1 低山登り
ふとしたカウンターでの会話がきっかけだった。「可児の山なら気軽に行けるよ」と勧められ、思い切って登山靴を購入。試しに行ってみたら、どうやら僕にはこの遊びが向いているらしいことがわかった。
2万円で買った靴も、すでに10回使った。1回2000円と考えると、案外安いもの。このペースで来年も通えば、どんどん減価償却が進む。よし。
いつもだいたい仕事のことを考えているけれど、山は頭を仕事から引き離してくれる。脳がいったんクリーンになる。その頭で仕事に戻ると、案外はかどる。今や、山は仕事を前進させるブースターとも言える。
2 生産者がやってきた
今年はニュージーランドから三人の生産者をボクモに迎えた。
キムラセラーズの木村滋久さん、ペガサス・ベイのエドワード・ドナルドソンさん、そしてトリニティ・ヒルのウォーレン・ギブソンさん。
それぞれが素晴らしいワインとともに、この小さな空間でお客さまと直接交流してくれた。インタラクティブなコミュニケーションが生まれると、ワインは単なる飲み物以上の存在になるんだと再認識。参加者にとって、そのワインは自分が積極的に参加した会の印となる。特別な「飲む記念品」となるわけだ。
3 ラムバーグ
去年に引き続き、ボクモでラムバーグがヒット。今年は「チーズ&アップル」という新たなバージョンを投入したところ、これがまた予想を超える反響だった。ラムバーグが出ると赤ワインも一緒に売れる。これぞ、食べ物と飲み物の相乗効果。
それにしてもラムバーグは、突如加入してクリーンナップで打ちまくっている細川成也(中日)のような頼もしさがある。この一皿が、お店をさらに強くしてくれる。来年も、ヒット量産よろしく頼むよ。ボクモ、上昇気龍に乗りたい。
4 大使館潜入
人生初のニュージーランド大使館訪問は、まるで映画のワンシーンのような体験だった。雨に濡れた美しい庭園。洗練された調度品。集うおハイソな(と思われる)方々。超絶に美味しいフィンガーフード。
いや、僕はシチュエーションにうっとりするために行ったではない。ワインの情報収集のためだ。
現地の生産者たちと話をする中で感じとったのは、彼らの情熱だ。"ニュージーランドワインをもっと日本で広めたい"という想いは、僕たちとビタッと重なる。同じ目標を共有できる仲間はやはりちゃんといる。きっと彼らとも力を合わせるときが来るだろう。そう思って、非日常空間をあとにした。
5 15周年パーティー
秋のパーティーでは、ミュージシャンとの再会が嬉しかった。またここが音を響かせる場になれてよかった。
それにしても、シェフの力よ。料理だけじゃなくて、曲も作れて、楽器が弾けて、あっちからもこっちからもみんなの心にアプローチできるシェフは他にいまい。素晴らしかった。
3日間、音楽と料理とワインでお客さんを挟み込んだ。各要素がお互いを引き立てあうことで、広がりがうまれる。そんなことを目指した。後日、参加した方から「あのパーティー、楽しかったよ」と言っていただけて、ああ、挟んでよかったと思った。
え?僕とシェフの漫才はって?まあ、あれはご愛敬ってことで。
6 通販と飲食
飲食店ボクモに来たお客さまが「へえ、通販もあるんだ」と知り、ワインを買ってくださることが増えた。そして、通販店ボクモワインのお客さまがわざわざ北海道、関東、関西、四国、九州と、遠方からボクモに足を運んでくださることもしばしば。
飲食店と通販店、この二つの相乗効果が目に見えて表れてきたのが今年だ。オンラインがつなぐ縁。人と人が交わる場の力。両方をしっかりと感じた年だった。
前からオンラインでお世話になってる方に初めて会うときの、初めましてじゃない感じ、あれって「こそばゆ嬉しい」のよね。
と、今年をざっと振り返ってみると、ひとつの漢字が浮かんでくる。
そう、どの出来事にも貫かれているある漢字。その一文字とは…
「「相乗効果」に、しんにょう」
、、、、すみません、M-1の令和ロマンのネタを思わず拝借。かっこいい漫才への憧れが漏れました。
ちょっと真面目に戻すと、振り返ったエピソードはほとんどが相乗効果にまつわるものだった、と気付いた。1+1=2以上。ものによっては5、いや10。今年はそういう、合わさってぐんと膨らむ感じが嬉しかった年だったらしい。
相乗効果の成功は、ワインにおけるブレンドに似ているかもしれない。上手に混ぜ合わせたワインって、単体の何倍も美味しくなったりするもんな。
来年もそうありたい。ブレンドの美味しさがたくさん感じられる年がいい。