樫(かし)の木の一種・コルク樫の樹皮で作られるワインの栓です。高級ワインに多く使用される傾向にあります。近年ではスクリューキャップや合成コルクが増えてきましたが、天然コルク栓にはワイン愛好家から根強い人気があります。
コルク栓の歴史は古く、古代ギリシャ・ローマ時代からと言われていますが、本格的になったのは17世紀頃から。それまでは樽で販売していたワインを、瓶に移し替えて売るようになったとき、コルク栓が採用されたといわれています。
気密性が非常に高いスクリューキャップと比べると、コルク栓は僅かに空気を通すと言われていて、その僅かな空気に含まれる酸素がワインの熟成に役立っていると考える生産者もいます。
ただ、スクリューキャップのワインでも熟成するというデータもあり、コルク栓が本当にワインの熟成に必要不可欠なのか、その議論にはまだ決着はついていません。
また、天然コルクの栓にはブショネ(コルク臭)が発生し、不良品になってしまうという短所があります。一説によると、コルク栓のワインの約3%はブショネであるとも言われています。コルク製造会社の技術が進み、この数値は下がる傾向にありますが、ゼロになるのはなかなか難しいようです。
ちなみに、コルクは乾燥すると弾力性を損なう性質があります。コルク栓のワインを長く保管する時には、ボトルを横に寝かせた状態で保存するようにして下さいね。