首都ウエリントンに、2019年から建設が進められていた新しい国際展示場、Tākina(ターキナ)がオープン。
国内外の様々な企業や団体のイベントが開催ができるように、18,000平方メートルの展示場が3フロアーに用意され、広さのアレンジができる会議室は合計10,000平方メートルもあります。
そんな真新しいTākinaで、最初のエキシビションがスタートしました。
第一回のエキシビションは?
記念すべき第一回のエキシビションはニュージーランドにも幅広い層に根強い人気のある、デンマーク生まれのプラスチックの組み立て玩具「レゴ」。それもジェラシック・ワールドをテーマに開催されています。
この展示は、ジェラシック・ワールドの世界観をできるだけ忠実に再現しようと、世界に21人しかいないレゴ認定デザイナーの一人、オーストラリア人のライアン・マクノートさん(通称ブリックマン)とそのチームによって、2年間かけて計画されました。巨大なサイズの恐竜たちが50体、植物や車などもすべてレゴで作られています。完成までにかかった期間は1年で、なんと600万個以上のレゴが使われたということです。
ブリックマン・チームは映画製作会社のユニバーサル・ピクチャーズとも連携。映画に登場したJeepのラングラーは映画と同じナンバープレートやスピードメーターが再現されているなど、細かいところまでこだわりが見られます。
一見レゴでは再現できないような、レゴの限界を突破した展示物が出来上がりました。
とマクノートさん。
もちろん見るだけじゃない!
レゴは実際に触れてこそのもの。さわれないなんてまさに拷問です。
と、マクノートさんがコメントしている通り、レゴファンにとって、組み立てられたレゴをただ見るだけなのは辛い・・・!
ということで、訪れた人が実際に使えるレゴも約250万ピース用意されているそうです。
展示会場のあらゆる場所には、さまざまなものが組み立てられるコーナーが。なんと3歳以下のお子さんのためのエリアも用意されています。レゴはかなり小さなピースが多く、対象年齢が高いものも多いですが、このエリアでは小さなお子さんも一緒に楽しむことができます。
また、かなり頑丈に作られている恐竜も。ジュラシック・ワールドシリーズに登場する恐竜、キラプトル4姉妹のうちの2匹、ブルーとデルタを再現したものなど多数には直接触れることができます。
ちなみに全ての展示品は複数の会場で開催できるようにデザインされています。組み立てられたレゴは運送できる大きさに分解し、また新たな会場で組み立て直すことが可能です。組み立て直しには約2週間かかるそう。日本でも開催されるといいですね!
レゴに救われた大人たち
オークランドではドキュメンタリー映画のフェスティバル、Doc Edge Film Festival 2023が開催中。ここでも、レゴ関連の作品が出品されています。
ニュージーランド陸軍で医療班の1人、ダン・モルホランドさんは、津波に襲われたパプアニューギニアに当時最年少の17歳で派遣されます。帰国後も救命救急隊員として長年活躍していましたが、突然精神疾患を患い、PTSDと診断されました。
家から一歩も出られなくなってしまったダンさんを助けたのがレゴとレゴを通じてオンラインで繋がった仲間たち。レゴを触っていると、大きな癒しになり、治療の大きな助けになったとのこと。
レゴを愛する大人たちを題材にした“Big Kids”は、そんなダンさんのストーリーが中心となった短編ドキュメンタリー映画。
居心地のいい自分の部屋で、ひたすらレゴを組み立てているととても安心で、不安から解放されるんです
とダンさん。
ダンさんは現在、レゴのサポートのもと、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、ASD(自閉スペクトラム症)などの発達障がいは、障がいではなく“Neurodiversity(ニューロダイバーシティ)=脳の多様性”として、当事者がコミュニティーを通じてレゴで他者や社会のつながりを強められる、Brick-by-Brick® programmeを運営しています。