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2024 振り返り

2024 振り返り

1 低山登り

ふとしたカウンターでの会話がきっかけだった。「可児の山なら気軽に行けるよ」と勧められ、思い切って登山靴を購入。試しに行ってみたら、どうやら僕にはこの遊びが向いているらしいことがわかった。

2万円で買った靴も、すでに10回使った。1回2000円と考えると、案外安いもの。このペースで来年も通えば、どんどん減価償却が進む。よし。

いつもだいたい仕事のことを考えているけれど、山は頭を仕事から引き離してくれる。脳がいったんクリーンになる。その頭で仕事に戻ると、案外はかどる。今や、山は仕事を前進させるブースターとも言える。

2 生産者がやってきた

今年はニュージーランドから三人の生産者をボクモに迎えた。

キムラセラーズの木村滋久さん、ペガサス・ベイのエドワード・ドナルドソンさん、そしてトリニティ・ヒルのウォーレン・ギブソンさん。

それぞれが素晴らしいワインとともに、この小さな空間でお客さまと直接交流してくれた。インタラクティブなコミュニケーションが生まれると、ワインは単なる飲み物以上の存在になるんだと再認識。参加者にとって、そのワインは自分が積極的に参加した会の印となる。特別な「飲む記念品」となるわけだ。

3 ラムバーグ

去年に引き続き、ボクモでラムバーグがヒット。今年は「チーズ&アップル」という新たなバージョンを投入したところ、これがまた予想を超える反響だった。ラムバーグが出ると赤ワインも一緒に売れる。これぞ、食べ物と飲み物の相乗効果。

それにしてもラムバーグは、突如加入してクリーンナップで打ちまくっている細川成也(中日)のような頼もしさがある。この一皿が、お店をさらに強くしてくれる。来年も、ヒット量産よろしく頼むよ。ボクモ、上昇気龍に乗りたい。

4 大使館潜入

人生初のニュージーランド大使館訪問は、まるで映画のワンシーンのような体験だった。雨に濡れた美しい庭園。洗練された調度品。集うおハイソな(と思われる)方々。超絶に美味しいフィンガーフード。

いや、僕はシチュエーションにうっとりするために行ったではない。ワインの情報収集のためだ。

現地の生産者たちと話をする中で感じとったのは、彼らの情熱だ。"ニュージーランドワインをもっと日本で広めたい"という想いは、僕たちとビタッと重なる。同じ目標を共有できる仲間はやはりちゃんといる。きっと彼らとも力を合わせるときが来るだろう。そう思って、非日常空間をあとにした。

5 15周年パーティー

秋のパーティーでは、ミュージシャンとの再会が嬉しかった。またここが音を響かせる場になれてよかった。

それにしても、シェフの力よ。料理だけじゃなくて、曲も作れて、楽器が弾けて、あっちからもこっちからもみんなの心にアプローチできるシェフは他にいまい。素晴らしかった。

3日間、音楽と料理とワインでお客さんを挟み込んだ。各要素がお互いを引き立てあうことで、広がりがうまれる。そんなことを目指した。後日、参加した方から「あのパーティー、楽しかったよ」と言っていただけて、ああ、挟んでよかったと思った。

え?僕とシェフの漫才はって?まあ、あれはご愛敬ってことで。

6 通販と飲食

飲食店ボクモに来たお客さまが「へえ、通販もあるんだ」と知り、ワインを買ってくださることが増えた。そして、通販店ボクモワインのお客さまがわざわざ北海道、関東、関西、四国、九州と、遠方からボクモに足を運んでくださることもしばしば。

飲食店と通販店、この二つの相乗効果が目に見えて表れてきたのが今年だ。オンラインがつなぐ縁。人と人が交わる場の力。両方をしっかりと感じた年だった。

前からオンラインでお世話になってる方に初めて会うときの、初めましてじゃない感じ、あれって「こそばゆ嬉しい」のよね。

 

と、今年をざっと振り返ってみると、ひとつの漢字が浮かんでくる。

そう、どの出来事にも貫かれているある漢字。その一文字とは…

「「相乗効果」に、しんにょう」

、、、、すみません、M-1の令和ロマンのネタを思わず拝借。かっこいい漫才への憧れが漏れました。

ちょっと真面目に戻すと、振り返ったエピソードはほとんどが相乗効果にまつわるものだった、と気付いた。1+1=2以上。ものによっては5、いや10。今年はそういう、合わさってぐんと膨らむ感じが嬉しかった年だったらしい。

相乗効果の成功は、ワインにおけるブレンドに似ているかもしれない。上手に混ぜ合わせたワインって、単体の何倍も美味しくなったりするもんな。

来年もそうありたい。ブレンドの美味しさがたくさん感じられる年がいい。

そのためには、ブレンドしようとするこちら側の準備が必要ね。そして、ブレンド相手へのリスペクトも必要。それが揃ったら、混ざった味はきっと幸せな味になる。

2024 クリスマス & 歳末セール

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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