この記事では、ニュージーランドワインを愛してやまないソムリエ岩須が、2023年におすすめするNZワイン11本をご紹介します。
NZワインは、日本人に親しみやすい香りと味わいのものが多く、ワイン初心者の方にもおすすめです。それではまず、その基本的な5つの特徴をご紹介します。
- NZワインの全生産量の85%以上は白ワイン
- 代表的な品種はソーヴィニヨン・ブラン
- NZのソーヴィニヨン・ブランは、フレッシュ&フルーティー!
- 1,750〜2,200円(税込)の価格帯が最も売れている
- NZワインのほんどがサステイナブルな環境で生産されている
実はNZは、「白ワインだらけの国」です。
生産されているNZワインのうち85%以上が白ワインで、その中でも特に「ソーヴィニヨン・ブラン」という品種が圧倒的な割合を占めており、国を代表するワインとなっています。
日本のスーパーや酒屋さんなど、一般の店舗で販売されているNZワインも「ソーヴィニヨン・ブラン」が中心です。
そうなんですね!お店で見かけたら、チェックしてみます!
その香りと味わいは、主要生産国であるフランスのものと比べてもフレッシュかつフルーティー。とても親しみやすく、世界の中でも唯一無二のキャラクターとして認められています。
次にNZワインの価格についてですが、NZではほとんどのワイナリーが家族経営などの小規模ワイナリーであるということもあり、他の国と比較すると低価格帯のものが少ないという特徴があります。
NZワインで「お手頃価格」というと本体価格1,500〜2,000円(税込で1,750〜2,200円)を指すことになります。
そして、日本で最も売れているのもこの価格帯です。
また、NZワインはそのほとんどがサステイナブルな環境下で生産されています。
実際にNZの約96%のぶどう畑とワイナリーが、NZ独自の「サステイナブル認証(SWNZ)」(ワインづくりにおける環境保護についての認証)を受けています。
それではここからは、そんなNZワインの中で僕が自信を持っておすすめするものをご紹介したいと思います!
この記事は、前半はおすすめワインを紹介しています。そして後半を読み進めていただくとNZワインのことがざっくりと分かるようになっています。
興味が出てきたら、ぜひ最後まで読みんでみてください!
お手軽価格のおすすめ白ワイン【2本】
具体的なワインの紹介に入る前に、初心者向けの「NZ白ワインの選び方のコツ」を4つお伝えしましょう。
- まずはNZワインの代表品種と言える「ソーヴィニヨン・ブラン」を選ぶ
- 産地は「マールボロ地方」のものを選ぶ
- なるべく新しいヴィンテージ(ぶどうの収穫年)のものを探す
- 2,000円(税込)以上のワインがおすすめ
冒頭でも述べた通り、NZワインの70%以上は「ソーヴィニヨン・ブラン(SAUVIGNON BLANC)」というぶどうからつくられています。
ですので、まずはその大本命のワインから試してみましょう。「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」という三拍子が揃った、NZにしかない素晴らしい味わいを感じることができるはずです。
「まずは、これを飲んだら良い!」っていうのが分かりやすくて、助かる〜♪
NZのソーヴィニヨン・ブランを口に含むと、その瞬間に「ハッ!」っと驚くような旨さを感じます。
そして、グレープフルーツ、ライム、パッションフルーツ、パイナップルのような南国フルーツのニュアンスがはっきりと感じられ、ハーブ類の爽やかさが後から心地よく香ってきます。
そして2点目、産地は「マールボロ地方(MARLBOROUGH)」のものを選びましょう。マールボロ地方はNZワインの7割以上を生産する巨大産地。
気候の特徴として、
- 豊富な日照量
- 昼夜の寒暖差
- 強い風が吹く
という3つの条件がそろっており、そのような環境下で育つソーヴィニヨン・ブランには、より強いNZワインの個性が感じられます。
次にヴィンテージ(ぶどうの収穫年)です。白ワイン、特にマールボロ地方のソーヴィニヨン・ブランは、とにかくフレッシュさが命。
時間の経過と共に、本来持っていたフレッシュさが失われていく傾向にあるので、なるべく売り場にあるものの中で最新の(ヴィンテージ)を選ぶようにしてみて下さい。
最後に価格について、
これは僕の個人的な経験則になりますが、どうやらNZの白ワインには「2,000円(税込)の壁」というものがあり、それ以上の価格になると品質が安定してくるように思います。
2,000円の壁!(笑)
でも中途半端に買って失敗するより、価格の目安がある方が選びやすいかもしれませんね!
もちろん、それより安いものの中にも美味しいNZワインは存在します。
ただ、NZワインが大好き過ぎる僕は「香り、味わい、余韻、その全てにおいて“NZワインらしさ”が表現されている」ものこそが、その魅力を100%発揮していると考えています。
そして、そんなワインは2,000円を超えるあたりから遭遇率がぐっと増えるんですよね。
では、ここからは僕が本気でおすすめする、入手しやすくお手軽価格のハイコスパNZ白ワインをご紹介します!
ヴィラマリア プライベートビン ソーヴィニヨン・ブラン
この味わいでこの価格はすごい!ヴィラマリアはNZワインの伝道師的存在です。
ワイナリー名 | ヴィラマリア(Villa Maria) |
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シリーズ名 | プライベートビン |
ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | マールボロ |
ヴィンテージ | 2022 |
希望小売価格 | 2,200円(税込) |
輸入元 | 木下インターナショナル |
2018年に「ニュージーランドワイン・オブ・ザ・イヤー」で銀賞を受賞するなど、世界にその名を轟かせるNZワインのリーディングカンパニー「ヴィラマリア」。その代表的なワインがこちらです。
マールボロのソーヴィニヨン・ブランの正道の味わいを実現しながらも、税込み価格2,200円に抑えているのは、さすがです。
このワインには、ベビーリーフやサニーレタスなど少し苦みのあるお野菜や魚介料理がよく合います。鶏の唐揚げなど油を使った料理も良いでしょう。
インヴィーヴォ X サラ・ジェシカ・パーカー ソーヴィニヨン・ブラン
ハリウッド女優のサラ・ジェシカ・パーカーが、ワインメイクに関り出来上がった人気のワインです。
ワイナリー名 | インヴィーヴォ(Invivo) |
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ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | マールボロ |
ヴィンテージ | 2022 |
希望小売価格 | 2,860円(税込) |
輸入元 | サザンクロス |
NZの新進気鋭のワイナリー「インヴィーヴォ」と、サラ・ジェシカ・パーカーがタッグを組み誕生したこちらのワイン。グラスに鼻を近づけるだけで、白桃、マンゴー、ドライハーブの香りが強く感じられます。
味わい的には「辛口」に分類されますが、非常にフルーティーな口当たりなので、辛口ワインを飲み慣れていない方にも、きっと美味しく召し上がっていただけると思います。
心地よい酸味をともなう清涼感が持ち味のこのワインには、前菜はもちろん、唐揚げやとんかつなどの揚げ物もよく合います。
お手軽価格のおすすめ赤ワイン【2本】
冒頭で「NZは白ワインの国」と言い切ってしまいましたが、もちろんNZには素晴らしい赤ワインもたくさん存在しています。ただ、白ワインと比べると、どうしても赤ワインは生産量が少ない分、やや値段が高くなってしまいます。具体的に言えば、NZの赤ワインは、本体価格2,500〜5,000円(税込みで、2,750〜5,500円)あたりがメインの価格帯です。よって、NZの赤ワインを飲むときは、財布に少々余裕があるときが良いでしょう。
なるほど。でも、本音で言えば税込みで2,000円台半ば…くらいまでの美味しい赤ワインがあると助かるんですけどね〜!
わかります、わかります。「日常にワインを取り入れる」にはもう少しお手頃価格な方がベターですよね〜。
けど、そんなワインないですよね(泣)
いいえ、探せばちゃんとありますよ!
ここでは、「リーズナブル」かつ「ちゃんと美味しい」NZ赤ワインを2本紹介しましょう!
ブラッケンブルック シャングリ・ラ ピノ・ノワール
優しく渋みが少ない赤ワインが好きな方におすすめです!
ワイナリー名 | ブラッケンブルック(Blackenbrook) |
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シリーズ名 | シャングリ・ラ |
ぶどう品種 | ピノ・ノワール |
産地 | ネルソン |
ヴィンテージ | 2020 |
希望小売価格 | 2,750円(税込) |
輸入元 | サザンクロス |
ピノ・ノワールはもともと渋みが少ない品種で、このワインも渋みは控えめ。赤ワインを飲み慣れていないような人でもカジュアルに楽しんでいただける1本だと思います。
冒頭でソーヴィニヨン・ブランの特徴を「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」と表しましたが、この赤ワインにもその印象が感じられます。しかし、同じと言っても「白ワイン」と「赤ワイン」では、それぞれ意味することが変わってきます。
まず、赤ワインにおける「フレッシュさ」とは、もぎたてのいちごやラズベリー、さくらんぼのような、新鮮な果実のニュアンスがあることを指します。そして「フルーティー」というのは、そのフルーツの要素がしっかりと感じられること。それらが揃うと、自然と「親しみやすい」味わいとなります。
このワインは、焼き鳥やすき焼きなど軽めのお肉料理や、フレッシュチーズにも合いそうです。高級なぶどう品種であるピノ・ノワールとしては、リーズナブルと言える2,750円(税込)という価格も魅力の一つです。
ヴィラマリア プライベートビン メルロー / カベルネ・ソーヴィニヨン / マルベック
コクがあってやや渋みもある赤ワインが好きな方におすすめです!
ワイナリー名 | ヴィラマリア(Villa Maria) |
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シリーズ名 | プライベートビン |
ぶどう品種 | メルロー49%、カベルネ・ソーヴィニヨン45%、 マルベック6% |
産地 | ホークス・ベイ |
ヴィンテージ | 2020 |
希望小売価格 | 2,200円(税込) |
輸入元 | 木下インターナショナル |
日本に輸入されているNZ赤ワインの中で、個人的に「最もコスパが高い」と感じているのがこちら。税込み価格で2,200円まで抑えられれているというのは…、さすがヴィラマリアです!(本日2度目。笑)
ぶどうの品種は、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベック。ワインの本場、フランス・ボルドー地方のスタイルを踏襲していて、コクと渋みがはっきりとあるタイプに仕上がっています。
ボルドーワインとの違いは、NZワインの特徴である「フルーツのニュアンス」がしっかりと感じられることです。そのフルーツ感を中心とした濃厚な味わいと、余韻に残る心地よい渋みが絡み合い、素晴らしくバランスの取れた味わいとなっています。ぜひお肉料理と合わせて頂きたいです。
お手頃価格のおすすめロゼワイン【1本】
ロゼワインのピンク色の外観はとてもチャーミング。そして、白ワインの飲みやすさに、赤ワインの持つ複雑さと渋みをほんの少しプラスしたような、いわば“良いとこ取り”のロゼワインは、実は合わせる食事の幅がとっても広いのです。
ロゼワインは今、世界でブームになっています。僕も大好きなんですが、まだ日本にはその波はやってきていないんですよね。
個人的には、もっと日本でも広まってほしいなって思っています!
そうなんですか。ロゼワイン、見た目も可愛いので、私は好きですね!
NZのロゼもぜひ試してみたいです♪
そんなロゼワイン、NZからも日本人好みのものが続々とリリースされています。本格的に日本に「ロゼブーム」がやって来る前に、おさえておいて損はないでしょう。
グラハムノートン ピンクデザイン ロゼ
どんな食事にもあう万能ロゼワインです。
ワイナリー名 | インヴィーヴォ(Invivo) |
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シリーズ名 | グラハムノートン |
ぶどう品種 | メルロー、マルベック シャルドネ |
産地 | ホークス・ベイ、ギズボーン マールボロ |
ヴィンテージ | 2021 |
希望小売価格 | 2,530円(税込) |
輸入元 | サザンクロス |
実は多くのヨーロッパ諸国で「白と赤を混ぜてロゼを作る」という方法は禁じられています。しかし、NZではそのような規制が特にありません。だったら、2つを混ぜて美味しいワインをつくろうじゃないか、とつくられたのがこのロゼ。
結果、とても美味しい!
爽やかさ、まろやかさ、適度な渋み、これらの要素がバランス良く折り重なっています。合わせられる食事は幅広く、和食にも、洋食にも、中華などでもバッチリ。食卓に1本あると重宝するワインです。
お手頃価格のおすすめスパークリングワイン【1本】
スパークリングワインは世界中でつくられていますが、NZではまだそれほど盛り上がっているジャンルではありません。
シャンパーニュを代表するような本格的なスパークリングワインをつくるには、大規模な設備投資が費用なんですが、家族経営の小規模ワイナリーが多いNZでは、なかなか挑戦しづらいんですよね。
なるほど〜、本格的なスパークリングワインは大規模なワイナリーじゃないと、なかなか採算が取れないんですね。
そんなNZでも少数ではありますが、本格的なシャンパーニュ方式でスパークリングワインをつくるワイナリーがあります。しかし、やっぱりお値段はそこそこお高め。
そこで、ここでは割とシンプルな工程(炭酸ガスを注入するなど)でつくられた、比較的カジュアルなお値段のNZスパークリングワインをご紹介します。
マンスフィールド&マルシュ メトード トラディショネル NV
瓶内二次発酵による、きめ細かい泡が魅力の本格派スパークリングです。
ワイナリー名 | ワインポートフォリオ(Wine Portfolio) |
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ぶどう品種 | ピノ・ノワール51%、シャルドネ39%、 ピノ・ムニエ10% |
産地 | ホークス・ベイ |
ヴィンテージ | ノンヴィンテージ |
希望小売価格 | 2,915円(税込) |
輸入元 | ヴィレッジセラーズ |
比較的温暖なホークス・ベイでつくられる、シャンパーニュ製法のスパークリング。シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵の製法でつくられるワインなので、泡のきめがとても細かいですよ。レモンのような酸味が特徴で、食事と合わせやすいです。
味わいは柑橘系のフルーツが主体で、前菜から揚げ物、お肉料理などにもよくあいます。
記念日に飲みたいおすすめの高級NZワイン【3本】
ここまでは比較的リーズナブルな価格帯のNZワインをご紹介してきましたが、ここからはちょっとリッチに、記念日向けの高級ワインをご紹介しましょう。
フランスやイタリアなどのヨーロッパ諸国と比べるとワインづくりの歴史は浅いNZですが、「伝統では勝てなくても、技術力ならば負けない」と野心と情熱を持つ醸造家たちがいます。そんな彼らのつくるワインは世界で評価され高値で取り引きされており、近年ではワイン愛好家たちが高級ワインを語る上でも欠かせない存在となっているのです。
その中でも、NZワイン偏愛ソムリエの僕が「日本人の味覚にバッチリあう」と感じるワインを3本紹介したいと思います。
記念日ワイン、いいですね♪
NZが好きな人のお祝いなど、プレゼントにも良いかも!
ご紹介するワインは、白1本、赤2本。価格は税込み5,000〜8,000円台のものです。
クラウディ ベイ テ ココ
複雑でクリーミーな味わいのソーヴィニヨン・ブランです。
ワイナリー名 | クラウディ ベイ(Cloudy Bay) |
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ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | マールボロ |
ヴィンテージ | 2019 |
希望小売価格 | 7,722円(税込) |
輸入元 | MHD モエ ヘネシー ディアジオ |
泣く子も黙るNZワインの名門「クラウディ ベイ」。その名門がつくる上級ワインが、この「テ ココ」です。これまでお伝えしてきたようなNZソーヴィニヨン・ブランの“フレッシュ、フルーティー、親しみやすい”というスタイルとは一線を画します。
ソーヴィニヨン・ブラン種を使いながらも、その香りや味わいはフルーティーと言い切れない「複雑で奥行きのある旨み」があり、重厚感もあります。このワインは、オーク樽の中での熟成すること実に3年。他のNZのソーヴィニヨン・ブランはステンレスタンクで発酵・熟成が行われて、その熟成期間も短いものが多いので、とても珍しいつくり方なのです。
オレンジのような柑橘系のニュアンスは感じられるものの、オーク樽に由来するバニラの香りや乳製品のようなクリーミーなまろやかさ、生姜やドライハーブのようなスパイシーさも相まって、他にはない非常にたくさんの要素が入り混じった旨みの強い味わいとなっています。このワインは言わば「NZワインを次のステージへと導くような新機軸のワイン」。
ワインの経験値がある程度ある人達が集まるワイン会にこのワインを持っていくと、きっと驚かれると思います。パワフルさと存在感がある1本で、こってりしたお肉料理でもマッチする白ワインだと思います。
フェルトン ロード ピノ・ノワール バノックバーン
NZワインの最高峰のひとつ!とってもエレガントで上質な味わいのピノ・ノワールです。
ワイナリー名 | フェルトン ロード(Felton Road) |
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ぶどう品種 | ピノ・ノワール |
産地 | セントラル・オタゴ バノックバーン |
ヴィンテージ | 2020 |
希望小売価格 | 8,360円(税込) |
輸入元 | ヴィレッジセラーズ |
このワインがつくられているセントラル・オタゴ地方は、上質なピノ・ノワールを生み出す生産地として、近年、世界中にその名が知られています。(人気の観光地クイーンズタウンからもほど近い場所です。)そのセントラル・オタゴの中でも、最も有名なワイナリーのひとつがこの「フェルトン ロード」です。
有機栽培およびバイオダイナミクス農法でつくったぶどうは、なるべく負荷をかけないよう「グラヴィティ・システム」と呼ばれるシステム(ぶどう自体の重さを利用して、それを運ぶ仕組み)で醸造施設へと移動し、天然酵母で発酵が行われます。人の介入をなるべく抑えながら、自然に寄り添うようなワインづくりをするフェルトン ロードが生み出すのは、本場フランス・ブルゴーニュを思わせる非常にエレガントなワインばかり。
バノックバーンは、セントラル・オタゴの中のサブリージョン(小区域)。山に囲まれた自然豊かなロケーションです。このワインは、バノックバーンの少し離れたところにある3箇所の畑のぶどうをブレンドして、絶妙な味わいを作り出しています。
鴨肉、ラム肉や、白カビのチーズなどと合わせると完璧です。
マン オー ウォー アイロンクラッド ボルドーブレンド
がっちりとしたフルボディ。ボルドータイプの重厚な赤ワインです。
ワイナリー名 | マン オー ウォー(Man O’ War) |
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ぶどう品種 | カベルネ・フラン41%、メルロー35% プティ・ヴェルド11% カベルネ・ソーヴィニヨン10% マルベック3% |
産地 | オークランド ワイヘキ島 |
ヴィンテージ | 2018 |
希望小売価格 | 5,940円(税込) |
輸入元 | リブ・コマース |
「マン オー ウォー」は、NZ屈指のリゾートアイランド「ワイヘキ島」にあるワイナリー。このワイヘキ島は「ワインの島」とも呼ばれ、小さな島に高級ワインをつくるワイナリーがひしめき合っています。
島の東部にあるMan O’ War Bay(=軍艦の湾)という湾沿いに作られたこのワイナリーは島内に75以上の畑を持ち、比較的規模の大きな生産者。ワイヘキの他のワイナリーでは1万円オーバーのワインが珍しくない中、3,000円台後半から購入可能なのがこのワイナリーの魅力です。
この島の名産品は、フランス・ボルドーのスタイルを踏襲した、凝縮感と渋みのある重めの赤ワイン。この「アイロンクラッド ボルドーブレンド」は、その名の通り、ボルドーで使われる品種を6種類ブレンドした、まろやかでコクの深い味わいとなっています。
牛肉やラム肉との相性は抜群でしょう。
優しい味わいの“ナチュラル志向”ワイン【2本】
ここ10年ほどのワイン業界において、大きなトレンドのひとつに挙げられるのが「ナチュラル志向(のワイン)」。世界中で、自然と人の体に優しいワインが好まれるようになってきています。このようなジャンルのワインは呼び名がいくつかありますが、一般的に「自然派ワイン」と呼ばれます。
日本でもファンが増えているジャンルのひとつですね。
私も自然や体に優しいワイン、興味ありあます!
しかし、ただ一口に「自然や人の体に優しいワイン」と言っても、複雑な工程を経てつくられるワインの、どの部分にフォーカスして「優しい」と言うのか議論が分かれるところ。
ちなみに僕は酸化防止剤を使わなかったり清澄や、ろ過をしていないワインがそのまま「体に優しいワイン」とは考えていません。
へ〜そうなんですね、それはなぜですか??
なぜかというと…、
ってこれ、きちんと説明しようとすると長くなっちゃいますので、また別の機会に!
難しい栽培や醸造の話は別として、口に含んだときに「あ、これまでのワインとはちょっと違ったナチュラルな優しさがあるな」、そんな感想を持ったとしたら、それはナチュラル志向のワインであると言えるのかもしれません。
そんな“自然派ワイン”の中で、話題となっているジャンルが次の2つです。
- オレンジワイン
- ペットナット(ペティヤン ナチュレル)
では、その中でおすすめのNZワインをご紹介します!
オレンジワイン
まず「オレンジワイン」。これは、白ぶどうでつくるのに、ぶどうの皮の渋みが含まれる一風変わったワインです。辛口のものが多く、濁っているものもあります。
製造過程で白ぶどうの果皮と果汁を一定時間漬け込むので、皮の色素がワインに移り外観がオレンジっぽい色になります。
ラブブロック マールボロ ティー ソーヴィニヨンブラン
NZの異端児。チャレンジングなワインをつくっています!
ワイナリー名 | ラブブロック(Loveblock) |
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ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | マールボロ アワテレヴァレー |
ヴィンテージ | 2021 |
希望小売価格 | 3,520円(税込) |
輸入元 | サザンクロス |
認証機関「バイオ・グロ」の非常に厳しい基準をクリアしたオーガニックのぶどうのみを使っています。普通のワインで使われる亜硫酸塩は一切使わず、代わりに酸化防止策として「緑茶パウダー」を使っています。世界中のワインづくりから見ても、とても珍しい方法だと言われています。
レモングラスやオレンジピールの優しい味わいが印象的で、ほんのりとした渋さとじわっと残る旨みは、海鮮料理などとの相性が良さそうです。
ペットナット(ペティヤン・ナチュレル)
2つ目は「ペットナット(ペティヤン ナチュレル)」。甘口、辛口、濁りワインなどバリエーションは豊富で、カジュアルながら旨みが強い微発泡のスパークリングワイン。ガス圧が低く、フレッシュな味わいが特徴です。
現在NZワインの中では、このようなスタイルのワインはまだ珍しい部類です。しかし世界での自然派ワインの流行を受け、NZでもペットナットづくりにチャレンジする生産者が出てきてます。
グリーンソングス ペットナット ザ クリフス
とても上品で、複雑な味わい。毎年味わいが変わると思うので、その変化にも注目!
ワイナリー名 | グリーンソングス(Green Songs) |
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ぶどう品種 | ピノ・ノワール80%、 ピノ・グリ20% |
産地 | ワイララパ グラッドストーン |
ヴィンテージ | 2020 |
希望小売価格 | 3,740円(税込) |
輸入元 | サザンクロス |
日本人醸造家、小山浩平氏がつくるチャレンジングなワイン。
親しみやすい果実の味わいが特徴のこの泡は、幅広い食事にあいます。特に前菜、魚介、スパイシー系の料理が相性良好だと思います!
【番外編】一生に一度は飲んでみたい“幻のNZワイン”とは!?
NZワインの中に「カルトワイン」と呼ばれるワインがあります。カルトワインとは、価格が高騰し入手困難になった一部のカリフォルニアワインを指すのに使われていたワイン用語ですが、現在は他の産地の「とてもレアな高品質・高級ワイン」という意味で使われることが多くなっています。
一般的な言葉で言えば、“幻のワイン”という表現がぴったりくるかもしれません。
そんな、NZにおける最も有名なカルトワインが「プロヴィダンス」です。
プロヴィダンス(Providence)
「プロヴィダンス」はNZワイン好きならば知らない人はいない、伝説のワイナリー。そのワイナリーは、オークランドのマタカナにあります。ここはNZのぶどう産地の中ではかなり北部の位置にする、(NZは南半球にあるので)温暖な気候の小さな産地です。
1990年に弁護士であるジェームス・デルヴィッチ氏によって創業されたプロヴィダンスですが、その名が一躍有名になったのは、あるブラインド・テイスティングがきっかけでした。それは著名なワイン評論家たちによって行われ、そこで本場フランス・ボルドーの有名シャトーを抑えて1位を獲得したのです。それ以来、プロヴィダンスはNZ最高峰の赤ワインとして、その存在を揺るぎないものとしています。
プロヴィダンスでは、とことん自然なワインづくりを行っています。その特徴は主に下記の3つです。
- ぶどう栽培は完全に「オーガニック」であること
- 「天然酵母」で発酵を行い「酸化防止剤」を一切使わないこと
- 通常のワインで行われる「清澄」や「ろ過」も行わないこと
上記のようなヨーロッパで受け継がれてきた伝統的な手法は、安定して質の高いワインをつくるのは難しいと言われています。しかし、プロヴィダンスでは設立以来、そのスタンスを守り続けています。NZの他のワイナリーのように最新の技術は使わず、あくまでもクラシカルな手作りの製法にこだわってワインをつくっているのです。その分、毎年つくられる本数には限りがあり、日本での流通価格は約2万円〜と高価格なワインとなっています。
ワインの種類は、メインアイテムである「プロヴィダンス プライヴェート・リザーヴ」のほかに、
- プロヴィダンス シラー
- プロヴィダンス フォー・アパースル
- プロヴダンス ロゼ
もあります。
ちなみに、2010年ヴィンテージの各ワインは、プロヴィダンスの大ファンだと公言している元プロ野球選手の桑田真澄さんが収穫の手伝いに訪れたことから「クワタ・ヴィンテージ」と名付けられました。
そのラベルは、桑田さんの背番号であった「18」の文字とご本人のサインが施された仕様になっています。
【番外編】注目の日本人生産者のワインも
島国で、四季があって、自然が豊か。日本との共通点も多いNZ。現在およそ2万人の日本人がNZで暮らしています。
そんな中、NZでワインづくりをする日本人生産者達がいるのをご存知でしょうか?彼らのつくるワインは、NZワインのトップクラスであると言っても過言ではありません。
「自分(達)のワインをつくる」という夢を叶え、世界にも通用するようなワインを生み出している日本人がいる。同じ日本人としてとても誇らしいし「僕も頑張ろう!」と励みになっています。
ここでは、そんな日本人が作るNZワインを一覧にして紹介します。
代表者の名前 (五十音順) |
ワイナリー/ブランド名 |
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大沢 泰造さん | 大沢ワインズ |
岡田 岳樹さん | フォリウム ヴィンヤード |
木村 滋久さん | キムラセラーズ |
楠田 浩之さん | クスダワインズ |
小山 浩平さん | グリーンソングス |
小山 竜宇さん | コヤマ ワインズ |
佐藤 嘉晃さん | サトウワインズ |
さらに詳しい情報は、下記の特集ページをご覧下さい。
▶「NZで活躍する日本人生産者特集!世界に誇るワインをつくる7つのワイナリーを紹介」
NZワインが買える便利な通販サイト(ネットショップ)
魅力たっぷりのNZワインですが、残念ながらまだ店頭にあまり並んでいないのが現状です。ここでは、そんなNZワインを購入するのに便利でおすすめな通販サイト(ネットショップ)をご紹介します。
通販サイトには、下記のようなメリットがあります。
- 重いワインを運ぶ手間が省ける
- 店頭に置いていないワインを探すことができ、説明もじっくりと読める
- 24時間注文が可能
- NZワインの場合、ネットの方が種類が豊富なことが多い
ただ、ネットって便利なんですけど、送料高いですよね〜?
そうですね、でもお店に行ってワインを購入して、家まで持って帰るっていう行動は、実はけっこうコストがかかっていると思うんですよね。
なんせワインは1本1kg以上ありますから、車で運ぶにしても公共交通機関にしても、自分で運ぶというのは意外と体力も時間も必要なんじゃないかなと思います。
なるほど…!それに、ネットだとじっくり説明を見たりしながら選べますよね。深夜でも注文できるし。
そうなんですよね。でも、酔っ払った勢いでポチっと購入してしまう癖のある人は、ワインを飲みながらの閲覧は要注意かも!?(笑)
ということでここでは、わたしたちが運営するボクモワインをはじめ、NZワインを取り扱っているサイトのリンクをまとめておきましょう。
NZワインが大好きなソムリエ岩須が運営!ボクモワイン
運営:ボクモワイン
ボクモワインは、NZワインを愛してやまないソムリエ岩須が店長を務める、NZワイン専門のセレクトショップです。
複数のインポーター様から、ソムリエ岩須が実際に試飲して間違いないワインだけを仕入れています。
特に、様々なコンセプトでつくったセット商品がおすすめです。
NZワインが豊富に取り揃う!サザンクロス
運営:サザンクロス
NZワイン専門インポーターによるオンラインショップ。
お得な飲み比べセットや、定期購入のコース、アウトレットなどの企画も充実。
「シレーニ」や「ハカ」のワインを取り扱う!エノテカ
運営:エノテカ
輸入ワインの大手で品質に対する信頼度が高い。
NZワインは、自社で輸入する「シレーニ・エステート」が中心で、近年日本でも人気の「ハカ」のワインも取り扱っている。
「ヴィラマリア」を取り扱う!木下インターナショナル
運営:木下インターナショナル
基本的にポルトガルワインのオンラインショップだが、特集ページなどから自社で輸入するNZワイン「ヴィラ・マリア」が購入可能。
日本企業がつくるNZワインの直営ショップ!大沢ワインズ
運営:大沢ワインズ
自社がNZで経営する「OSAWA WINES」の各シリーズがずらりと揃う。
また、NZの特産品であるマヌカハニーやオーガニックティーも扱うなど、品揃えは豊富。
NZのプレミアワインを買うならココ!クラフトワインパーク
運営:リブ・コマース
日本ではまだそれほど知られていないNZのプレミアワインを扱うインポーターのオンラインショップ。記念日やプレゼント用に上質なNZワインを探している方にはうってつけ。
個性派NZワインが揃う!シュナベ
▶シュナベ
運営:SHUNABE (シュナベ)
11年のNZでの滞在を経て、日本でNZワインの輸入をスタートさせた阿部俊さんによるマイクロインポーター。他ではなかなかお目にかかれない個性あふれる銘柄を紹介している。
番外編|NZワインのラインナップが豊富な酒屋さんによるサイト
ここまでで、一通りのNZワインの解説は終わりました。
ここからは、復習を兼ねてもう少し詳しいNZワインのお話をしていきます!
もっと知りたい!NZワインの味わい
冒頭でも簡単に触れましたが、NZワインの味わいについてもう少し詳しく説明していきましょう。
僕が経営しているお店は「NZワインがメインの飲食店」です。毎日お店に立っていて、お客さまにいちばん尋ねられるワイン関連の質問は、やはり「味」についてですね。
これは僕にとって、一番うれしい質問だったりします。なぜならとっても答えやすいから(笑)
たとえば「フランスワインの味の特徴」は、有名産地の説明から入らなきゃいけないので、端的に説明するのはかなり難しいんです。「イタリアワインの味の特徴」だと、20の州でとんでもなく多様性があるので、これまたややこしい。
その点、NZワインは、比較的シンプルに言いあらわすことができます。それは・・・
NZは、フレッシュでフルーティーな親しみやすい白ワインだらけ!
ということ。
このシンプル過ぎる説明がありがたいです(笑)
難しく考えずに、ワインが飲めますよね♪
はい、そうなんです。だから僕は常々、NZワインってとってもワイン初心者にも向いているワインだなぁって思っているんです。
NZワインの3つの特色
ではNZワインはなぜそんなにシンプルに説明できてしまうのか。それは以下の「NZワインの3つの特色」を見るとわかります。
復習ですね!!
- NZワインの全生産量のうち85%以上は白ワインである。
- 代表的なぶどう品種が「ソーヴィニヨン・ブラン」で、全生産量の70%以上を占める。
- NZのソーヴィニヨン・ブランは、他の国にない独特な味わいで、その大きな特徴が「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」こと。
これをまとめてざっくり言うと「フレッシュでフルーティーな親しみやすい白ワインだらけの国」となるわけです。ワイン産国としてこんなに明瞭な特色を持った国は、他には見当たらないでしょう。
もちろんソーヴィニヨン・ブラン以外の白ワインや、素晴らしい品質の赤ワインも生産していますが、やはりまずは「ソーヴィニヨン・ブラン」にチャレンジして頂きたいんです。
他で例えるならば、うどんなら讃岐うどん。寿司ならマグロ。チャンプルーならゴーヤ。ディズニーならミッキー。という感じ。
あれ?ちょっと違うかな(笑)。
話がそれましたが、言いたいのは「ド定番こそまず最初に通って欲しい」ということです。
(笑)けど、その例え好きですよ!
私、初心者だから、まずそのド定番から入りたいです!
では、その定番である「NZのソーヴィニヨン・ブラン」の「香り」や「味わい」はというと・・・・
まず、ひとくちでハッと驚く旨さがあります!
グレープフルーツ、ライム、パッションフルーツ、パイナップルのような南国フルーツのニュアンスが、とても強く感じられるはずです。さらにその奥からハーブ類の心地よい爽やかさも心地よく香ってきます。
僕の場合、飲んだ瞬間に頭の中に広がるイメージは「青空、切り立つ山、新緑、美しい湖…」ですね。ハッとするような鮮やかな景色。
そんな大自然が広がるアウトドアで飲んだら最高だな、と思わせてくれるワインです。キリッとした酸味と口いっぱいに広がる果実味たっぷりな味わいは、晴れた日の渇きを潤し、気分を高揚させてくれます。
なんだかワインから風景が思い浮かぶなんて、ロマンチックでいいですね〜♪
私はどんなイメージが出てくるかなあ。はやく飲んでみたいです。
もちろん、感じ方は人それぞれ。飲んだ感想も人によってさまざまだと思います。ただ、年間100本のNZワインをテイスティングする僕は、正統派スタイルのソーヴィニヨン・ブランを飲むたびに「NZの大自然を思わせるような気分爽快な味わい」を感じています。
NZワインの価格について
次に、価格についてです。
実は統計データを見ると、NZから輸入されているワインは、他の国からの輸入ワインと比べて価格における違いがあります。それは、NZ産ワインは「日本でもっとも売れている価格帯」が「他国と違ってやや高い」ということなんです。
まず、日本で販売されている輸入ワインは、750〜1,650円(税込)の価格帯がもっとも売れるゾーンです。
たとえば、チリやイタリア、スペインのワインは750〜1,100円(税込)の価格帯がいちばん売れていますし、フランスワインの場合は1,100〜1,650円(税込)の価格帯が最大のボリュームゾーンとなっています。
しかし、日本にワインが輸入されている国の中で唯一、NZだけは「1,750〜2,200円(税込)の価格帯のワインが最も売れている」のです。
理由は簡単。現在のところ「税込みで、1,750円を下回るNZワインはごくわずかしかないから」です。
では、他の国と比べて、なぜNZワインはリーズナブル路線のワインが少ないのか。その理由の一つとして、NZのワイナリーのほとんどが「家族経営の小さなワイナリー」であることが挙げられます。
ワインは、ぶどうの栽培から醸造、瓶詰め、出荷まで、とても手間とコストがかかるお酒です。大規模ワイナリーは、大量生産することでコストを下げていますが、小規模の生産者は、なかなかコストを下げることは難しいのです。
一方で、そのような小さなワイナリーは、他に負けないような個性と品質を持っていることが多いとも言えます。
NZには激安ワインはないけれど、小さなワイナリーならではの、クオリティが高く個性のはっきりしているワインが多いんです。
品質が高いから、激安ワインはないんですね。じゃあ、今度買ってみたときには、ひとくちを大切に味わって飲まなきゃ、ですね。
環境に優しいNZワイン!
NZは手つかずの自然が豊かに残っている国。政府は、そんな大自然と人の調和を目指すことに重点を置いており、他国からは「環境先進国」と呼ばれています。
積極的な環境保護政策によって、現在NZ国内の約8割の電力が再生可能エネルギーでまかなわれており、政府は2035年までにはその割合を100%にすることを目標に掲げています。そして、ワインづくりにもそんな環境保護の考えが色濃く反映されています。
現在実に96%のぶどう畑とワイナリーが、「サステイナブル」=「持続可能であること」の基準をクリアし認証を受けています。
つまり、ほとんどのNZワインはサステイナブルな環境下で生まれたワインだと言えます。
元からある自然が、人間の営みによって壊れることをなるべく少なくしたい。ワインづくりも、自然に最大限に配慮をしながら行うべきである。
そんなNZでつくられたワインは、世界中の環境問題を意識する人たちからも選ばれています。
白ワイン選びのコツ、さらに詳しく(おさらい)
「お手軽価格のおすすめ白ワイン【2本】」の中で簡単にお話をした、白ワインの選び方ですが、「もっと詳しく知りたい!」という方のために、ここでは復習も兼ねて詳しくお伝えします。
1つずつ、説明していきますね。
1)代表品種「ソーヴィニヨン・ブラン」を飲もう!
先述したとおり、NZワインの70%以上は「ソーヴィニヨン・ブラン種」のぶどうから作られています。だったら、まずその大本命のワインを味わいましょう。「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」の三拍子が揃った、NZにしかない素晴らしい味わいを感じることができるはずです。
NZワインを見つけたら、ラベルをしっかり見てみましょう。ほとんどすべてのNZワインは、表ラベルに「ワイン名」のほかに「ぶどうの品種」が表記されています。
「SAUVIGNON BLANC」の文字があれば、それは「ソーヴィニヨン・ブラン」。三拍子がそろう期待がぐんと高まります!
ソーヴィニヨン・ブラン。長いし言いにくいし、忘れてしまうかもしれないです・・・。
覚えづらいときは、頭文字のSとBだけ覚えましょう。実際に、ワイン用語でもSAUVIGNON BLANCを「SB」と略すこともあるんですよ。
なるほど。じゃあ私は「SB」って覚えます!(笑)
2)産地は「マールボロ」と書いてあるものを選ぼう!
「SAUVIGNON BLANC」の文字が見つかったら、次にチェックすべきは「NZ国内のどの産地で作られているか」です。
ずばり「MARLBOROUGH(マールボロ)」と書いてあれば、それはナイスな1本である可能性が高いです。
なぜなら、国を代表する味わい「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」である「ソーヴィニヨン・ブラン種」は、ほとんどが「マールボロ地方」から生産されるからです。
マールボロ地方は、NZ国内のワインの75%以上を生産する巨大ワイン産地です。他にも品質の高いワインを生産する地方がいくつもありますが、まず押さえるべきは、このマールボロ産。
日照量が豊富で、昼夜の寒暖差があり、風が強く吹く。そんなマールボロにしかない気候条件によって、「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」が揃った白ワインが生み出されます。
さあ、「マールボロ」「ソーヴィニヨン・ブラン」、この2つのキーワードで、三拍子のそろった味わいにぐんと近づきましたよ!
さあ、「マールボロ」「ソーヴィニヨン・ブラン」、この2つのキーワードで、三拍子のそろった味わいにぐんと近づきましたよ!
3)なるべく新しいワインを買おう!
もうひとつ、忘れがちですが、ラベルには大事な情報があります。それは、「ヴィンテージ」と呼ばれる数字です。
たとえば、「MARLBOROUGH SAUVIGNON BLANC 2019」と書いてあったら、その「2019」が「ヴィンテージ」です。このヴィンテージとは「古くて良い」という意味ではなく「ぶどうが収穫された年」のことを指します。
白ワイン、特にマールボロのソーヴィニヨン・ブランのような、フレッシュさが命のワインは、なるべく収穫から時間が経っていないもの、できればその売り場にある最新のものがおすすめです。
あくまで傾向としてですが、時間の経過とともに本来持っていたフレッシュさが失われていきます。
【岩須の補足】
ただ、その年の天候によってぶどうの出来が変わります。当然、ぶどうを原料とするワインの味わいにも大きな影響を及ぼします。その点では、最近のものがベストと言い切れない部分もあります。
しかし、マールボロは、現代的なワインづくりのシステムを持ったワイナリーがほとんどで、各ワイナリーは毎年のブレを最小限に抑える技術を持っていますし、それほど天候に恵まれなかった年であっても、フレッシュさを備えたワインをつくることができると考えます。
ですので、どのワイナリーでも「最新ヴィンテージのワインがもっともフレッシュさが感じられる」ということは、ある程度言えるのではないかと思っています。
4)2,000円(税込)以上のものがおすすめ
こちらは、「お手軽価格のおすすめ白ワイン【2本】」の中で詳しく説明させていただいた通りです。まずは税込み2,000円という価格を目安にして、ワインを選んでみて下さい。
最後にポイントを再度まとめてみました。
NZワイン初心者が飲むべきワインのチェックポイント
- 「SAUVIGNON BLANC(ソーヴィニヨン・ブラン)」の表記がある
- 「MARLBOROUGH(マールボロ)」の表記がある
- なるべく最近のヴィンテージ(収穫年の年号)が書いてあるもの
- できれば2,000円(税込)以上のもの
さあ、「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」を兼ね備えた「大自然の白ワイン」にたどり着く準備はできました。
このチェックポイントをメモして、ワインショップ、デパート、スーパー、あるいはネットショップから選んでみてください。きっとハッと驚く美味しさの1本に出会うことができることでしょう!
SB、マールボロ、新しい、2,000円以上ですね。しっかりメモしました!
まとめ&岩須の雑感
本記事では、まだNZワインの魅力に触れたことのない方にむけて、NZワインの特徴や、おすすめの銘柄、販売サイトなどを紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
書き始めた当初は、誰もがさくっと読めるよう、簡潔にまとめようと思ったのですが、いざ書き出してみると、かなりのボリュームになってしまいました。全部ではなくても、興味のある部分だけでも読んでいただけたら幸いです。
この記事をまとめるにあたって、NZワインについて改めて調べ直しましたが、改めて思ったのは、まだまだ日本にはNZワインについての情報は少ないし、取り扱い店はかなり少ないということ。
ただ、実際に僕の飲食店「ボクモ」ではNZワインはとても人気があり、酒販店「ボクモワイン」では、おかげさまでリピート率はかなり高いです。きっと、日本人の口に合うワインがとても多いのだと思います。
現在、ワインの輸入本数の国別ランキングでは、NZは11位。でも近い将来TOP10に入り、さらに上位へと食い込む可能性もあるのではないかと思います。いずれ「一部の人しか知らないワイン」から、「ワイン好きなら誰もが知っている存在」へ。そうなるよう、これからもこのサイトではNZワインの情報を発信し続けていきたいと思います。