ソーゾー・ニュージー#2

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勝手気ままなソーゾーの旅。

2,3日は滞在したいのが、「ホークス・ベイ」

ソフトバンク・ホークスの「鷹」ね、覚えやすい名前だね、と思っていた。

たぶん、湾があって、切り立った崖があって、崖の上に森があって、そこには鷹が住んでいる。

だから、鷹が悠々と空を飛んでいる湾、それがホークス・ベイ、と勝手にソーゾーしていた。

けど、ちょっと調べたら、ぜんぜん違った。

イギリス海軍の英雄だったエドワード・ホークっていう男爵からつけられた名前なんだって。

なんだよ、その情緒のない感じ。

鷹が飛んでる湾の方が、さすが大自然の国だなってなるじゃん。

という、どうでもいい勘違いは置いておいて、ホークス・ベイは、ニュージーランドの重要ワイン産地のひとつなので、気合いを入れてソーゾーの旅をする必要がある。

まずは、ぜったいに行きたい場所。

それは「ギムレット・グラヴェルズ」

これはソムリエ協会の教本にも出てくる、ニュージーランドワインを語る上で外せない場所だ。

ここは、昔は「川底」だったところで、地震によって、川の流れが変わり、地表に出てきたという土地。

長い間、どんな作物を植えてもぜんぜん育たない、痩せすぎた砂利(グラヴェル)ばかりの土地と思われていたが、1980年代に、ここにぶどうを植えてみようというチャレンジャーが現れ、見事にそれが大成功したのだと言う。

素晴らしきかなチャレンジ精神。

今では、「ギムレット・グラヴェルズ」とラベルに書かれたワインは、濃厚で高品質な赤ワインのしるしにもなっている。

ぜひともグラヴェルを触ってみたい。どんなぶどうが植えてあるのか見てみたい。

広さはどれくらいあるのかというと・・・800ヘクタール。

我らが地元のバンテリンドームで換算すると171個ぶん!なかなか広いぞ。

となりにブリッジ・パという区画もあるから、そこも見たいし、あとはギムレット・グラヴェルズに拠点を構えるワイナリーも廻りたい。

候補は、ボクモワインで扱わせてもらっている「ヴィラマリア」と「トリニティ・ヒル」。このふたつはセラードア(試飲直売所)があって、歩けるくらいの距離感。

それに加え、できれば、まだ日本に販路を持っていないワイナリーも行ってみたい。日本への輸出とかどう?みたいな話ができたらいいな。

ただ、このギムレット・グラヴェルズは、ネーピア市内から25キロくらい離れている。いくつかワイナリーも廻るとしたら、やっぱりレンタカーを借りなければいけないな。

でも、車だとワイナリー見学をしたときに、試飲が出来ない。

そうなのだ。

ワイナリーをまわるときに、この「車しか移動手段がないのに、自分ひとりだと飲めない問題」は、必ずついて回る。

毎回、これが困っちゃうんだよなあ。

あ!そうだ。

従兄弟にお願いするっていう手がある。

南島のクライストチャーチに住んでいる従兄弟に、北島のホークス・ベイまで国内線でひとっ飛びで来てもらって、運転してもらえばいいんだ。

1日目は従兄弟、2日目は私、みたいに交代制にすれば従兄弟も飲めるしな。

・・・だいぶ勝手な計画。でも、いいのだ、ソーゾーだから。

よし、運転問題はクリアしたとして、もうひとつ、このホークス・ベイで必ず行きたいところへ足を伸ばそう。

それは、大沢ワインズ。ギムレット・グラヴェルズから、さらに15キロくらい先に行ったところにあるワイナリーだ。

その名のとおり日本の大沢さんがつくったワイナリーで、愛知出身の友人がここで働いているのだ。

日本では何度も会っているが、現地で会うって、またぜんぜん違う感じだろう。

その日の夜は、友人と従兄弟といっしょに、ホークス・ベイのワインと、海の幸で乾杯。ソーゾーするだけで、もうだいぶ楽しい。

旅する前に、すでに楽しい気分になれる。ソーゾー、いいぞー。

 

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この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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