ニュージーランドでは、毎年更新されるワイナリーのランキングがあるというのをご存知でしょうか?
そのランキングを発表しているのは、The Real Review(ザ・リアルレビュー)というチーム。そして、そのチームを率いるのは、NZで最も著名なワインライターの一人であるボブ・キャンベルMW(Masters of Wine)です。
The Real Reviewから発表されるワイナリーランキングは、NZワイン業界では認知度が高く、ワインを購入する際にこのランキングを参考にする消費者もいます。
この記事では、 NZワイン界の重鎮であるボブ・キャンベルMWやThe Real Review、そして今年発表されたばかりの2024年版のランキングについてご紹介いたします。
ボブ・キャンベルMWとは?
画像引用元:The Real Review公式サイトボブ・キャンベルMWは、NZで2番目にMaster of Wine(マスターオブワイン)という世界最難関のワインの試験を突破した人物。現在世界でこの資格を持つのはたった414名です。
彼はNZで広く知られるワインライターであり、NZワインの教育の第一人者でもあります。
今までに、ニュージーランドやオーストラリア、シンガポール、マレーシア、ロンドンなど世界各地でワインの講座やセミナーなどを開催しており、それには延べ22,000人以上の人々が参加しています。
また、ボブ・キャンベルは、ワイン業界への貢献により2019年にはニュージーランドメリット勲章(ONZM)を受章しました。メリット勲章とは、1996年にNZ女王エリザベス2世により創設されたもので、国王とNZ国民に対し、すべての領域で賞賛に値する卓越した努力、能力と貢献を示した人物へ授与される名誉ある勲章です。
ボブ・キャンベルは現在も、国内外のワイン賞の審査員として活躍し、ワインや食の出版物に定期的に寄稿しています。
NZワイン界で名実ともに、最も影響力のあるワインジャーナリストの一人がボブ・キャンベルであると言えると思います。
The Real Reviewとは?
The Real Review(ザ・リアル・レビュー)は、ボブ・キャンベルMWが主導する、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスのワインをテイスティングし評論・評価するインターナショナルチームで、毎年約1万本のワインを審査しています。
ワイナリー審査では、各ワイナリーの最近の上位5つの銘柄をテイスティングし、その評価をもとに独自開発されたアルゴリズムを用いてランキングを決定し、毎年発表しています。
ワインのコンペなどでは、出品料がかかるプライズ(賞)もありますが、ザ・リアル・レビューでの試飲は無償で行われます。ワイナリーから一切の利益供与がないことから、NZではThe Real Reviewは「透明性が高く」「客観的である」と言われているようです。
The Real Review 2024のワイナリーランキング
ここからは、今年のワイナリーランキングをご紹介します。
1位 | フェルトン ロード (Felton Road) |
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2位 | デスティニーベイワインズ (Destiny Bay Wines) |
3位 | チャーチ ロード (Church Road) |
4位 | アタランギ (Ata Rangi) |
5位 | クラギー レンジ(Craggy Range ) |
6位 | オブシディアン(Obsidian) |
7位 | ヴィラ マリア(Villa Maria) |
8位 | ドライリバー ワインズ (Dry River Wines) |
9位 | フロムワイナリー(Fromm Winery) |
10位 | トリニティ ヒル(Trinity Hill) |
ボクモワインで購入できるTOP10ランクインワイナリーは?
ここでは、The Real Reviewで10位以内にランクインしたワイナリーのうち、ボクモワインでご購入頂けるワインをご紹介します。
1位 フェルトン ロード
画像引用元:ヴィレッジセラーズ公式サイト
フェルトン ロード(Felton Road)は、NZ屈指の高水準なワイナリーの一つ。
1997年に初リリースしたピノ・ノワールは瞬く間に世界中のワインファンを魅了し、世界最高レベルの評価を得るワイナリーになりました。
バイオダイナミック農法によるぶどう栽培や、重力に逆らわずにぶどうやワインを移動させる「グラヴィティ・フロー」など、より自然なアプローチによってワインづくりをしています。
僕が実際にワイナリーを見学させていただいたとき、コンパクトながらとても機能的につくられたシステムに驚きました。「ぶどうになるべく負荷をかけずに醸造したい」というお話が印象に残っています。
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2位 デスティニーベイワインズ
画像引用元:クラフトワインパーク公式サイト(リブ・コマース)デスティニーベイワインズ(Destiny Bay Wines)は、オークランドのワイヘキ島に2000年に設立されたブティックワイナリーで「世界最高レベルのカベルネブレンドのつくり手」とも称されています。
年間生産量は約2,000ケースという少量生産のワイナリーで、ボルドータイプの3種類のワインのみを生み出しています。
近年、国際的な評価がぐんぐん上がっているデスティニー・ベイ。価格面でも毎年のように上がっていますので、ボルドータイプの赤がお好きな方は、今のうちに手に入れてセラーで保管しておくのも良いかも知れません。
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4位 アタランギ
画像引用元:アタ ランギ公式サイト
1980年に設立したアタ ランギ(Ata Rangi)は、マオリの言葉で「新しい始まり」を意味します。
マーティンボロのパイオニアとして知られ、多くの評論家からNZのトップ5に入るワイナリーとして賞賛されています。
特に「ロマネコンティにルーツを持つ」という畑から生まれるピノ・ノワールは、国内外の賞を数多く受賞しています。
マーティンボロという産地を世界に知らしめたのは、このアタランギの成功があったからと言われています。ブルゴーニュに近いエレガントで上質なワインを生み出しています。
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7位 ヴィラ マリア
画像引用元:https://villamariawines.com/
ヴィラマリア(Villa Maria)は、ニュージーランド屈指の大規模ワイナリー。
1961年、ジョージ・フィストニッチによりオークランドで家族経営のワイナリーとしてスタートし、その後、急速に規模を拡大。
現在は世界60カ国以上に輸出されており、NZのワイナリーとしては世界のワインコンクールでの受賞数は最多です。近年はオーガニックワインの生産に注力しています。
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10位 トリニティ ヒル
画像引用元:ヴィレッジセラーズ公式サイト
トリニティヒル(Trinity Hill)は、NZ北島ホークス・ベイのワイナリー。
かつては川底であった砂利質土壌の土地「ギムレット・グラヴェルズ」の可能性をいち早く見出した、この地区のパイオニア的な存在です。ボルドーブレンドやシラーを得意とします。
トリニティティヒルのスタンダード・クラスが「ホークス・ベイ」、いわゆる広域シリーズ。プレミアムレンジが狭い地区の「ギムレット・グラヴェルズ」シリーズです。トップには「オマージュ」というキュベもあるのですが、こちらは日本未輸入。どんな味わいか気になります・・・
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The Real Review 2023の11位〜20位の中からのおすすめワイナリー
ここからは、2024年のランキングのTOP20の中から、日本でワインが購入できるおすすめのワイナリーを紹介します。
14位 ペガサスベイ(ノース・カンタベリー / ワイパラ)
ワイパラを代表するワイナリー。この土地の気候を活かしたやや濃いめのピノ・ノワールが有名。また、ピノだけでなく高品質なボルドー品種もつくっているのが他の南島のワイナリーとは違うユニークな点です。
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15位 マン・オー・ウォー・ヴィンヤーズ(ワイヘキ島)
マンオーウォーヴィンヤーズ(Man O’ War Vineyards)は、ワインアイランドとして知られるワイヘキ島で、約20%の土地を保有する最大のワイナリーです。濃厚なボルドーブレンドの赤や、樽熟成させたシャルドネが高い評価を得ています。高級ワインばかりのワイヘキにあって、比較的手の届きやすい価格帯のワインも揃えるワイナリーです。
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18位 ブランクキャンバス(マールボロ)
大規模な生産者がひしめくマールボロの中で、ひときわ個性が際立つ夫婦経営のワイナリーです。ソーフィー・トムソン夫人はマールボロで初めてマスター・オブ・ワインとなった才女。グリューナー・フェルトリーナーなど、他のワイナリーにはないポートフォリオを持っています。
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まとめ
ワインは本来、客観的な物差しで優劣をつけられない飲み物。ただ、やはり初めて飲むワインが、専門家がどのように評価しているかどうかは気になるものですよね。
ボブ・キャンベルMW率いるThe Real Reviewは、NZのワインテイスターの中では知名度が高く、影響力があるチームとして知られています。そして、毎年発表されるワイナリーのランキングをチェックしている関係者も多くいます。
もちろん、「ランキングが高いから、そのワイナリーのワインが自分の口にあう」というわけではありませんが、このランキングで、NZワインに精通したプロたちが、どのような評価をしているかを知ることができるでしょう。