秋が深まってくる頃から、メディアや町中でもよく見かけるようになる「お歳暮」の文字。
それを見て「今年はお世話になった人に何を贈ろうかな」と考えたり、準備をしはじめるという人も多いかもしれません。
ここ数年は、大人数で集まるような機会が以前よりも減っています。皆さんの中にも、しばらく会えていない親戚や友人、知人の方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような時こそ、お歳暮のような“改めて感謝の気持ちを伝えるギフト”を贈り、人とのご縁を大切にしていきたいものですよね。
今回の記事では、そんなお歳暮の中でも『ワイン』を贈ろうと考えている方に向け、おすすめのワインやお役立ち情報をお届けします。
ワインが好きな方であれば、ワインの贈り物はきっと喜んでいただけると思います。ただ、ワインをプレゼントするには、ちょっとしたコツが必要だと思います。ぜひ、ポイントをおさえて選ぶようにしましょう。
私の義理の両親も、ワインが好きなので今年はワインのギフトにしてみようかなと思います!
それでは、お歳暮の基本知識のおさらいもしつつ、初心者でも上手にワイン選べる方法をご紹介してまいります。
【この記事の登場人物】
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みかさん
アパレル会社に勤務する35歳。ワインにハマり始めてる今、ワイングラスが気になってしょうがない。
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岩須
このサイトの監修を担当する、ソムリエ。自身が名古屋で営むバーでは、ニュージーランドワインを豊富に取り揃える。
お世話になった人にワインを贈ろう
お世話になった人に一年の感謝の気持ちを込めて贈る「お歳暮」。そんなお歳暮にも、ワインはぴったりです。
お歳暮は年末年始よりも少し前の時期に贈ります。そして、お歳暮の時期が過ぎると、今度は「クリスマス」や「お正月」など華やかなイベントが続きます。特別な日やお祝いの席では、普段よりも奮発してちょっと豪華な食事やお酒を楽しみたいもの。そんなハレの日に、ワインがあるとお祝いムードも高まります。
ワインは本来お食事と合わせて楽しむお酒なので、年末年始の豪華な食事に合わせていただくと、その美味しさは何倍にも増すと思います!
さらに、長期保存できるものが多いことも、ワインの嬉しいポイント。ワインセラーなど、温度管理ができる設備をお持ちの方であればご自宅でワインを熟成し、飲み頃を見定めて開けるという楽しみ方もあります。
しかし、ワインは好き嫌いがはっきりとわかれるお酒であるというのも事実です。相手の方がワインが好きかどうかを確かめてから贈るようにして下さいね。
お歳暮の基本知識
続いては、お歳暮の基本知識についてです。
お歳暮とは?
お歳暮とは、いつもお世話になっている方に「今年一年の感謝と、また来年もよろしくお願いします。」という気持ちを込めて、毎年年末に贈るものです。
お歳暮の起源は、室町時代にお正月に先祖の霊をお迎えする「御霊祭」でのお供えものを、分家から生家、嫁ぎ先から実家に届けるようになったことであると言われています。
江戸時代になると、武士が年末に組頭に贈り物をすることや、商人が挨拶まわりの際に品物を贈ることが習慣となり、明治以降には、家族や親戚以外にもお世話になった方に品物を贈る「お歳暮」が定着しました。
お歳暮を贈る時期
一般的に、お歳暮を贈る時期は12月上旬~12月25日頃までとされています。しかし、地域によって、微妙に異なるので注意が必要です。相手の方が暮らすエリアの風習に合わせるようにしましょう。
大まかには東日本、西日本の地域では下記の時期にお渡しできれば問題ありません。
エリア | 贈る時期 |
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東日本 | 12月上旬〜12月20日頃 (11月末に贈る人も増えている) |
西日本 | 12月13日〜20日頃 |
西日本では、お正月の準備をはじめる「正月事始め」の12月13日から、20日までの間とされており、東日本よりも期間が短くなっています。
喜ばれるお歳暮用のワインの選び方やポイント
ワインは、赤、白、ロゼ、スパークリングなど種類も様々なので、どういうものを贈れば良いか悩む人も多いのではないでしょうか?
「迷ったらコレ!という、定番のワインギフトってありますか?」
ワインのプレゼントには、定番の2パターンがあります。まずはこちら〜
シャンパーニュ(Champagne)
贈り物の大定番ワインと言えば、シャンパーニュ(シャンパン)です。ワインがそこそこ好きという方から、ワイン愛好家まで幅広い層の方に喜ばれるでしょう。
シャンパーニュとは、フランスのシャンパーニュ地方でつくられる、スパークリングワインのこと。伝統的な瓶内二次発酵という製法によって生まれるきめ細かな美しい泡立ちは、口当たりがよく、上品で華やかな香りと味わいが特徴です。お食事とも合わせやすいので、お祝いの席などにもぴったりです。
確かに、お祝いなどの特別な日に飲むイメージが強いですよね。
ベタとは言わせません!(笑)贈って安心、貰って嬉しい。それがシャンパーニュなんですよ。
どのワインを贈るのか迷ったときには、シャンパーニュを選ぶのがいちばんの安全策だと思います!
紅白(赤ワイン・白ワイン)セット
日本古来の縁起が良い色の組み合わせとして広く認知されている「紅白」。
ワインであれば「赤ワインと白ワイン」に置き換えることができ、「紅白2本セット」はお祝い事などに大変適したプレゼントです。
紅白セットのワインは、多くのワインショップが用意していると思いますよ。
選ぶ時のポイントは?
ワインを自分で選ぶ自信がないという方は、ショップが用意しているワインギフトの中から選ぶようにすると、大きく外すことはないでしょう。ただ、もっと相手の方の満足度をアップさせたい場合は、好みを事前にリサーチすることをおすすめします。
会話の中からヒントを探してみると良いですね。
さりげなく、「普段どんなワインを飲んでいるんですか?」とか「スパークリングワインと赤ワインと白ワイン、どれが好きですか?」などと聞いてみるといいかもしれませんね。
たしかに、自分がもらう方の立場だったら、そんなに考えてくれたんだ〜!って嬉しくなりますよね。
金額の目安は?
ワインをお歳暮として贈る際の金額の目安は、特にありませんが、やはり贈るからにはできるだけ美味しいものをプレゼントしたいですよね。
ここでは、あくまで岩須の個人的な見解として、金額の目安をお伝えします。
美味しいワインの定義は人それぞれですが、一本3,000円以上の価格帯になるとワイン好きが満足するような、とても美味しいワインが多くなると思います。
なるほど〜。ワインって値段がピンきりなので、ある程度目安のようなものがあると選びやすいです。
これは普段、自分用にワインを探す時にも一つの基準になりそうですね。
おすすめのニュージーランドワインのお歳暮ギフト
それでは、いよいよ僕の大好きなNZワインの中で、お歳暮にもおすすめのワインをご紹介します。」
クラウディ ベイ(Cloudy Bay)
「クラウディベイ」は、マールボロ地方でいち早く本格的なワインづくりを開始したワイナリーであり、NZワインの名を世界に知らしめた存在でもあります。
それは、1985年にリリースをしたソーヴィニヨン・ブランがイギリスで高い評価を受けたことがきっかけでした。その素晴らしい凝縮感とピュアな果実味は「世界が白に目覚めた一本」と称されています。
ちなみに、クラウディ ベイは、モエ・エ・シャンドンやヴーヴ・クリコと同じく、「LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」傘下のブランドとなっています。そして現在も、高い品質を維持しながら世界のワインファンに親しまれています。
クラウディ ベイ ソーヴィニヨン・ブラン2022
※2022ヴィンテージは、ワインボトルのデザインが異なります。詳しくは商品ページでご確認ください。ワイナリー名 | クラウディ ベイ(Cloudy Bay) |
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ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | マールボロ |
ヴィンテージ | 2022 |
希望小売価格 | 4,455円(税込) |
クラウディ ベイのソーヴィニヨン・ブランは、グレープフルーツなどの柑橘類に、パイナップルのような南国系のフルーツと、ハーブや青草の香りが融合した、NZのソーヴィニヨン・ブランのお手本とも言えるスタイルです。
近年のヴィンテージでは、その香りの中でもフルーツ感をやや抑えめにし、食事に寄り添うスタイルに進化させています。
年末年始の豪華なお食事と合わせていただくと、食卓がより一層華やかになることでしょう。
NZワインを代表する味わいのこの一本。知名度も高いので、ギフトとしても人気があるんですよ。爽やかな白ワインが好きな方に、喜んでいただけると思います。
アタランギ(Ata Rangi)
「アタランギ」は、マーティンボロのピノ・ノワールを世界に広めたパイオニア的な存在のワイナリーで、自然に優しいサステイナブルなワインづくりに力を入れています。
アタランギは、マオリ語で「新しいはじまり」という意味。なにか新しいことを始める時や、新年のお祝いの席にもぴったりです。
アタランギ クリムゾン ピノ・ノワール 2019
ワイナリー名 | アタランギ(Ata Rangi) |
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ぶどう品種 | ピノ・ノワール |
産地 | マールボロ |
ヴィンテージ | 2019 |
希望小売価格 | 4,620円(税込) |
アタランギのピノ・ノワールは「ニュージーランドのロマネ・コンティ」と呼ばれるほど、世界でも高く評価されています。
その中でも入門的位置づけのピノが、このクリムゾンというワインです。入門とは言え、その香りと味わいのエレガントさは目を見張ります。
ラズベリー、さくらんぼ、クローブ、シナモンの混ざり合ったような香りは、とても魅力的で、ほどよい酸味を伴っていて、余韻はやや長いです。ヨーロッパ風の洗練された味わいを感じられるピノ・ノワールです。
ワイン好きが一目を置く品種、それがピノ・ノワールです。このワインはとてもエレガントなので、お祝いの席にぴったりな一本ですね。
熨斗(のし)・挨拶状など
続いては、お歳暮でワインを贈る際の包装について簡単にお話をします。
まずは、熨斗(のし)についてです。水引きは末永くお付き合いが続くようにと縁起のよい「紅白の蝶結び」のものにします。自分や相手方が喪中の場合でも、お歳暮を贈ることは構いませんが、熨斗は白色で無地のかけ紙や短冊にして下さい。
熨斗を内のしにするか、外のしにするかということに特に決まりはありません。しかし発送する場合は、破損の恐れがあるため、内のしの方が良いでしょう。また、控えめに贈りたい場合にも、内のしが適しています。
反対に、直接会って手渡しをする場合や、しっかりとお歳暮であることを伝えたい場合は外のしがおすすめです。
また、発送する場合は、挨拶状を添えるとなお良いでしょう。
そして、購入したお店では、必ずギフトラッピングをお願いしましょう。
ワインを渡す時、発送する時の注意点
ワインはデリケートなお酒なので、過度な振動を加えたり、急激な温度変化をあたえると、品質に支障をきたすことがあります。
特に、シャンパーニュをはじめとするスパークリングワインを贈るときは注意が必要です。すぐに抜栓すると吹きこぼれる可能性があるので、できれば数時間以上、冷蔵庫で保存してから抜栓するようにしてください。
大事なことなので、これは先方に伝えておいたほうが良いかもしれません。
またワインは、冷えすぎても品質が劣化する恐れがあります。お歳暮で寒冷地にワインを贈る場合は、気をつけたいところですね。
北海道や東北地方など、運ぶときの温度が零下になりそうな地域にワインを送る場合は、「冷蔵」を指定すれば、ワインが凍ってしまうことを防ぐことができますよ。
まとめ
お歳暮は、古くから続く日本の文化です。最近ではお歳暮を贈り合うことは、昔と比べ少なくなってきていますが、やはり「今年一年の感謝の気持ちを伝える」という大切な役割があります。
今回の記事では、そんなお歳暮ギフトの中でも、特にワインが好きな人に贈る際のポイントをまとめました。ぜひ、今年のお歳暮では美味しいワインを選んで、ワイン好きなあの人を喜ばせてみてくださいね!