど、さすがに高校生はいなかった。 高3女子にワインを注ぐ仕事をやってもらうのはちょっとどうかな、と思ったのですが、話してみて考えが変わりました。 「将来、管理栄養士になりたいんです。だから、飲食店で働くことを経験してみたいなと思って応募しました。」 なんてまっすぐな。その視線は僕を突き抜けて、はるか先の将来を見ているようでした。 ボクモの仲間になった彼女は、仕事をテキパキとこなしました。とにかく頭の回転が速い。相手の気持ちを察するのも上手で、常連さんからも好かれました。 高3の最後から大学生活まるっと4年間ボクモで活躍してくれた彼女。 たまに、「管理栄養士って就職先の選択肢がいっぱいあって、どの道に進めばいいか迷ってるんです。」 そんな話も聞きました。 でも、4年生で教育実習に行ってみて「自分がやりたいのはこれだ」とビビビときたそうです。特に管理栄養士の資格は必要ない仕事だけれど、子どもたちに栄養のことを教えることが面白いと思ったようで。 しかし、当初の目標だった管理栄養士の資格もちゃんと取得して(教員免許、採用試験、管理栄養士のトリプル合格ってすごいことらしい)、今は、高校で家庭科の先生として頑張っています。 ありがたいことに、社会人になってもたびたびボクモに来てくれています。カウンターで常連さんの教員の方と隣の席になったときには、バイト時代の店員とお客さんじゃなくて、同じ悩みを持つ先生同士のトークに花が咲きます。 そんな彼女。 先日、嬉しい報告をしに来てくれました。 「生徒たちといっしょにアイデアを出しあって、地元企業とのコラボ商品をつくるプロジェクトをやることになったんです。」 聞けば、授業の一環でつくった企画が、自治体が開催したコンテストで最優秀賞をとったそうで。 それが今食べている、西尾の名産品をつかったプリン。松坂屋のごちそうパラダイスに期間限定で出店していて、さっそく購入してきました。 高校生だった彼女は、時を経て、今高校生を教えている。セーラー服を着たあの日の目線は、ボクモを通過して、生徒たちを見つめている。そしてプロジェクトを指揮する頼もしいリーダーの目になったんだ。 そう思ってスプーンを口に運ぶと、なんだかとてつもない尊さを感じます。 「あいばぷりん」と名付けられたこのプリンは、西尾の饗庭(あいば)の塩田で作られたにがりを使っているそう。そのにがりで豆乳を固め、西尾の抹茶を加えたんだそう。 しかし、まったく豆乳が原料とはわからない濃密なミルク風味です。どろっとしていて、舌触りは実に滑らか。 地元のものを使って組み立てた、他にはない絶妙なバランス感。これは料理を知ってる人の仕業です。 なあに、やっぱり、管理栄養士を目指していた頃に身につけた調理の知恵をちゃんと活用してるじゃないの。素晴らしい。 食べ終わった後、ああもうなくなっちゃった、もうちょっと食べたいなと思いました。でも、余白がちょっと残るくらいの方が品が良くていいとも思います。 余白は次への期待を含みます。また次に彼女がどんなことをやっていくのか、楽しみです。...

最近のお気に入り

今日は「最近のお気に入り in 名古屋」というお題で書いてみます。 新装開店した中日ビルの書店「文喫(ぶんきつ)」 半世紀にわたって名古屋のシンボルだった中日ビルが解体されて5年。今年の春に新たにオープンした新・中日ビルは、飲食店フロアやショップ、ホテルなど魅力がたくさんありますが、中でも僕が好きなのは、新しいスタイルの本屋さん「文喫」です。 蔵書の数はそれほど多くないですが、センスが光りまくるセレクトと陳列にわくわくします。 何より有料の「大喫茶ホール」がいい。ソフトドリンク飲み放題で、電源付の席がいっぱいあります。もちろんWi-Fiも使えます。90分825円で、延長は30分ごとに275円。 僕は週1、2回はここで仕事をしています。 理由は、延長せずに90分以内でこの仕事終わらせるぞと思うだけで、(僕にしては)ものすごい集中力が出るからです。 自分のケチ精神を利用して効率を上げるというこの方法を発見してから、ス○バに行かなくなりました。 あんかけスパゲティ チャオの夏季限定メニュー「チャンプルー」 毎年この時期に必ず食べるゴーヤーのあんかけスパ。大好物です。ダイエットの大敵であるとはわかっています。でも気付いたときにはフォークで太麺を巻いています。 友人のパーソナルトレーナー高橋くんは言います。「毎日ストイックに食事制限をやるんじゃなくて、2日を1単位にして、食べ過ぎたら翌日は節制するというやり方もあるよ」と。 その教えを守り、2日連続のあんかけは固く禁じています(当たり前だ)。 スーパーマーケット「アルビス」 あの病院の跡地、ずいぶんほったらかしだけど何ができるんだろうね、と北区民は囁いていましたが、その広大な敷地に昨年末に突如としてやってきたのが「アルビス」です。 富山県射水市発祥のスーパーで、名古屋では2店舗目。北陸の名産品がずらりと並ぶ、このあたりでは珍しい「地域色を前面に打ち出した」スーパーです。 わたくし&北区民のフレンズ、大ハマりしています。白エビ、ぶり、わっぱ飯、とろろ昆布のおにぎり、加賀野菜、ソースカツ丼、富山ブラック、北陸の地酒。これでもかとあっちの豊かな食文化を見せつけてくれます。 毎回、スーパーに行くというよりは、北陸物産展に行くという心持ちです。そして行くたびに季節の知らん魚があり、小躍りしています。 お盆はここでお刺身を買って手巻き寿司パーティーの予定です(もちろんニュージーランドワインをお供に)。 金山人情屋台「わらとすみ」 ボクモ以外でニュージーランドワインがしっかり飲めるお店 in 名古屋です。 実は、ちょっと前までは伏見の人情屋台で「獬(シエ)」という屋号で営業していましたが、金山にお引っ越しされて装いも新たにやっています。 新店名「わらとすみ」は読んで字のごとく、藁で燻して炭火で焼く料理がメイン。魚介、お肉、おばんざい、ご飯、スイーツ。なんでもあります。日本酒はマニアな品揃え。店主の個性が爆発しています。 僕は鹿のローストとニュージーランドのピノ・ノワールをあわせるのが好きです。   観光資源が乏しいと言われて久しい名古屋ですが、住みやすい街としてはランキング上位に来るそうです。...

ペアリング ラボ

ちょっと前に予告したイベント、開催決定です。 事の発端は、先日のソムリエ協会のセミナー。 地産地消をテーマに、愛知の飲料と名古屋の名物をあわせて楽しむという内容だったのですが、当日供された「小牧ワイナリーのワイン」と「味噌串カツ」がペアとしてはなかなか厳しかった・・・ という経験を踏まえ、 地元の美味しいワインが「味噌カツとの相性はいまいち」という印象だけ残っちゃうのは忍びない! ならば、我らが地ワインである小牧ワイナリーのワインと、ぴったりあう名古屋の名物を探そうじゃないか。 と思い立って企画いたします。 2024年8月15日(木)開催 「小牧ワイナリー×愛知の食  ペアリング ラボ」 この日のボクモはラボ = 実験室。 このイベントは、こちらから提案する形のいわゆる「飲食店の通常営業」ではありません。 参加する皆さんに、自由に実験して、皆さんなりの答えを探して頂く体験型のイベントです。 こちらでご用意するのは・・・ 小牧ワイナリーの看板ワイン「Komaki Blanc」「Komaki Rouge」など。 そして、テイクアウトで調達する愛知のご当地グルメ「海老フライ」「あんかけスパ」「手羽先」「味仙のおかず」「大和屋守口漬総本家の粕漬」など8種類のおつまみです。 (ちなみに当日、ボクモの通常営業はお休みでキッチンはクローズしています。) ゲストに小牧ワイナリーの白井さんをお招きします。ワインやワイナリーについてのお話を聞きつつ、いっしょにナイスペアを発見して盛り上がれたら良いなと思います。 ちなみに、小牧ワイナリーの最大の特徴は、「美味しいワインづくり」と「障がい者雇用」の二刀流にチャレンジしていることです。 この日、もし「小牧ワイナリーのワインってこんなペアで楽しめるんだ」ということを発見できたら、そのワインは、あなたにとって「食事との合わせ方を知っているワイン」「日常に溶け込ませやすいワイン」となります。 そして「夕飯の献立はこれにするから小牧のワインを買っておこうか」となれば、その購買行動は、障がい者の自立を応援することに繋がる。そんな感じの連鎖が生まれたらよいなと思います。 また、+αのお楽しみとして、ニュージーランドワインとご当地グルメのペア検証もやってみます。 個人的には、ニュージーランドワインは、あわせられる食事の幅が広いワインだと思っています。この機会に、愛知の食とのペアも試して、ぴったりくるものが見つけられたらと思います。   2024年8月15日(木)...