ソムリエ岩須(いわす)のブログ

楽しませる楽しさ

やっぱり肉を焼くなら、道具が必要だ。 そう思って、まずホームセンターで焼き肉プレートを買いました。あの、穴が空いていて中に水を入れるタイプのプレートです。 そして、どうせならきちんと美味しい肉がいいと思って、飛騨牛専門店に行きました。値札を直視すると迷いが生じるのでなるべく見ないようにして、A5等級の飛騨牛を購入します。 次は、名古屋に北陸の風を吹かせるスーパー「アルビス」で、北の美味しそうな海鮮を仕入れます。そして車でボクモへ。 買ったものを冷蔵庫に入れていったん家に戻り、地下鉄で再び店へと向かいます(ワインを摂取するので)。 18時に集合すると、まずは養生を。油が飛び散っても大丈夫なように、みんなで床に段ボールを敷き詰め、カウンターや本棚にビニールをかぶせます。 そして、食材を机に並べ、いざスタート。 「最初はやっぱりA5の飛騨牛から攻めるべき!」 「シェフの秘伝スパイスをかけると、もう1ランク上がるぞ!」 そう。 その日はスタッフ焼き肉会を開催したのです。 事前にスタッフにどんなものが食べたいのかヒアリングしたところ、大学生男子は「カルビがいいです!」、静岡出身お酒好き女子は「イカをつまみに飲みたい!」と、それぞれの欲望を披露。 だったら若い男子には、白米にバウンドさせて最高にうまい肉を、海育ち女子のお眼鏡に適う海鮮を、と思って丹念に手はずを整えたのです。 結果、みんないい顔でした。ワインもぴったりすぎるくらいぴったり。ああ、楽しかった。 ところでその準備の最中、ハッとさせられることがありました。 それは、最初のホームセンターでのこと。 あれこれ物色しているときに、ふとガラスに写った自分の顔が目に入り、思わず吹き出してしまったのです。 もうね、それはそれは楽しそうに品物選びをしているおっさんの顔だったのです。おもちゃ売り場に迷い込んだちびっ子のように目をキラキラさせているではないか。 ああこれ、忘れかけていた顔だ。 僕ら飲食店は準備の仕事です。準備したものを楽しんでいただく商売です。準備を食べてもらい、準備を飲んでもらうとも言える。 普段の営業で、その肝心の準備をしているときの僕は、果たしてこのガラスに映ったちびっ子のようなおっさんの顔をしているだろうか。 こういうタイプのプレートだったら煙の量が抑えられるかな、とか。食欲くん用に、食べ出のあるソーセージも買っておこう、とか。飲み助ちゃんのアテはイカだけじゃなくて海老も要るだろう、とか。 そういう想像をしている今この瞬間が、なにより楽しい。人を楽しませる楽しさで心が満ちている。 それが毎日のこととなるとどうだ。ちゃんと想像力を働かせているか? 来て頂ける方の楽しんでいる様子を想像して、よーし、次はどんなふうに楽しんでもらおうかな、とわくわくしているか? いや、そうでないときがある。いつものルーティンをただ手を動かしているやっているだけのときもある。集客システムのことばかり考えちゃってることもけっこうある。 それではいかんのだよ。 食べているとき、飲んでいるとき、人は自然と口にしているものに「準備の跡」を感じている。楽しんでやった準備は、きっと受け取る人にもじんわりと伝わっているのです。 だから、きちんと「この準備の結果、良い顔になってもらえるかな」と、いちいち思い描く必要がある。そして、その想像を楽しむことが、まさに僕の仕事なのだ。 僕は目の前の仕事がお客さんの喜びにまっすぐに繋がる、珍しい仕事をしている。だから日々の想像をサボってはだめなのです。...

ペガサスが来る!

今日はお知らせを。 ボクモにいらっしゃる方の中には、「ニュージーランドに行きたい」「ワイナリー巡りをしてみたい」という方が多くいらっしゃいます。 また、ボクモワインでワインをご購入された方から、「ニュージーランドに行きたい(戻りたいと表現する方もいます)けれど、今はワインで現地の気分を味わいます」という声も届きます。 そんな方に朗報です。 行かなくても、来るのです。 そう、ニュージーランドのワイナリーの方が、こちらにやってくるのです! 現地のワイナリーでの醍醐味は、なんと言っても「生産者の声を聞きながらワインを飲むことができること」です。 目の前にある一杯のワインは、どのような土地で、どのような思いを持った人が、どのようなやり方でつくったのか。 それを知ることで、ワインという飲み物が、つくる人の思いが込められた農産物であることが実感できる。味わいを深く感じることができると思います。 その「知る楽しみ」を、日本に居ながら体験していただこうという企画、それがボクモ / ボクモワインがニュージーランドからワインメイカーをお招きするイベントシリーズ「Meet the Winemakers」です。 今回のMeet the Winemakers、お迎えするのは・・・・ 南島クライストチャーチ近郊「ノースカンタベリー」では最重要ワイナリーとの呼び声が高い「ペガサス・ベイ」! 創業家であるドナルドソン・ファミリーの次男エドワード・ドナルドソン氏がやってきます。 そう、海を越えて、ペガサスが羽根を羽ばたかせ、名古屋へやってくるのです。   イベント概要 Meet the Winemakers : Pegasus Bay from North...

結果発表

それではお待ちかね、「小牧ワイナリーのワインにあう愛知の食」を発表します。 (ドラムロール  どぅるるるるるる・・・・  じゃん!) 「ユウゼンのあんかけパスタ」 (歓声:ええ!?いけるんだ!) そして 「風来坊の手羽先」 (歓声:おお、そうなんだ!) さらにもうひとつ 「おとうふ工房いしかわのきらず揚げ」 (歓声:なんと、そうなの?) 以上、3点は小牧ワイナリーのワインにばっちりあうという結果が出ました! (パチパチパチパチ) というわけで、先日のイベント「小牧ワイナリー × 愛知の食 ペアリングラボ」に参加していただいた方からの声を(だいぶざっくりと)まとめますと、このような結果となりました。 意外だったのが、上記の3品は、白ワインでもロゼワインでも赤ワインでもマッチするという意見が多かったことです。 ちょっと詳しくワインの説明をしますと・・・ 小牧ワイナリーの白「Komaki Blanc」は、ローズシオターとモンドブリエのブレンド。ともに日本で品種改良されたぶどうです。酸味はほどよく、柔らかい柑橘の風味があってドライです。 ロゼワイン「Komaki Rosé」は、マスカットベーリーA 100%。果皮や種を漬け込んだ通常の仕込みのロゼに、マセラシオンカルボニックのワインをブレンド。キャンディー香はやや抑え目。イチゴのニュアンスもありますが非常にドライ。 赤の「Komaki Rouge」はヤマ・ソーヴィニヨン 100%。青っぽい野性味が感じられ、一部セニエをやっています。酸はおだやか。やわらかく、メルローのような雰囲気も感じられます。 この小牧産の3本に貫かれているのは「軽やかさ」です。アルコール度数もそれぞれ10.5%、8.5% 、10%と低めに作られていて、主張しすぎない味わいが持ち味です。...

美味しいプリン

今、プリンを食べています。 西尾の抹茶をつかったプリンです。ちょっとゆるめでクリーミー。抹茶の風味が濃厚。甘みの奥のマイルドな苦みが心地よい。 とても美味しいです。 プリンを食べながら、7年くらい前の出来事を思い出しています。 彼女が初めてボクモに来たのは、アルバイトの面接のとき。 その姿に僕は驚きました。なんと高校の制服姿で現れたのです。 これまで若いアルバイトスタッフはいたけれど、さすがに高校生はいなかった。 高3女子にワインを注ぐ仕事をやってもらうのはちょっとどうかな、と思ったのですが、話してみて考えが変わりました。 「将来、管理栄養士になりたいんです。だから、飲食店で働くことを経験してみたいなと思って応募しました。」 なんてまっすぐな。その視線は僕を突き抜けて、はるか先の将来を見ているようでした。 ボクモの仲間になった彼女は、仕事をテキパキとこなしました。とにかく頭の回転が速い。相手の気持ちを察するのも上手で、常連さんからも好かれました。 高3の最後から大学生活まるっと4年間ボクモで活躍してくれた彼女。 たまに、「管理栄養士って就職先の選択肢がいっぱいあって、どの道に進めばいいか迷ってるんです。」 そんな話も聞きました。 でも、4年生で教育実習に行ってみて「自分がやりたいのはこれだ」とビビビときたそうです。特に管理栄養士の資格は必要ない仕事だけれど、子どもたちに栄養のことを教えることが面白いと思ったようで。 しかし、当初の目標だった管理栄養士の資格もちゃんと取得して(教員免許、採用試験、管理栄養士のトリプル合格ってすごいことらしい)、今は、高校で家庭科の先生として頑張っています。 ありがたいことに、社会人になってもたびたびボクモに来てくれています。カウンターで常連さんの教員の方と隣の席になったときには、バイト時代の店員とお客さんじゃなくて、同じ悩みを持つ先生同士のトークに花が咲きます。 そんな彼女。 先日、嬉しい報告をしに来てくれました。 「生徒たちといっしょにアイデアを出しあって、地元企業とのコラボ商品をつくるプロジェクトをやることになったんです。」 聞けば、授業の一環でつくった企画が、自治体が開催したコンテストで最優秀賞をとったそうで。 それが今食べている、西尾の名産品をつかったプリン。松坂屋のごちそうパラダイスに期間限定で出店していて、さっそく購入してきました。 高校生だった彼女は、時を経て、今高校生を教えている。セーラー服を着たあの日の目線は、ボクモを通過して、生徒たちを見つめている。そしてプロジェクトを指揮する頼もしいリーダーの目になったんだ。 そう思ってスプーンを口に運ぶと、なんだかとてつもない尊さを感じます。 「あいばぷりん」と名付けられたこのプリンは、西尾の饗庭(あいば)の塩田で作られたにがりを使っているそう。そのにがりで豆乳を固め、西尾の抹茶を加えたんだそう。 しかし、まったく豆乳が原料とはわからない濃密なミルク風味です。どろっとしていて、舌触りは実に滑らか。 地元のものを使って組み立てた、他にはない絶妙なバランス感。これは料理を知ってる人の仕業です。 なあに、やっぱり、管理栄養士を目指していた頃に身につけた調理の知恵をちゃんと活用してるじゃないの。素晴らしい。 食べ終わった後、ああもうなくなっちゃった、もうちょっと食べたいなと思いました。でも、余白がちょっと残るくらいの方が品が良くていいとも思います。 余白は次への期待を含みます。また次に彼女がどんなことをやっていくのか、楽しみです。...

最近のお気に入り

今日は「最近のお気に入り in 名古屋」というお題で書いてみます。 新装開店した中日ビルの書店「文喫(ぶんきつ)」 半世紀にわたって名古屋のシンボルだった中日ビルが解体されて5年。今年の春に新たにオープンした新・中日ビルは、飲食店フロアやショップ、ホテルなど魅力がたくさんありますが、中でも僕が好きなのは、新しいスタイルの本屋さん「文喫」です。 蔵書の数はそれほど多くないですが、センスが光りまくるセレクトと陳列にわくわくします。 何より有料の「大喫茶ホール」がいい。ソフトドリンク飲み放題で、電源付の席がいっぱいあります。もちろんWi-Fiも使えます。90分825円で、延長は30分ごとに275円。 僕は週1、2回はここで仕事をしています。 理由は、延長せずに90分以内でこの仕事終わらせるぞと思うだけで、(僕にしては)ものすごい集中力が出るからです。 自分のケチ精神を利用して効率を上げるというこの方法を発見してから、ス○バに行かなくなりました。 あんかけスパゲティ チャオの夏季限定メニュー「チャンプルー」 毎年この時期に必ず食べるゴーヤーのあんかけスパ。大好物です。ダイエットの大敵であるとはわかっています。でも気付いたときにはフォークで太麺を巻いています。 友人のパーソナルトレーナー高橋くんは言います。「毎日ストイックに食事制限をやるんじゃなくて、2日を1単位にして、食べ過ぎたら翌日は節制するというやり方もあるよ」と。 その教えを守り、2日連続のあんかけは固く禁じています(当たり前だ)。 スーパーマーケット「アルビス」 あの病院の跡地、ずいぶんほったらかしだけど何ができるんだろうね、と北区民は囁いていましたが、その広大な敷地に昨年末に突如としてやってきたのが「アルビス」です。 富山県射水市発祥のスーパーで、名古屋では2店舗目。北陸の名産品がずらりと並ぶ、このあたりでは珍しい「地域色を前面に打ち出した」スーパーです。 わたくし&北区民のフレンズ、大ハマりしています。白エビ、ぶり、わっぱ飯、とろろ昆布のおにぎり、加賀野菜、ソースカツ丼、富山ブラック、北陸の地酒。これでもかとあっちの豊かな食文化を見せつけてくれます。 毎回、スーパーに行くというよりは、北陸物産展に行くという心持ちです。そして行くたびに季節の知らん魚があり、小躍りしています。 お盆はここでお刺身を買って手巻き寿司パーティーの予定です(もちろんニュージーランドワインをお供に)。 金山人情屋台「わらとすみ」 ボクモ以外でニュージーランドワインがしっかり飲めるお店 in 名古屋です。 実は、ちょっと前までは伏見の人情屋台で「獬(シエ)」という屋号で営業していましたが、金山にお引っ越しされて装いも新たにやっています。 新店名「わらとすみ」は読んで字のごとく、藁で燻して炭火で焼く料理がメイン。魚介、お肉、おばんざい、ご飯、スイーツ。なんでもあります。日本酒はマニアな品揃え。店主の個性が爆発しています。 僕は鹿のローストとニュージーランドのピノ・ノワールをあわせるのが好きです。   観光資源が乏しいと言われて久しい名古屋ですが、住みやすい街としてはランキング上位に来るそうです。...

ペアリング ラボ

ちょっと前に予告したイベント、開催決定です。 事の発端は、先日のソムリエ協会のセミナー。 地産地消をテーマに、愛知の飲料と名古屋の名物をあわせて楽しむという内容だったのですが、当日供された「小牧ワイナリーのワイン」と「味噌串カツ」がペアとしてはなかなか厳しかった・・・ という経験を踏まえ、 地元の美味しいワインが「味噌カツとの相性はいまいち」という印象だけ残っちゃうのは忍びない! ならば、我らが地ワインである小牧ワイナリーのワインと、ぴったりあう名古屋の名物を探そうじゃないか。 と思い立って企画いたします。 2024年8月15日(木)開催 「小牧ワイナリー×愛知の食  ペアリング ラボ」 この日のボクモはラボ = 実験室。 このイベントは、こちらから提案する形のいわゆる「飲食店の通常営業」ではありません。 参加する皆さんに、自由に実験して、皆さんなりの答えを探して頂く体験型のイベントです。 こちらでご用意するのは・・・ 小牧ワイナリーの看板ワイン「Komaki Blanc」「Komaki Rouge」など。 そして、テイクアウトで調達する愛知のご当地グルメ「海老フライ」「あんかけスパ」「手羽先」「味仙のおかず」「大和屋守口漬総本家の粕漬」など8種類のおつまみです。 (ちなみに当日、ボクモの通常営業はお休みでキッチンはクローズしています。) ゲストに小牧ワイナリーの白井さんをお招きします。ワインやワイナリーについてのお話を聞きつつ、いっしょにナイスペアを発見して盛り上がれたら良いなと思います。 ちなみに、小牧ワイナリーの最大の特徴は、「美味しいワインづくり」と「障がい者雇用」の二刀流にチャレンジしていることです。 この日、もし「小牧ワイナリーのワインってこんなペアで楽しめるんだ」ということを発見できたら、そのワインは、あなたにとって「食事との合わせ方を知っているワイン」「日常に溶け込ませやすいワイン」となります。 そして「夕飯の献立はこれにするから小牧のワインを買っておこうか」となれば、その購買行動は、障がい者の自立を応援することに繋がる。そんな感じの連鎖が生まれたらよいなと思います。 また、+αのお楽しみとして、ニュージーランドワインとご当地グルメのペア検証もやってみます。 個人的には、ニュージーランドワインは、あわせられる食事の幅が広いワインだと思っています。この機会に、愛知の食とのペアも試して、ぴったりくるものが見つけられたらと思います。   2024年8月15日(木)...

ボクモ15年

今週で、ボクモは開店から15年が経ちました。 「15年って長いですね」とカウンターのお客さまに言われました。 僕は「いやー、コロナで3年休んでたようなもんなので、15年やった気はしないですよ」なんて言ってしまいました。 しかし、実はそれはちょっと嘘。 確かにあの時期、営業はままならなかったけれど、僕らにとってはなかなか濃い時間を過ごした。本心ではそう思っています。 店ががらんとしている間、流石に何度かくじけそうになりました。しかしシェフと手を取り、心を奮い立たせました。 思い切って店内のリニューアルをしました。ニュージーランドワインを主軸に店のコンセプトを組み直しました。新しいフードメニューをたくさん考案しました。 そして、ニュージーランドワインの通販を始めました。 今、「あの頃の店」ではない、新しい形がここにあります。そして、ボクモワインをやることで得られた全国の方々との繋がりがあります。 だから、今のボクモは、脱皮した第二形態です。 そしてこの第二形態を楽しんでくださっている方、支えてくださっている方の存在が、「コロナ後もここにいて良い許可証」となっている。そう思っています。 中には脱皮するはるか前から今日まで、ボクモと長いことお付き合いしてくださっている方もいます。 もはや成長を見守る保護者です。感謝しかありません。15歳のボクモ、反抗期にならないよう気をつけますので、これからもなにとぞ。 それから、第一形態以来ご無沙汰だけど、見守ってくださっている方も。 ご無沙汰している親戚のおじさんおばさんです。 「元気ならそれで良いよ」の声が聞こえます。 でも、たまには顔を見せてください。「あらー、もうすぐ高校生?大きくなったねえ」と言われたいです。 そして、通販で繋がっていただいた全国の皆さん。 文通相手です。 たまに、北海道から、関東から、四国から、九州から、ボクモをめがけて来てくださる方がいます。 文通相手とのリアルでの対面はちょっと照れます。でも、もの凄く嬉しいです。好きなものが同じなので、出会ってから盛り上がるまでのスピードが速いです。 遠く離れた方とのご縁を、ワインが繋いでくれる。まさか脱皮前は、こんなに素敵な出会い方があるとは夢にも思いませんでした。 改めてこの15年を振り返ると、月並みですが「有ることが難かった年月」だったなあとしみじみ思います。 ほんとうに有り難い。今、存在していることはちっとも当たり前でない。支えてくださった方々のおかげ。一日一日の有り難さが積み重なって、なんとかやって来られたと思います。 これからも、まだまだ飲食店にとって厳しい時代が続きます。 存在することの難しさに直面することも当然あるでしょう。 長いことやってりゃ、いろいろあります。大波小波がやってきたとき、またうんうん唸って考える。突破できる力は15年かけて養われたはず。前を向く力さえ失わなけりゃ、なんとか楽しいことをお届けできる。そう思っています。 そう、楽しいことと言えば! ボクモの15周年ワインパーティー! ようやく日程が決まりました。...

ワイナリーがやってくる

「円安の影響、ありますよね?」 最近よく聞かれます。 はい、ものすごくあります。 ボクモ&ボクモワインで扱うワイン、仕入れ値が上がっています。 上げ幅は数%〜10%くらいが多いです。中には段階的にじわじわと上がって、20%以上の上げ幅になったものもあります。 インポーターさんから価格改定のお知らせをいただくたびに、参るなあとため息が漏れてしまいます。 そしてボクモで使っている食材、これまた全般的に上がっています。 実感している方も多いと思いますが、例えばオリーブオイルなんてとんでもなく上がっています。50%アップとかならまだ良い方で、80%も上がっているものもあります。これには、円安だけでなくヨーロッパの干ばつも影響しているようですが。それにしても参りまくりです。 飲食店では、全体のバランスをとりながら、なるべく大幅値上げにならないように工夫していますが、それでもやはりある程度は価格転嫁しないことにはやっていけません。 通販だとクッションとなる他の要素はないので、もう素直にインポーターさんの希望小売価格どおり、そのまま上げていくしかありません。 そして、いったん値上がりしたものは、その後下がることはほぼないということを僕らは経験的に知っています。 新しい価格に感覚を慣らしていくしかない。 だからこそ、僕らは価格以外のところでなんとか価値をつくっていかねばと思っています。 ふう、円安、困ったもんです。 でも困ってばかりでもなく、良いこともあります。 「日本は安く楽しめる国」になり、訪日外国人は増える一方です。 外国の旅行者は「日本っぽいもの」を求める傾向が強いので、洋風なことをやっているボクモは海外からのお客さまはほとんど増えていないのですが、この円安のおかげで日本に来やすくなっているのは、旅行者だけではないのです。 ビジネス目的の方も、お値打ちに出張できる国として日本を選ぶようになっている。 だからボクモに来るのです! そう、ニュージーランドのワイナリーの方がプロモーションのためにボクモにやってくる予定が入りつつあるのです。 以前はなかなか名古屋はプロモーション場所として選ばれませんでした。 やはり日本におけるワインの大消費地は首都圏。宣伝活動をやるなら東京。そして、ワイナリーの人々が「せっかく日本に来たのだから」とオフを使って足を伸ばすのは京都。 名古屋は基本スルーです。 しかし、今や日本は安くまわれる国。どうせならそこそこ人口もいる名古屋も行っておこうか、となってきているのです。 ビバ!円安!(な側面も) というわけで、この秋、ニュージーランドのワイナリーの方をお迎えするイベントを開催します。 現地ワイナリーの方による解説や思いを聞きながらワインを楽しみつつ、ボクモの料理とのペアも楽しんでいただく。そんな形のイベントをやります。 今のところ、9月に1つ、11月に1つ。 ちなみにどちらのワイナリーも、最新のニュージーランドのワイナリーの格付け(ボブ・キャンベルMWのリアル・レビュー)でTOP 20に入っている、いわゆるプレミアム路線のつくり手さんです。...

名古屋名物とワイン

今週は「名古屋名物とワイン」について考える週でした。 きっかけは、月曜日に参加した日本ソムリエ協会のセミナーです。 このところ、予定が合わなかったり、テーマ設定にそれほど興味が持てなかったりして、あまりソムリエ協会のセミナーに参加していませんでした。 しかし、「愛知・なごや名物と銘菓 愛知の飲料を楽しむ」というお題を見て、これは行かねばと久しぶりに申し込みました。 専門はニュージーランドワインだけれど、やはり僕らは愛知、名古屋で店をやっているわけで、僕らを取り巻く食文化と飲料文化についても、知っておく必要があります。 やはり、自分の店のメニューの中にも、わざわざ名古屋にいらっしゃる方に喜んでいただけるような名古屋っぽさも忍ばせたいですし、飲料とあわせたときにより楽しみが広がる方法も提案したい。 そう思って、小雨がぱらつく中、会場の千種のホテルメルパルクに行ってまいりました。 登壇者は、日本でぶっちぎりの知名度を誇るソムリエ、日本ソムリエ協会の田崎真也会長です。 その田崎さんが協会の会長として名古屋で行うセミナーはこれで最後になるとあって(理事の定年制度のため)、会場は超満員でした。 用意された飲料は、清須桜醸造のクラフトジン、クラフトウイスキー、蓬莱泉の一念不動(生酛純米)、そして小牧ワイナリー・ななつぼし葡萄酒工房の白と赤でした。 そしてペアとして供された料理は、味噌串カツとういろう。 このラインナップを見たとき、ちょっと驚きました。ジンやウイスキー、日本酒のペアリングは面白そうだと思ったのですが、ワイン、大丈夫かな。。。 小牧ワイナリーは、僕の出身地でもある愛知県小牧市のワイナリーで、障がい者就労支援とワインづくりの両立を目指しています。 2015年のワイナリー設立の年からたびたび訪れていて、ボクモでは栽培・醸造の責任者である白井さんを招いてのイベントをやったこともあります。 そんな関係もあって、僕はだいたい毎ヴィンテージ、テイスティングしています。最初は酸味が荒々しく野性味溢れる味わいだったのが、ここ最近はかなりバランスが良い仕上がりになっていて、僕の中ではどんどん美味しくなっている印象です。特に現行の白はかなり良い感じです。 今や、小牧ワイナリーは愛知の地酒のひとつとしてしっかりと存在感を示しているんじゃないかと。 なので、こういう大人数が集まるセミナーで小牧ワイナリーがピックアップされたこと自体は喜ばしいなと思いました。 が、問題はあわせるフードよ。 小牧ワイナリーの白・Komaki Blancは、柑橘の風味がしっかりあるドライでアルコールが低めなワイン。赤のKomaki Rougeは、青々しさもありながらベリーのフルーツ感も楽しめる、これまたアルコール低めなワイン。ともに優しさが持ち味です。 これらと味噌串カツ?ういろう? でっかいはてなマークが浮かびました。 愛知の豆味噌にあわせようと思うとやはり、ある程度の濃さを持った赤ワインがいちばん初めに浮かびます。そして、味噌かつの味噌だれはザラメたっぷりの旨み爆弾。相当ボディがしっかりしていないとと負けてしまうと思います。 さらに、名古屋のういろうは米粉のスイーツ。ワイン界からコンビの候補を出すなら、甘口ワイン以外は不適格、と僕は思ってしまいます。 そして案の定。 実際にあわせてみた結果、田崎さんは「小牧ワイナリーのワインは、名古屋名物とあわせるのは難しいですね。愛知から外に出た方がいいのでは?」と、ややきつめの冗談をおっしゃっていました。 会場は笑いに包まれていましたが、パネラーとして招かれた白井さんは苦笑い。僕もそりゃないぜー、と口の中が苦くなりました。 あとから白井さんに聞いてみたら、当日のその場まで、どんな料理とあわせるのかは知らなかったとのこと。 そりゃないぜー。...

金華山

人生二度目の低山登りに行ってきました。 先月、山登りをはじめたという投稿をしたところ、思わぬ反応がありました。先に山を趣味にしていらっしゃる諸先輩からアドバイスを頂いたり、いっしょに行こうよと誘っていただいたり。 知らなかったけれど、山好きってけっこう多いんですね。 アドバイスを元に次の行き先を考えつつ、カレンダーをにらめっこしました。 うーむ。予定が決まらん。 ここなら行けるかな、となんとなく目星はつけておくことはできる。でもバタバタと仕事が入り、家族の予定も入ってくる。なので、前もってここなら確実に大丈夫、という日を作るのが難しい。 まあ、はっきり言って時間のマネージメントが下手クソな自分への言い訳なんですが。なかなか誰かと計画を立てるっていうのができないグズなのです、わたくし。 しかし、今週は不意にチャンスが訪れました。理由あって水曜がボクモの臨時休業になったのです。しかも梅雨の晴れ間。 よし。トレッキングシューズ・キャラバン号の二度目の出番だと思い立ち、こんな急ならやはりソロだ、とひとりで行ってまいりました。 行き先は、金華山。そう、織田信長が居を構えた岐阜城を擁する岐阜市屈指の観光名所です。 前回の鳩吹山が標高313メートルで、初級者向けと聞いていたけれど、ド素人の僕にとってはなんとかひいこらギリギリ楽しい、でした。 金華山は329メートル。ほとんどいっしょ。ならばいけるんじゃないか。そう思って挑戦することにしました。 金華山の登山ルートは、調べてみたら9つもありました。岐阜市のホームページによると、レベル1〜4まで分けてあります。 よし、あんまり平坦すぎてもキャラバン号の意味がないだろうと思い、レベル2、山頂まで60分の「めい想の小径」コースを選択しました。 結果、フウフウ、かなり疲れた!思ったよりも急勾配の岩場が多く、手を使ってよじ登らないと危ないところも。キャラバン号大活躍。 やはり、前回の鳩吹山とだいたい同じひいこら具合で、しっかり息が上がり、汗が噴出しました。 山頂の岐阜城の中を見学し、濃尾平野を眺めながら息を整えたところで、自問します。 おい、俺の足。特に古傷のある膝よ。このあとどうするよ。 お前、あの急勾配の斜面を下山できるのか?トレッキングポール持ってないんだぞ。 このあとお前はバスに乗ってJRに乗り換えて名古屋まで戻るんだぞ。もし下山途中で捻挫なんかしたら帰り道、えらいごとになる。明日から職場のみんなにも迷惑をかけるぞ。 わかった、わかった。仕方ないなあ。本当はちゃんと元来た道で戻りたいけれど、やむを得ずだ、今回は。自力で下山するお楽しみは、次回以降に持ち越しだな。 そう膝に言い聞かせ、ロープウェイであっという間に下山してきました。スーパー楽ちん。 そしてお楽しみと言えば、ここからです。やっぱり僕には鞭の後の飴は必須イベントなのだ。 事前に調べておいたお楽しみ1。 岐阜公園の敷地内にあるでんがく処「むらせ」さんで「豆腐田楽」を食す。 このお店、明治35年から続く老舗とのことで、外装も内装も趣たっぷりです。明治、大正、昭和、平成、令和と、金華山を訪れたたくさんの人がこの店の田楽に舌鼓を打ってきたんだなあ。 行きは意気揚々と登山したけれど、帰りはロープウェーでズルして帰ってきて、この店に寄って「無理は禁物だわいな」と田楽を頬張った人も、長い歴史の中でたくさんいたに違いない。 追加でところてんもいただき、満足満足で店をあとにします。 そして、お楽しみ2。 「のはら湯」。こちらは明治27年創業の銭湯です。お湯は池田さくら温泉からタンクローリーで直送されているそう。...

NZに住む人々

この数週間でニュージーランド在住の日本人と立て続けに会いました。 まずは、現地にもう30年近く住む従兄弟。年は僕の3つ上です。 彼は毎年仕事のために帰国していて、そのたびにボクモに来てくれます。今回の日本滞在期間中は3回のご来店。そろそろボクモの全メニューを制覇するかもしれない、海外在住の常連さんです。 それから、現地在住ながら日本ソムリエ協会のワインエキスパートの資格をとって、SNSなどでニュージーランドワインの魅力を紹介している女性。 数年前に「地元が名古屋」&「NZワイン好き」同士で意気投合して以来、帰国のたびにボクモに寄ってくださっています。今月は大使館イベントや商談会でもお会いしました。いつ会ってもマニア同士のワイン談義ができるのが嬉しいです。 そして、いちどボクモでのニュージーランド関連のイベントにパネラーとして参加してくださった女性。久しぶりにお会いできました。彼女はニュージーランド挙式のサービスをやっています。カウンターでボクモの常連さんとのトークも花が開いて、楽しかった。 それから、マールボロでフォリウムというワイナリーをやっている岡田岳樹さん。来名して開催されたセミナーに参加して、お話をさせて頂きました。しっかり勉強になりました。フォリウム、来月くらいからボクモワインのラインナップに加わる予定です。 さて、そんな珍しい数週間を過ごしてみて思ったこと。 それぞれの皆さんと会ったのは、すべて別の日です。話した内容も、現地の話やワインの話、仕事の話など様々。 でも、こうして「ニュージーランド在住の日本人」という同じジャンルの人たちに続けざまに会って、なにか、共通しているものを感じました。 それはなんというか、海を越えて生活をしている人が持つ、独特のエネルギーみたいなものです。 エネルギーと言っても、ギラギラと外に出ているものではなく、もっと内側に静かにある感じ。 異国の地に体を馴染ませながらも、自分の中心部分を失わない。そんな、人としての強さみたいなものかな。 皆さん、ずっと日本にいる僕ではわからない、異国での喜びも難しさも体験している。そして、夢と現実を折り合わせる自分なりのやり方を身につけている。 そういう、母国から遠く離れた場所でも、自分の居心地の良さをプロデュースすることができる人たちに、僕は力強さを感じたんだと思います。 大自然に囲まれたのどかなニュージーランド。日本ほど便利じゃないけれど、日本ほど忙しくなく暮らせる。そんな選択をした人たちに、純粋に憧れたりもします。 来年は、久しぶりのニュージーランド渡航を予定しています。 今月会った方の中で3人は南島のクライストチャーチ在住です。皆さん、各々の面識はありません。だから、僕がクライストチャーチに行って、皆さんを集めて「ボクモに関係する日本人のパーティー」ができたらいいな。それぞれのエネルギーが跳ね返りあって、面白い反応が起きそうな気がする。 あ、そうだ。北島のオークランドでもそんな会ができるかもしれない。 オークランドは、以前ラジオでお世話になったご夫妻や、いっしょにイベントをやったことある愛知出身パワフル女子のファミリー、夢を叶えて移住したボクモの元常連ガールもいる。 それから、帰国するたびに寄ってくださるニュージーランド航空のフライトアテンダントさんもオークランドだ。 あの個性的でエネルギッシュな面々が集まったら楽しいことになりそう。 よし。僕も何かしらのエネルギーをお土産に持って行けるように、準備しなくては。

気にしない、気にしない

「マッチングアプリでいいなと思った人と、2回食事に行って、2回とも楽しかったなって思っていたんです。 でも、急に連絡が取れなくなってしまって。私、何か悪いことしちゃったのかなって、かなり落ち込みました。」 以前、女性のお客さんにそう言われて、僕は、 「それって、相手の人が複数人と同時進行で会っていたんじゃないですか。きっと、たまたまもっと気があう方に行っただけですよ。 あなたが悪いとか、そういうことじゃないと思います。気にしない、気にしない。」 なんて言いました。 その方に、今、ちょっと謝りたい。 急に別のところに行かれるのって、やっぱりガーンときますよね。今になって、沁みてわかります。 ボクモは、席の予約をネットで受け付けています。 今、ざっくり言って、全体のご来客数の7割くらいがネット予約をしていただいた方です。 そして最近増えたなあと実感しているのが、キャンセルです。こないだは1日に5件もキャンセルがありました。 それ自体まあまあ凹むのですのが、もっと凹むのは、予約サイトから飛んでくるお知らせメールの文面です。 そのサイトでのキャンセルは、「お客さまがキャンセルした理由」が店側にメールで通達される仕組みになっています。 理由は選択式になっていて、「予定がなくなったため」「予約内容の変更のため」が選ばれていることが多いです。あと「その他」を選んで「体調不良のため」と書き込んでくださる方もいます。 しかし、たまにあるのが「他のお店に変更するため」です。昨日もありました。 ・・・つ、つらい。 そりゃあ、うちが持っていない魅力を備えた店はいっぱいあるだろうよ。 でも「おたくより素敵な店を見つけたので、やーめた」なんて教えてくれなくてもよくない?もう、意地悪なんだから。 どこが気に食わなかったんだろう。 そもそも、来店前に気に食わないところがわかったりするのかな。 もしかしたら、食べログの点数がもっと高い店を見つけたからそっちにしよう、なのかな。 そんなことがチラチラと頭に浮かんでは消えます。 カウンター越しに、僕は 「きっと、その人とはいずれうまく行かなくなる運命だったんですよ。だから、早めに切り離せてよかったんじゃないですか?時間の節約になったと思いましょうよ。」 なんて言いました。 店に置き換えれば、やーめたの方は、いらっしゃったとて、うちの店じゃあ満足できなかった方なんだ。 だから、他の店を選んでもらってよかった。ああそうだ、切り離してもらって正解なんだ・・・って。 当事者になると、そんなにふうにはなかなか思えないもんですね。 やっぱり「自分が選ばれなかった」って、自分の存在を否定されている気持ちに多少なってしまいます。 で、カウンターにいらっしゃったあの女性のように「聞いてくださいよ、こんなことがあって」なんて、誰かに聴いてもらいたくなる。そして、今こうして書いちゃっている。...

大使館に行ってきました

「思いやりで、できている」 配られたパンフレットの表紙にそう書かれていました。 先日、ニュージーランド大使館で開催された「UNCORKED WINE PROGRAMME」というワインイベントに参加してまいりました。 趣旨は、ニュージーランドワインの魅力を日本に伝え、まだ日本への販路を持っていないワイナリーと日本の商社を繋ぐというものでした。 インポーターさんに紹介いただいてはじめて大使館にお邪魔しましたが、まあ、やはり素敵な場所でした。 広さはそれほど大きくなかったですが、手入れされた庭、エントランスホール、ひとつひとつの調度品のまあそれはそれは洗練されていること。そして集まる人たちの品の良さたるや。 さっきまでビジネスホテルの一室で、靴の中に大量に入っているゴミをゴミ箱にガンガンぶつけながらとっていたこの小市民なんぞが、お邪魔してよいのかしらんと思いました。 まあ、いいですよね。だって、パンフレットによれば「思いやりで、できている」んですもんね。 場違いな民が来たって受け止めてもらえる思いやり、ありますよね、なんて。 パーティーは駐日ニュージーランド大使のクーパーさんによるスピーチからスタートしました。大使は、ちょびひげに蝶ネクタイではなく、長身のダンディーで物腰の柔らかい方でした。 そして日本語が上手。僕にも「ニュージーランドワインオンリー?それは良いですね〜」と言ってくださり、どうやら好意を持ってくださったようでした。うしし。 それからニュージーランド航空の日本支社長さんにも会うことが出来ました。なんと名古屋在住歴があり、僕の現住所のすぐ近所に住んでいたそう。あのミスドはもうなくなりましたよとか、そんなローカルトークで盛り上がりました(繋いでくださったW社長ありがとうございます)。 肝心の出展されているワインも、非常に良かったです。 多少はニュージーランドワインのことは知っているつもりでしたが、まったく知らないワイナリーもあって、まだ素敵なワインがいっぱいある国なんだなあと実感いたしました。 どれもとても美味しかった。ワイナリーの方々もなんとか自分たちのワインを知ってもらおうと積極的にプレゼンをしてくれました。 そして、商務部の方には、ちょっと突っ込んだ話も。事前に準備していたフェアトレードの話もふってみました。が、残念ながら明確な答えはその場では得られませんでした。 ただ、政府的には「サステイナブルな環境下で作られていること」をいちばんのプッシュ材料にしたいんだなと言うことはわかりました。 たしかに、96%以上のぶどう畑がサステイナブル認証を受けている国なんて他にない特徴です。 環境のことを思いやりながらワインをつくっているというのは、大きなセールスポイントになるとは思います。 「思いやりで、できている」 ただ、価格の優位性では他の国に負けることもあるので、やはり、そこは「雇用環境を整えることで、持続可能なワインメイキングをしているんだよ。だからちょっとコストがかかっているんだよ」と言えたらよいな。 思いやりの中には、労働者への思いやりも、当然含まれている必要があります。なので、このあたりは今回繋がることができた商務部の方に今後、メールで尋ねていきたいと思います。 それにしても「思いやりで、できている」というのはいいです。僕たち飲食店をやっている人間にはしっくりくるフレーズです。 やっぱり人に喜んでいただく仕事って、当たり前ですが思いやりが大切です。 良い時間を過ごしてもらうには、空間と美味しいものを用意すれば良いわけではないです。そこに、楽しんでいただこうという気持ちが乗っかってないと、サービスの仕事とは言えないですもんね。 考えたら、ワインをつくる人たちも同じですね。美味しいワインで人を喜ばせたい。そう思っているはずです。 だからワインだって、店だって「思いやりで、できている」「Made with...