NZ News & 雑学

「女性」や「マオリ文化」に注目。ニュージーランド航空の特別フライト

「女性」や「マオリ文化」に注目。ニュージーランド航空の特別フライト

新型コロナウィルス感染拡大の対策として行っていた入国規制が全て解かれ、海外からの観光客数が戻りつつあるニュージーランド。ニュージーランド航空の利益も伸びているという明るいニュースも届いています。 そんなニュージーランド航空では、以前より様々な取り組みを行っており、度々話題になっています。今回は、その中でも最近話題になった取り組みをご紹介します。 すべて女性クルーでお祝い 女性の地位向上や男女平等を推進する目的で国連が制定した3月8日のInternational Women’s Day(国際女性デー)と、航空業界の女性の活躍を促す週間、Women Of Aviation Worldwide Week(航空業界の女性国際週間)を記念し、オークランドを出発した3便が、女性クルーのみで運行されました。 このビデオでは、まず機長を務めるレイチェルさんが 子供の頃から飛行機と働くのが夢でした。そして今年、ニュージーランド航空で飛び始めてから16年目を迎えます。 と語り、副操縦士のペニーさんが 毎朝、世界で一番の“オフィス”で働ける、そう目覚められる幸せ。 とコメントしました。 このビデオでは、フライトを担当した2人の女性パイロットだけでなく、キャビンクルー、整備、空港で働く大勢の女性たちの姿が映し出されます。 そして最後は いつの日か、私たちが「女性パイロット」ではなく、ただの「パイロット」と見てもらえる日が来ることを願っています。 というメッセージで、締めくくられました。 すべてマオリ語で運行 ニュージーランド航空は、オークランドで開催されたTe Matatini(テマタティーニ)と呼ばれるマオリの歌や踊りなどのパフォーマンスのコンテストとコラボレーションし、Te Matatiniに向かう参加者を乗せたウェリントン〜オークランド便を、すべてマオリ語で運行しました。これは初めての試みであるそうです。 搭乗前には、ロビーでマオリの歌と踊りで乗客を見送り、搭乗アナウンスからパイロットやキャビンクルーからのアナウンスもマオリ語で行いました。(安全に関わるアナウンスは、英語でも行われました。) そして、機内ではクルーによるパフォーマンスも行われました。 先住民であるマオリ族の文化を大切にする取り組みが多く行われているニュージーランド。Te Matatiniの責任者、ヘレウィニ・パラタさんは、 このコラボレーションは私たちのユニークなマオリの言語と文化を、歌や踊りのパフォーマンスを通じて伝え守っていくためのいい機会となりました。 とコメントしています。 Crystal...

物価高に光熱費上昇。総選挙の焦点は?

物価高に光熱費上昇。総選挙の焦点は?

10月に総選挙を控えているニュージーランド。国民に対し、政党に期待する政策の調査が行われました。すると、48%の人が「物価高や光熱費などの上昇による生活費に関する政策に最も重きを置く」と回答。 それに続いて「気候変動」が12%、「医療」が11%、「犯罪」が10%、「減税」が5%、「教育」が4%という結果になりました。生活費の48%は圧倒的に高い数字であり、それほど物価高が国民の生活を圧迫しているという様子がうかがえます。 食費は12%上昇 ニュージーランドでは、地価の上昇などをうけ、25年前と比べて最低賃金が約3倍になりました。そして、その人件費の上昇にともない物価も上がり続けています。ここに世界的なエネルギー価格の高騰なども加わり、食費は過去18ヶ月間上がり続けており、今年2月の食費は前の年の2月と比べ12%も上昇しました。 NZの経済学者は、国営放送のインタビューに 世界的な物価高のピークは過ぎたと言われていますが、まだ物価は高いままであるので、食費などは今年いっぱい高騰したままであると予想されています。負債を抱えたり、ローンが払えなくなる人も増えているため、選挙を控えている政治家たちは苦しんでいる人に何かしらの対応を迫られている状況です。 とコメント。 現在政権を握る労働党は昨年、低所得者など一部の国民を対象に350ドル(約3万円)の助成金を支給する“Cost of Living Payment(生活費の支払い)”という政策を実行に移しました。 しかし政治評論家は、 (昨年行われた低所得者等を対象にした助成金は)付け焼刃的な政策であり、有権者にとってはそんなことはすでに記憶の彼方であるはず。5月の予算案では、もっと実効性のある案がでることが期待されています。 と語っています。 気候変動へも強い関心 人々の一番の関心は物価高とはいえ、NZ国民の気候変動への関心も強まっています。 世論調査によると、気候変動に対するさらなる早急な対応が必要だと答えた人が過半数を超える54%に。 今年1月にオークランドを襲った大雨や、先月北島東部に甚大な被害をもたらしたサイクロン・ガブリエルなど、ニュージーランドを襲った異常気象の影響で、人々の気候変動への関心がさらに高まっていると言えます。 ニュージーランドでは気候変動への対策として、2050年のネットゼロ(温室効果ガスの排出が正味ゼロ)達成や、クリーンエナジー普及、ゴミの削減、EV車の普及など、様々な取り組みが行われています。しかし、更にそれらの速度を上げていくことを求めている国民が多いようです。 ヒプキンス首相の支持率は? 現在政権を握る労働党を率いる、ヒプキンスNZ首相は最新の世論調査で支持率を4%伸ばし、27%と健闘中。 ちなみにこちらの数字、便宜上“支持率”と訳していますが、正確にはPreferred Prime Minister、日本語で直訳すると「首相に好ましい人は」という調査の結果となります。 ヒプキンス首相の次が、対立政党の国民党・ルクソン氏で17%。ルクソン氏は前回の調査から5%支持率を下げており、残念な結果に。前首相のアーダーン氏を望む人も2%(前回は5%)いました。 労働党は党としての支持率は2%下がり36%に。同様に国民党も下がっていますが34%。こちらは僅差と言えそうです。 選挙に向けて、各政党がどんな働きをしていくのか注目されています。