ソムリエ岩須(いわす)のブログ

ニュージーランド大使館

来月、ちょっとご縁があって、ニュージーランド大使館に行くことになりました。 大使館ってどんなところかな。大使ってどんな方かな。わくわくします。 僕の中で大使のイメージは、ちょびひげに蝶ネクタイ、ステッキを持ったのダンディーな紳士です。ステッキて、古いか。 いや、もしかしたらニュージーランドはラグビーの国だけに、ラガーシャツを着こなす胸板極厚ラガーマンだったりして。それでハカを踊ってお出迎えとか。んなわけないか。 まあ、それは当日のお楽しみとしてとっておくとして、その前にやらなきゃいけないのは準備です。 めったにないこの機会をぎゅっと濃いものにするために、あらかじめ何を話すか考えておかねば。 大使にはニュージーランドという国の製品を日本に売り込むトップセールスマンという側面もあるはずです。 ラム肉、キウイフルーツ、チーズ、マヌカハニー、メリノウールの製品などと並んで、ワインも国を代表する特産品です。 つまり、僕らが目指しているニュージーランドワインの普及は、大使も目指すところであるはず。言わば我々、同じ目標に向かっている仲間なわけです。 それならば、大使や商務部の方がもっているワインにまつわる情報が知りたい。ニュージーランドワインの魅力を伝えるためのツールが得られたら、日々のボクモワインやボクモでの普及活動にかなりプラスになるんじゃないかと思います。 ただおそらく、お話できる時間は限られていることでしょう。 なので、要点をまとめて、端的に話せるようにしておかないと。 ということで、質問リストのアイデア出し、この場を借りてやってみます。 まずいちばん知りたいのがこれ。 ・ニュージーランドワインが他国のワインに比べてどの点が優れていると思っているか。 日本のワインマーケットは非常に競争が激しいです。かなりたくさんの国からワインが輸入されていますし、日本ワインの成長もめざましいです。 その中で、ニュージーランドを選んでもらうためには、その優位性を伝える必要があります。国としては、どこをストロングポイントだと思っているのか。それをまず聞いておきたいです。 関連して、もうちょっと突っ込めたらこれも言ってみたい。 ・ワインのフェアトレードに関する資料があれば欲しい。 ニュージーランドワインは価格面では競争力がやや劣ります。1000円以下のワインはほとんどなく、2000円から3000円がボリュームゾーンになります。 その大きな要因は家族経営のワイナリーが多く、大規模生産ができないことが挙げられます。 そしてもうひとつの要因として、ワインづくりに従事している人たちの労働環境を守り、適切な賃金を支払っているから、ワインがそこまで安くならないと聞いたことがあります。 ニュージーランドの多くのワイナリーにとって近隣の国からの出稼ぎや季節労働者の力は欠かせません。 そういった人たちに対してきちんと対価を支払う仕組みがあることによって、他国に比べて割高になっている。フェアトレードの取り組みが価格に反映されている。だからこの値段になっている。 もしそういう事実があるのならば、その取り組みをしっかりとアピールするべきだと思いますし、ならば少々値が張っても買おうという人もいると思います。 そんな資料があれば、共有して頂けたら嬉しいなと思います。 ・・・いかん、ちょっとに過熱気味なってきちゃった。 ここいらで、ややライトめな質問も。 ・上野樹里さんをNZ観光大使にしてキャンペーンに起用している意図と効果は? 今まで著名人を使ったNZの旅の魅力を発信するキャンペーンはあんまり見たことがなかったですが、今回はなんでなのかな、と。...

一粒で二度美味しい

好きな言葉は「一粒で二度美味しい」。 機内でビーフorチキンと聞かれたら、本音は「どっちも」と言いたい。 「両A面シングル」ってのもいい響き。 どうしても一回の経験でたくさんのお得を求めてしまいがちなのです。 先日も、うどん屋さんで「大盛無料ですよ」と言われて、思わず「じゃあお願いします」と言ってしまい、10分後にしっかり後悔しました。 もうそんなに食べられる年じゃないってわかってるのに。 そんな僕なので、新しく始める趣味「低山登り」についても、どうしても欲張りたいと思ってしまいます。 普通の人にとっての山登りは、「運動」+「登った達成感」で、二つ美味しさがあるのでしょう。 いや、いずれはね。僕もそっち側の人になりたいとは思っているのですよ。ゆくゆくはニュージーランドでトレッキングをやって、いっぱい体を使って絶景を全身で感じたいという野望はあるのです。 でも、まだ今は生まれたてのトレッカー。甘えたい時期なのです。モチベーションをぐんと上げる飴が欲しいのです。だって、現在のわたくしは、筋金入りの運動苦手おじさんなんだももん。 昔はテニスとか草野球とかやっていたのが、自分でも信じられません。今の僕にとって、山登りそのものだけを愛する筋肉なんて、とてもとても備わっていないのです。 だから軟弱な僕が山に向かうには、もっとこう、ウキウキするようなサムシングが必要なのです。 そう、そのサムシングさえあれば、錆び付いた車輪がごろんと動き出しそうな気はしているのです。動いたその先にはニュージーランドの山々があるとわかっているのです。 と思って飴を探していたところ、発見!!しました! カウンターで「初心者が登るのにちょうど良い山があるよ」と教えて頂いた山のすぐふもとに、それはありました。 みんな大好き、僕も大好き、温泉&岩盤浴!です! 汗をかいたあとのご褒美、こんな魅力的なものがあれば頑張れるに違いない。車輪ごろごろごろごろ・・・ と言うわけで、行ってまいりました。 岐阜県可児市の鳩吹山。そして、登山道入り口のすぐ近くにある湯の華アイランド。 鳩吹山の標高は300メートル。低山です。初心者向けって聞いていたし、ネットで調べてもそう書いてありました。 甘ちゃんな僕でもなんとかなるでしょうと高をくくっていました。 しかし、甘ちゃん岩須、甘過ぎでした。 まず、最初の分岐を間違えました。進んでも進んでも登り坂にならない。山の主のような近所のおじさんが「登りたいならこっちの道じゃないよ」と教えてくれなかったら、僕は山登りすらできずに帰っていたことでしょう。 主おじさん、ありがとう。 「ちょっと急だけど、頑張ってね」と言われて、分岐点まで戻り、いざ登山開始。そして、すぐに気付きました。 ちょっとじゃない!めちゃくちゃ急斜面じゃないかい! 途中、崖のような悪路に垂れ下がったロープをたぐり寄せて登らなきゃいけない場所も。 急すぎる!あと岩だらけで歩きにくい! 最初の休憩所に着いた頃には、すでに汗だくで息も上がり、頭がくらくらしていました。 こりゃあかん。低血糖になったと思い、飴(比喩でなくぶどう味のおいしい飴)をなめて、10分ほど休憩。なんとか息を整えました。...

図書館が好きです

図書館が好きです。 主にラジオの仕事で調べ物をするときに利用しています。 僕が担当している仕事は、書きたい内容の資料が見つかるまでが勝負のものが多いです。 素材さえあればわりと簡単に組み立てられるのですが、その素材を見つけるのが、まあ一苦労です。 ボクモに勤務していない時間は、Amazonはもちろん、近隣の大小の本屋さん、古本屋さんをパトロールしていることが多いのですが、やはり最も頼りになるのが図書館です。 特に古めの書籍にはめっぽう強い。古本屋だと8000円くらいする絶版本も、図書館ならタダです。 特に僕が好きな愛知県図書館(略して県図書)は、表に出ていない蔵書ももの凄くたくさんあるので、めちゃくちゃ助かっています。 僕の県民税はすべてここの運営に充ててくださいとお願いしたいくらいです。 思い返せば、図書館好きなのは昔からです。 高3の夏休みは、ほぼ毎日図書館で受験勉強をしていました。家だとどうしてもだらけてしまうので。 テレビも見ちゃうし、アイスも食べちゃう。 でも図書館の机には、同じように頑張っている学生たちがいます。 たぶん別の学校に通っている人なんだろうけど、同じ図書館で、同じように参考書を開き、同じように黙々と実力テストをやっている。 ライバルのようであり、同志のような存在がいることで、背筋が伸びるのです。 「あの子、昼過ぎてもまだ休憩行かないんだ。それなら僕も負けていられないぞ」なんてよく思ったものです。 今、県図書には、あの日の僕みたいな、机にかじりついて勉強している学生がいっぱいいます。 一目見て、ただならぬ集中力を発揮している様子の子には惚れ惚れします。でも、寝ちゃっている子もいれば、ノートに落書きを描いている子もいる。 そんな子も含めてみんなきっと「家だとやれない」同志です。 僕もそうだったんだよ。そして、今頑張れば、結果はどうあれ、あとから「頑張ったあの頃」が残るんだよ。 そんなことを思いながら、小腹がすいたなと思いつつ、静かなパソコン使用可能エリアでこれを書いています。 あ、そうだ。 県図書の5階にはなんとスガキヤがあるのだった。 営業時間は・・・15時までか。残念、今日はもう食べられないな。今度のお楽しみにしよう。 それにしても、愛知県が誇る図書館で愛知の県民食であるスガキヤが食べられるってちょっと感動です。 勉強したご褒美にスガキヤ。なんて素敵なことだろうと思います。 きっとここで勉強をして、愛知を飛び出す若者にとって、スガキヤが故郷の味であり、張りつめた受験自体の味として一生刻まれることになるんだろうな。 頑張れ、受験生。

道具から入る

新しい趣味をはじめるとき、やはり新しい道具を買うとテンションが上がります。 でも、あんまり高価なものだと、趣味が続かなかったときの後悔が大きいし、「初心者のくせにあんなの使ってるぜ」という視線も痛い。子どもの頃からそう思っていました。 なので僕は、これまでの購買人生で、最初はエントリーモデルを買ってハマったらちょっといいものを、みたいな順をたどってきたように思います。 小中学生のときに没頭していたバス釣りは、最初はノーブランドのリールで、そこからシマノ、アブガルシアへ。 パソコンは、最初はNECの互換機のエプソンでした。そのあとPowerMacにステップアップ。 キャンプ用品は最初はアルペンのPBで、そのあとコールマン。 そして最近。 このところずっと無趣味で、我ながらつまらないヤツだと思っていた僕ですが、ようやく重い腰を上げてやってみようかなというものが見つかりました。 それは、ハイキング。 山登りはちょっとハードルが高い。だけど、去年お誘いいただき上高地に初めて行ってみて、ああ、歩いて自然の風景を見るっていいもんだな、と思いました。 そして、なによりリフレッシュになった。あの直後はいい仕事ができた(気がする)。 ただ、低い山でも路面には石があったり、木の根っこがでていたりして、スニーカーではやや心もとなかったです。何度か足首がぐにっとなったし。 なので、道具を導入すること。 そう、人生で初めてのトレッキングシューズを買うことにしたのです。 スポーツ用品店のお兄さん(間違いなく年下だけど、あの頼もしさはお兄さんと呼びたい)に、「初心者なんですけど」と言うと親切に教えてくれまして。こういうときはやはり餅は餅屋ですね。 柔らかくて履き心地がよいのは実は上級者向けで、僕みたいな運動していないおじさんはガチッとホールドしてくれる硬めの方がいいそうです。 筋肉がないぐにゃぐにゃの足が路面のギャップで怪我しないためには、靴は足首まで固定できるハイカットで、ソールも硬め。これが鉄則なようで。 「これ、初心者の方にもお薦めですよ」と言われたキャラバンの靴がちょっと値引きされていたので、迷わず購入しました。 さあ、これで準備万端。ゴールデンウィークのお休みに、ぐにゃ足と硬シューズで、いざ低山ハイキング、行ってまいります。 今、部屋の中で新品のシューズを履いてパソコンでこれを打って、ニヤけております。 自分にとっての良品で、自分の機嫌を取る。これが趣味の時間を楽しくするんだな。 ちなみに、ワインを趣味にしたくて、道具から入りたい方。いらっしゃいますか? よかったら、餅屋の僕がお手伝いします。 たとえばグラスは、いきなり高級品のリーデルでなくても、丈夫な東洋佐々木ガラスやシュピゲラウのスターターセットなどでじゅうぶん。 ソムリエナイフは、ラギオール(4万円)じゃなくて、プルテックスのダブルアクション(1,400円)で良いです(ニュージーランドワインならほとんどスクリューキャップなのでほぼ不要)。 肝心のワインは・・・ ボクモワインのソムリエおまかせセット、備考欄に好きなワインの傾向を書いてくだされば、餅屋おじさん、じっくり選ばせていただきます。 結局せんでんすんません。

言語化できない

先週、横浜に行ってきました。RADWIMPSのライブを見るためです。 去年、彼らは北米、ヨーロッパ、日本を含むアジア、オーストラリアをまわるというツアーをやりました。どの都市も現地のファンで会場をいっぱいにし、大いに沸かせたそうです。 もはや世界のラッド。新海監督3部作で完全に彼らの音楽は海を越えたのです。 世界ツアーを成功させて、今年は日本でどっしり腰を据えてアルバムでもつくるのかな、と思っていました。が、まったく違いました。 今年もまた世界ツアーをやっているのです。 まだ行っていなかった地球の裏側の南米へ、そしていつも熱狂的だという何回目かのアジアへ。 彼らもスタッフの皆さんもとんでもないバイタリティーです。 そして改めて「ジャパニメーションといっしょに世界に出る」という発明の凄まじさを感じます。こんな地球規模のツアーをやっている日本のバンドはたぶん他にいないです。 今回、日本公演は5つのみ。名古屋はナシなので、横浜へ。 通算十数回彼らのライブを見ていますが、彼らの地元横浜でライブを見るのはおそらく4回目です。 今はもうないライブハウスの横浜BLITZで2回。初のアリーナ公演となった横浜アリーナのライブも見させていただきました。あのとき、いよいよ凄いバンドになるぞ、と思ったなあ。 そして、僕にとって久々の横浜が先週でした。 まずは中華街で春巻きを食べ(昔の彼らのツアータイトルにちなんで)、DeNAファンたちの大歓声がこだまする横浜スタジアムをかすめて、みなとみらいへと歩きました。 繁華街のど真ん中にできたぴあアリーナMM、良いところでした。音が実に素晴らしい。 開演から終演まで、文字通りあっという間の時間でした。懐かしい曲の数々が、腹にどーん、どーんと響きました。 音に集中すればするほど、頭の中が忙しくなる。過去と今を行ったり来たり。数分間が数年に感じるほど、内なる長い旅をしていました。 気付けば目尻から熱いものがこぼれていました。 終わったあと、心になにか大きなものが湧き上がりました。 この感情をどう表現したら良いんだろう。 じわっと暖かい。嬉しい。ありがたい。 その中に少し、焦る気持ちも混じっている。胸騒ぎも。寂しさも。 でもなんか違う。そういう言葉の羅列じゃ、しっくりこない。 香りや味の言語化はソムリエの必須能力で、練習して少しはできるようになったけど、自らの内側からくるこういう複雑なものを言葉にする能力は、僕にはてんでないようです。 いやむしろ、この感情に名前をつけると、なにか限定されてしまう気がしてもったいない気がする。 もわっとした暖かい塊のまま、引き出しにしまいたい。 ありがとう、ボクモがんばります。 秋に予定されている野田洋次郎ソロアルバムも楽しみにしています。 というより、野田洋次郎、RADWIMPSと同じ時代に生きていることを、これからも人生の楽しみとします。 そうそう、旧友オチケンと会場でばったり。これもラッドのおかげです。 思えばオチケンといっしょに番組をやっているときにラッドを応援しはじめたんだった。あれは2004年のことだった。もう20年経つんだな。...

トップ10に入りました

見事!トップ10に入りました! やったぞ、ついに。母さん、赤飯炊いてくれ。 なにがって、ニュージーランドワインのランキングです。 毎年発表される「輸入ワインの国別ランキング」で、ニュージーランドが第10位に入ったのです。 トップ10という響き、よいです。 ボクモに初来店される方の中で、「ニュージーランドワインなんて飲んだことない」という方の割合は、体感的に8割以上だと感じます。 「ニュージーランドのワインなんて珍しいですよね」と毎日のように言われます。 しかし、これから、そういうときには胸を張って言えます。 「実は、輸入ランキングでトップ10に入ってるので、意外と日本でもファンが多いんですよ!」 このままぐんぐん人気が出てきたらいいな。 そういや、俳優の上野樹里さんや佐野勇斗さんがニュージーランド政府観光局からアンバサダーに任命されたことがニュースになっていました。 それから、テレビ朝日の2時間特番でナスDのニュージーランドの冒険が特集されていましたね。あれはなかなか見応えありました。 そして高畑充希さんの「キリン 生茶」のCM、ロケ地がニュージーランドだって。 そう、近頃、お茶の間にニュージーランドというワードが流れ続けているのだ! そこへ来て、ワインの輸入量トップ10入りの吉報。 もしかしてひょっとすると。 いよいよニュージーランドワインがブレイクするときが来るのかも! そうしたらどうしよう。通販の倉庫を新しく借りねば。ボクモにもお客さんが殺到しちゃう。行列が出来ちゃうわん。 「前は気軽にふらっと行ってカウンターに座れたのにね」なんて常連さんに言われちゃう。 こりゃまいったぞ!母さん赤飯だ! ・・・なんていう話を、昨日カウンターでしていました。 そうしたらカウンター越しにこう言われました。 「でもさあ、もし、ニュージーランドワインがメジャーになっちゃったら、どこでも飲めるようになるってことでしょ?  そしたら、ボクモがやってることの珍しさがなくなっちゃうよ。だから、メジャーになんかならない方がいいんだよ。」 むむむ。 確かにそうかも知れない。 「毎日10種類のニュージーランドワインがグラスで飲める店」、これがレアな体験と思われなくなったら、ボクモの価値は目減りしてしまうかも。 スーパーでニュージーランドワインがたくさん並ぶようになったら、ボクモワインで買う意味がなくなっちゃう。 そうかあ、メジャーになるってのも良し悪しですなあ。...

お祭りが終わって

楽しいお祭りが無事終わりました。 先週末、鶴舞公園でワインのイベント「ZIP-FM SAKURA WINE FESTIVAL」が開催され、そこにニュージーランドワインのブースを出させていただきました。 ワインを搬入した金曜日の朝は土砂降りだったのですが、本番の土曜日と日曜日はしっかり晴れて、イベントは大盛況でした。 参加人数は2日間で4300人。名古屋でもトップクラスの規模のワインイベントになったのではないかと思います。 持っていったニュージーランドワイン7種類の中で、いちばん人気だったのはソーヴィニヨン・ブランのスパークリングでした。次いでほんのり甘みのあるリースリング。 やっぱり屋外だとフルーティーで親しみやすい味わいのものが好まれますね。 「美味しかったからおかわりちょうだい」とリピートしてくださる方もいましたし、7種類全部制覇する猛者も現れました。 ニュージーランドワインの魅力、まずまずアピールすることが出来たんじゃないかと思います。 心配していた体力面ですが、たくさんのワインを運んで注いだものの、なんとか持ちました。撤収を終える頃には、運動不足の僕にはちょうどよいくらいの疲労感に包まれていました。 そして備品を車でボクモに運び、家に帰った後。 なにか、このまま寝るにはちょっと収まらない気分になり、ひとりで近所の焼き鳥屋さんに行きました。 がやがやしたカウンター席は居心地が良く、いい感じに焦げたネギ焼きとささみを食べて一息つきました。そして、2日間を振り返りました。 「あ、このブース、ボクモがやってるんだ。前にお店に行ったことありますよ。」と声をかけてくださった方。嬉しかったな。 「来週お店に行きます!」とすぐにご予約を入れてくれた方も。ありがたいことです。 いつもの常連さんは「ワイン飲みに来たよ〜」。安心したなあ。 「名古屋に来る用事があったんで」と遊びに来てくれた元スタッフ。 「お疲れ様です!」とおにぎりを差し入れてしてくれたシェフ。 「どう?売れてる?」と気にしてくださったZIP-FMの方々。 「いつもブログ長いよ」と突っ込んでくれた、昔からお世話になっている方。 いっしょのブースでワインを注いだディレクター仲間の多田ちゃん。 そして手伝ってくれたボクモスタッフ。運営の皆さん。 色んな顔を思い出し、ああ、いっぺんにたくさんの方との繋がりが感じられたイベントだったなあ、と思いました。 僕の人生は、いつも綱渡り。そして、しばしば綱から落っこちそうになる。 でも、こういう繋がりを持てている実感が、なんというか、元来ぐらぐらの僕の体幹をすこし強くしてくれている気がする。 繋がりのある人たちからの優しい視線が、僕の背筋をしゃんと伸ばしてくれる。だから、よろけてもなんとか綱に戻ることができるんだろう。 そして、こうしてお世話になったラジオ局のワインイベントに出ることができたということ。 それは、30代前半までラジオディレクターとして働いていた時代の自分と、ワインの仕事をやっている今の自分、その二人の自分が、時を超えて繋がったということ。...

準備万端じゃない

ただいま支度をしています。 イベント出店のためです。 以前もお知らせしましたが、いよいよ明日と明後日の2日間、名古屋・鶴舞公園で開催されるワインのお祭り「ZIP-FM SAKURA WINE FESTIVAL」に、ニュージーランドワインのブースを出します。 僕にとってはだいぶ久しぶりのことなので、ちょっと緊張しつつ、あれこれ確認しつつ、段取りを組んでおります。 以前は「青空ワインバー」と称して、野外イベントによく出ていました。たぶん7,8回くらいは出店したんじゃないかな。 色んなミュージシャンをお呼びして、ブースの前で演奏をしていただいたりもしました。あれはホント楽しかった。 歴代のスタッフ、それからボランティアの方にも手伝っていただいて、準備から設営、撤収まで和気あいあいとやっていたなあ。まさに学園祭のノリ。 打ち上げで、心地よい疲労を感じながら飲むワインは格別でした。 その後、コロナ禍で営業スタイルが変わったりして、ここ数年はぱったりとイベント出店は途絶えていましたが、いよいよ今月、再始動です。 これまでの楽しく盛り上がればいいというのとは違い、今回は重要なミッションをひっさげての出店です。 そのミッションとは「名古屋の皆さんにニュージーランドワインの魅力を伝えること」です。 他のブースに日本ワイン、世界のワインがたくさん並ぶ中、ニュージーランド産をいかにアピールできるかが勝負です。 僕らのブースを通りかかった人が「ニュージーランドワイン」を目にする。 「へえ、ワインってニュージーランドでもつくってるんだ」となる。 「お祭りだし、ちょっと変わったものを飲んでみようか」 「なんだこれ、フルーティーで美味しいぞ!」 「今度からニュージーランド産、気にしてみよう!」 この流れをしっかりつくること。 つまり今回は「認知度アップ」が目的です。 そのために気をつけなければいけないのは、在庫切れです。途中で売るものがなくなってしまっては、たくさんの方に美味しさ、驚きを届けることができません。 よって、今回はかなり強気の仕入れをしました。グラスワイン用だけでなく、お持ち帰りのボトルの注文がガンガン入ったとしても、おそらく品切れは起こさないでしょう。 ただ、ずっと心配だったのが天気。今月に入ってから毎日、祈るように予報簿見ていましたが・・・ どうやら我々、日頃の行いが良かったようです! 名古屋の予報、3/30・31の両日とも晴れのち曇り。 予想最高気温、両日とも21℃。ナイスな陽気です。これはきっと、キリッと冷えた白、泡、ロゼがたくさん出るぞ! よしこれで準備万端だ。 と思ったけれど、ちょっと待てよ。何かが足りない。 これまでよくイベント出店していたのは、僕が30代から40代前半だ。数年のブランクの間に変わったことと言えば・・・...

あの店じゃなきゃ

ありがたいことに「ラムバーグ」が売れています。 ボクモの看板メニューと言えば、ながらく「ラムチョップステーキ」でした。 ニュージーランド産のワインとニュージーランド産のラム肉。ボクモにとって、これほど「伝わりやすさ」と「食べあわせて納得」を兼ね備えた組み合わせはないです。 ただ、もうちょっとひねりも欲しい。店ならではの強い独自性を持ったメニューが欲しい。 そう思っていました。 ラムチョップのお肉は、ボクモとまったく同じではないですが、探せば通販で売っています。上手に焼けば美味しく楽しめると思います。 そして、ニュージーランド産のワインは、ボクモワインの通販で買えます。よってそのペアは、やろうと思えばおうちでも楽しめます。 もちろん、焼き加減やソース、ワインのセレクトにはこだわりを持ってやっていますが、まあ、おうちでも近づけることはできるわけです。 そうでなくて「こちゃどうやっても家では難しい」「やっぱりあの店じゃなきゃ」というアイテムが欲しい。 そう思っていました。 自分が店に行くとしたら、やっぱり「この店でしか絶対にできないだろうな」という体験がしたいです。 やっぱりお店には、ちょっとやそっとでは真似できない何かが必要なのです。 そこで考えたのが、ラム肉100%のハンバーグです。 みんな大好きなハンバーグをラム肉でつくる。ソースはバルサミコ酢とたまり醤油のオリジナルソース。さらに、マッシュポテトをのっける。ローズマリーといっしょにバーナーで炙る。どーん、「ラムバーグ&マッシュ」の完成! シェフと何度も打ち合わせと試作を繰り返して、ここまでたどり着きました。手前味噌ですが、まずまずオリジナル感がでているんじゃないかなと思います。 ワインはメルローとカベルネのブレンドがばっちりあいます。ピノよりもメルカベです。 これを去年の11月にメニューに投入したところ、あっという間にラムチョップと並ぶ人気メニューに。 さらに、今月、ロースト林檎をのせて3種類のチーズで仕上げたラムバークの第2弾「チーズ&アップル」も追加して、これまたありがたいことによく出ています。 第1弾が濃いめのメルカベがあうので、次はちょっとやさしめのピノ・ノワールにあわせようと思ったのですが、結果、今回もメルカベにぴたっとあう味となりました。 でも美味しいからいい!シェフ、上手につくってくれてありがとう! 次はピノにあわせるための新メニューを考えるぞ。 そのためには、もっと「この店でしか絶対にできないだろうな」の体験が必要だ。 よし、オリジナルなことをやっているお店に行ってみよう。あ、パクりはしませんよ。あくまで、そのお店ならではの「ひねり方」を参考にしたいのです。 ええ、決してパクりませんとも!

野球とワイン

先日、プロ野球のオープン戦を見にバンテリンドーム ナゴヤに行ってきました。 ふと当日に思い立って行くことにしたので、チケットはほとんど残っておらず、なんとか取れたのはビジターの外野席。ヤクルトファンのビニール傘に囲まれて観戦しました。 面白かったのが、後ろの席の野球が大好きであろう青年。それほど詳しくない友人にずっと解説していました。 友人 「はじめてドームに来たけれど、人工芝ってすごく綺麗だね」 大好き青年 「ああ、今の人工芝は2年前に張り替えた6代目。はじめてツートンカラーを採用したんだよ。綺麗だよねえ。」 おい!ビール吹くじゃないか、詳しすぎるだろう! 選手の情報にもかなり精通している。おそらく毎日スポーツ新聞を熟読しているレベルだ。 「この時期にしては仕上がってるな」とか、「今のゴロのさばき方はちょっと危なかったぞ」とか。 その話を前の席でタダで聞いている僕は、終始ニヤニヤ。もう楽しすぎました。 ラジオ中継やテレビ中継のプロによる解説も良いけれど、客席の達人による解説も、じゅうぶん面白いコンテンツになるなあ。 帰り際、危うくその達人に解説代を払いそうになりました。 ところで、僕には毎回ドームに行くたびに抱く夢があります。それは・・・ 「中日ドラゴンズの優勝」 ではなく(今年はAクラスがいいな、くらいの謙虚な夢はあります)、 「美味しいワインを飲みながらプロ野球の観戦をする」 です。 いや、野球観戦のお供と言えばビールでしょっていうのは、わかってますって。 頑張っている売り子さんに注いでもらうと美味しく感じるし、売ってるおつまみもビールにあうものばかりだし。 でもね、ワインって、そろそろここ名古屋でも「お祭りに似合うお酒」になってきていると思います。 実際、去年のお花見イベントで行われたワインのお祭りにはとんでもない数の人が列をなしてワインを買っていたし、僕が過去に出店した野外イベントでも、ニュージーランドワイン、しっかり売れました。 スポーツ観戦はお祭りです。非日常です。そんな場のお供に昇格しても良いくらいの市民権は得ていると思うんです。 ワインが売れれば、当然おつまみも出る。生ハムとかチーズとか置いたらちゃんと売れると思います。 それに何と言っても良いのは、ビールと違ってトイレが近くならない。 ドームで野球観戦しているとき、相手チームの攻撃になると途端にトイレが混み合います。あれはビールのせいです。 せっかく生で見にきたのに、トイレに行っていたせいで肝心なシーンを見逃したなんて人も多いです。 その点ワインは、トイレ頻度がちょっとましです。 序盤は白。ロゼをはさんで、後半は赤。...

好きなものが同じ

好きなものが同じって、良いですよね。 知らない人同士が隣になって、ひょんなことから「好きなものが同じ」と知る。 そうなると一気にその場が盛り上がる。カウンターでそんな光景をたくさん見ています。 今週カウンターで何回か話題にのぼったのは「あんかけスパ」でした。 うちの店にない食べ物で盛り上がるのってどうかとも思うのですが、まあそれはそれ。他の飲食店の話って、うちみたいな店では定番の話題なので。 あんかけスパと言えば、名古屋のB級グルメの代表格です。が、名古屋に住んでいる人同士だと、あまりあんかけスパにまつわる話ってしないと思います。 好きな人はごく普通に自分の好きな店に通っている。僕もそうです。でも、それは日常的な行為なので、あえて話題にすることもない。自分の家の味噌汁の味を説明する機会がないのと同じかな。 しかし、そんな生活の中にあんかけスパが入っている人の輪の中に、名古屋以外出身の「あんかけスパ未経験の人」が入ったとき、面白い現象が起きます。 「僕、名古屋に引っ越してきてだいぶ経つけど、あんかけスパってまだ食べたことないんですよ。」 「え?それはもったいない。ヨコイくらいは行っておかないと!ミラカン食べておかないと!」 「パスタ・デ・ココとか、普通にうまいですよ。」 「入りやすさで行ったらチャオもいいんじゃない。店もたくさんあるし。」 「チャオと言えば、最近、チャオと名城食品が共同開発した自宅で食べられるあんかけスパセット、スーパーで売ってますよ。なかなか美味しかったです。」 「僕は25年前から通ってる「る・るぽ」のピカタが人生No.1ですね。あれはあんかけスパと言うより、ちゃんとした洋食なんです。」 こんな具合に、名古屋人の日常に潜り込んだ、それぞれの生態があぶり出されるのです。外の人が入ることで、隠されたあんかけライフをさらす機会を得るわけです。 そして、愛する気持ちはいっしょだけれど、その中の細かいこだわりの部分に少しズレがある。こういうのがいちばん盛り上がります。 その日は、あんかけ未体験の方がいたおかげで、みんなが自分のこだわりを話したくなるモードになりました。盛り上がったなあ。 そして思いました。 「る・るぽ」のピカタ、近いうちに食べに行きたいぞ!と。 「ナイフとフォークでお肉を食べる感じがたまらないんです。それから、たまに炒めすぎて麺が焦げているときがあるんですよ。あれに当たるとラッキーです。香ばしくて最高なんですよね。」 行く!絶対に行く! ちなみに、あんかけスパにあうワインは、フルーティー系のピノ・ノワールかサンジョヴェーゼだと思います。 いつか、あんかけスパの店にワインを持ち込んでペアリングのパーティーなんてやってみたいな。

ゼロから1

ゼロから1を作ることができる人を心から尊敬します。 僕はラジオの原稿を書く仕事をやっています。今のレギュラーは月に10本くらいなのですが、そのうちの9本は資料さえ揃えることができれば自動的に書ける原稿です(もちろん切り口などの工夫は必要ですが)。 しかし1本は、資料などまったく役に立たない、何もない状態から物語をつくる必要があるのです。 これが難しい。引き受けてから5年経ちますが、今でも締め切りが近づくたびに引き受けなきゃ良かったと毎回思います。 僕はウソをつくのが下手です。 でも、物語を書くということは、ウソをつかなければいけません。 物語は、最初から最後まで、部品すべてがウソです。そのウソの部品が上手く組み合わさるとマコトになります。 ウソをつき通すのには、精妙なロジックが必要です。つじつま合わせの才能が必要です。 僕にはこれが欠けているんだな、と毎月落ち込みます。 しかし、仕事は仕事。 この仕事がやってきたのは、神様に「好きなことばかりやっていないで、苦手なこともやりなさい」と言われているんだろうな。 確かに、苦手なことを克服することで得られる達成感はあります。 でも、達成にたどり着くまでの、モヤモヤしている時間が非常に長い。物語のゴールが見つかるまでの時間がしんどい。 想像力が豊かな人は、「あ、こんなテーマで書きたい」と思いついたら、ゴールに向けてすらすらウソが出てくるんだろうな。すごいな。もしかしたら作家って、普段から息を吐くようにウソついてるんじゃないの。詐欺とか不倫とかしまくりなんじゃないの。違うか。 僕にはそれができない。ひとつのウソをひねり出すのにも時間がかかるし、そのウソを補強するためのウソもとんと出てこない。 親は、僕が正直者になるように、名前に「直」を入れたらしい。ああ、岩須嘘紀だったらもっとスラスラ書けたはずなのに。 こんなくだらんことを書いているのは、もちろん、次の原稿を一行も書けてないからでござる。 逃走はやめて、観念せよ!俺! はい。ゼロを0.1くらいにする努力をします。 まずは、先人たちの素晴らしいウソを勉強するために、積ん読の小説を読もっかな(やはり逃走)。   (ちなみにこんなラジオドラマを書いています)

もしやり直せるなら

カウンターにいらっしゃった若いお客さんにこんなことを言われました。 「もし人生のある地点からやり直せるなら、いつに戻りたいですか?」 僕はうーんと考えてしまいました。 どんな人生であれ、多かれ少なかれ、後悔はあると思う。 立派な人だって、あのときなんであんなことをしちゃったんだろう、って思っている気がする。 大谷翔平ならば別かも知れないけれど。 でも、大谷翔平だって、自転車で夜道を走っているときに、過去のやらかしが突然頭に蘇ってきて、わーーと大声を上げて立ち漕ぎをした経験があるでしょう。 ないか。 ただ、そのとき思ったのは。 「もしやり直せるなら」という問いが、若い人からおっさんに向けて出るのって、なんか凄くないかということ。 その彼は、この春から就職し、東京に行くのだという。もしかしたら、おっさんの後悔ポイントを仕入れておいて、これから自分はそうならないように注意しようと思ったのかなあ。 きっと彼は社会に出るに当たって、今、人生について真剣に考えている時期なんだろうな。偉い。老成している。 自分が若いときは、おっさんがしまったと思っていることなんて、まったく興味がなかったです。目の前の自分ごとでいっぱいいっぱいで、年長者のすねの傷を他山の石にしようなんていうアイデアなんて思いつきもしなかった。 SNSで「人生何週目?」っていう言葉が流行ったり、ドラマ「ブラッシュアップライフ」でループ構造の世界観が話題になったりしましたが、若い人たちには、ああいうのの影響があるのかもな、と思ったりもしました。 今って、人生ってものを俯瞰して見て、自分が今人生のどのへんなのかをちゃんと認識できる人が多いのかも。 僕なんか、大学の頃なんて、目の前50センチくらいしか見てなかったなあ。 そして、僕はその「いつに戻りたいですか?」にこう答えました。 「大学を卒業するときです。」 僕はアホだった。あのとき、新卒というのが人生に一回きりで、学生にとって素晴らしく価値があるものだということを知らなかったのです。 就職活動のときに、ちゃんとその価値をわかっていたら、もうちょっとまともな道を選んでいたかも知れない。 しかし、あのときの僕は、バイトでやっているラジオの仕事が楽しくて仕方がなかった。目の前の50センチくらいしか見えていなかったので、まんまと就職活動をし忘れ、学生ADからフリーターADになりました。 そして、目の前の楽しそうなことを選択し続けて、飲食店にたどり着き、今に至ります。その結果、いまだに自転車で「なんであんなこと言ったんだ俺!」と叫んで立ち漕ぎをします。それも込みで楽しいなと思ってます。 どうやら人生を俯瞰するというスキルを身につけることなく、すくすく無邪気にアラフィフになってしまったようで。 こんな僕だから、もし大学のときに、新卒って価値があるんだよ、と教えてくれるおっさんがいて、その地点に戻ったとて・・・やはり、フリーターを選択していたかもな。そして、結局はこんな位置にたどり着いている気がする。 うまくまとまらないですが。 若い人よ。 目の前のやりたいことをやり続けたら、こんな感じになるという1サンプルの人生がここにあります。 俯瞰の材料に使ってもらえたら幸いです。