まかせていただける
クリスマス&歳末セールまっただ中の我らがオンラインショップ「ボクモワイン」。ありがたいことに、連日、インターネットの海からざぶーんと大波が押し寄せてくるように、ご注文をいただいています。 画面の向こうには日本津々浦々のお客さま。いや、ニュージーランド在住の方が日本へのプレゼントに使ってくださることも多いので、ニュージーランドワインが好きなグローバルな皆さま、と呼ぶべきか。 そんな方々が、わざわざ我らのサイトを見つけ、僕が選んだ愛するニュージーランドワインを、「まあここなら信用できるかな」と、ぽちぽちと注文してくださっている。ひとつひとつのぽちぽちが集まって、ざぶーんと大波になり、その波を僕らは華麗にサーフする…いや、実際は必死にあっぷあっぷしながら発送をこなしているわけですが。 しかしまあ、なんとありがたいことだろうと思う。ニーズがある仕事っていいもんだ。それは、飲食店をやってきてヒマに殺されそうになった経験がなんどもあるので、実感としてとても強い。求められているということは、社会の中で「君は存在して良いよ」と承認されているのと同じだ。 さて、そんな発送業務の中でも、ひときわ頭を使うのが「おまかせセット」のセレクトだ。 はじめての方は、まあ大丈夫。なるべくニュージーランドワインへの扉となるような、代表的な味わいのものを選ぶようにしているからだ。 しかし3年以上やってきて、おまかせセットを複数回ご利用いただいている方も増えてきた。中にはもう20回以上このセットを注文してくださる猛者もいらっしゃる。 今回のセールでもそんなありがたい猛者を含む複数回組の方がけっこう多い。そういう方にどんなワインをセレクトするのか。これが僕の腕の見せ所であり、最も頭を使うところだ。 ひとつひとつのご注文に、お客さまの顔を想像しながらこれまでの購入履歴を開く。どんなワインを飲んできたのかを確認し、これからどんなワインならさらに楽しんでいただけるか、思いをめぐらせる。 これまでのオーダーでピノ・ノワールが多ければ、今度はすこし冒険してシラーも混ぜてみよう、とか。 通信欄に「シャルドネ2本よろしく」とあれば、異なる産地のシャルドネを飲み比べていただこう、とマールボロ産とホークス・ベイ産を選んでみる、とか。 「これなら喜んでいただけるかも」「いや、ちょっと冒険しすぎかな?」画面の前で思案しているうちにあっという間に時間が経っている。そして、「ええい、これが今の僕に出来るマックスだ」と最後に出荷ボタンを押す。 でも、やはりちゃんとお好み通りに出来たかどうかはわからなくて、毎回ドキドキしてしまう。 飲食店ならば、直接目の前で好みをヒアリングできるから、やりやすいし、外しにくい。でも、通販は「履歴」と「通信欄」が選定のヒントのすべてだ。正解だったかどうかは、リピートしてくださってはじめて、「前回ので大丈夫だったんだ」とわかる。 ただ、今回のセールでは、これまでのセールとは比べものならないくらい「おまかせセット」のリピートのオーダーが押し寄せている。これまで3年間やってきたこと、ちょっとは正解の部分もあったのかな、と今、小躍りしてこれを書いている。 ニーズがあるのは嬉しい。まかせていただけるのは、なお嬉しい。 今日もうんうん唸ってワインの選定、やっとります。セレクトだけで、もう3時間経っちゃった。皆さんが待っている。急がねば。 そして次の大波、どんと来い、です。