あの店じゃなきゃ

ありがたいことに「ラムバーグ」が売れています。

ボクモの看板メニューと言えば、ながらく「ラムチョップステーキ」でした。

ニュージーランド産のワインとニュージーランド産のラム肉。ボクモにとって、これほど「伝わりやすさ」と「食べあわせて納得」を兼ね備えた組み合わせはないです。

ただ、もうちょっとひねりも欲しい。店ならではの強い独自性を持ったメニューが欲しい。

そう思っていました。

ラムチョップのお肉は、ボクモとまったく同じではないですが、探せば通販で売っています。上手に焼けば美味しく楽しめると思います。

そして、ニュージーランド産のワインは、ボクモワインの通販で買えます。よってそのペアは、やろうと思えばおうちでも楽しめます。

もちろん、焼き加減やソース、ワインのセレクトにはこだわりを持ってやっていますが、まあ、おうちでも近づけることはできるわけです。

そうでなくて「こちゃどうやっても家では難しい」「やっぱりあの店じゃなきゃ」というアイテムが欲しい。

そう思っていました。

自分が店に行くとしたら、やっぱり「この店でしか絶対にできないだろうな」という体験がしたいです。

やっぱりお店には、ちょっとやそっとでは真似できない何かが必要なのです。

そこで考えたのが、ラム肉100%のハンバーグです。

みんな大好きなハンバーグをラム肉でつくる。ソースはバルサミコ酢とたまり醤油のオリジナルソース。さらに、マッシュポテトをのっける。ローズマリーといっしょにバーナーで炙る。どーん、「ラムバーグ&マッシュ」の完成!

シェフと何度も打ち合わせと試作を繰り返して、ここまでたどり着きました。手前味噌ですが、まずまずオリジナル感がでているんじゃないかなと思います。

ワインはメルローとカベルネのブレンドがばっちりあいます。ピノよりもメルカベです。

これを去年の11月にメニューに投入したところ、あっという間にラムチョップと並ぶ人気メニューに。

さらに、今月、ロースト林檎をのせて3種類のチーズで仕上げたラムバークの第2弾「チーズ&アップル」も追加して、これまたありがたいことによく出ています。

第1弾が濃いめのメルカベがあうので、次はちょっとやさしめのピノ・ノワールにあわせようと思ったのですが、結果、今回もメルカベにぴたっとあう味となりました。

でも美味しいからいい!シェフ、上手につくってくれてありがとう!

次はピノにあわせるための新メニューを考えるぞ。

そのためには、もっと「この店でしか絶対にできないだろうな」の体験が必要だ。

よし、オリジナルなことをやっているお店に行ってみよう。あ、パクりはしませんよ。あくまで、そのお店ならではの「ひねり方」を参考にしたいのです。

ええ、決してパクりませんとも!

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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