コレクション: クラギーレンジ
クラギーレンジは、1998年にニュージーランド北島のホークス・ベイに設立された家族経営のワイナリーです。設立者のテリー・ピーボディ氏は、1993年に妻メアリーさんとともに、次世代に引き継ぐことのできる家族の遺産を作ることを決意しました。
特筆すべきは、既存のブドウ畑を購入するのではなく、未開拓の土地から始めることにこだわったことです。フランスやアメリカ、オーストラリアでの土地探しを経て、最終的にニュージーランドの可能性に魅了されました。この地の温暖な気候、農業の豊かな歴史、そして人々の開拓者精神が、ピーボディ家の理想と合致したのです。
テ・マタ・ピークの壮大な山々を背景に広がる美しい風景の中で、クラギーレンジは、ホークス・ベイとマーティンボロという2つの代表的な産地で収穫したぶどうを使い、それぞれの土地の個性を活かしたプレミアムワインを生産しています。
(引用元: https://craggyrange.com/ )
ホークス・ベイの特別な区画「ギムレット・グラベルズ」では、温かな石質土壌を活かしてカベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、シャルドネを、マーティンボロの冷涼なテ・ムナ・ロードでは、古い粘土質土壌でピノ・ノワール、石灰岩を含む砂利質土壌でソーヴィニヨン・ブランを栽培しているのが特徴です。
ワイナリーの中心施設はギムレット・グラベルズの中心にあり、それぞれのワインに合わせて設計された個別のセラーを備えています。特に「ジャイアンツ・ワイナリー」ではフランス産オーク樽を使用して、複雑な味わいを持つ特別なワイン「ソフィア」を生み出しています。
(引用元: https://craggyrange.com/ )
彼らのワインの品質と独自性は高く評価されており、『The Real Review』が選ぶ「ニュージーランドトップワイナリー2023」において1位を獲得。2014年には、「ワイン・エンスージアスト」誌から「ニューワールド・ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれました。
ワインだけでなく、レストランや宿泊施設も人気で、地元産の新鮮な食材を使用した季節ごとのメニューなど、訪れる人々に贅沢で心地よい体験を提供しています。また、2018年に設立された「チルドレンズ・クリスマス」プロジェクトでは、ホークス・ベイの恵まれない子どもたちにクリスマスプレゼントを届ける活動を展開しています。
さらに、持続可能なワインづくりにも注力しており、すべてのブドウ畑のオーガニック転換を目指しています。自然環境との共生を重視し、微生物や生物多様性を保護しながら、高品質なワインを生み出すための取り組みを続けています。
ピーボディ家は1000年信託を設立し、ワイナリーが売却されることのない永続的な家族経営を保証。この長期的な視野に立った経営姿勢は、経済的、社会的、環境的な持続可能性への強いコミットメントとなって表れており、クラギーレンジは、ニュージーランドワインの可能性を世界に示す、重要なワイナリーとして確固たる地位を築き上げたのです。