尺度はさまざま

真田広之が日本人初のゴールデングローブ賞受賞。すごすぎる。高校教師から30年か。ふと、桜井幸子は今どこで何をしていて、このニュースをどんなふうに受け止めてるんだろうな、なんて思ったりして。

さて、ゴールデングローブ賞は、我々も知ってるくらいの有名な映像作品の賞。もうひとつ格上にアカデミー賞があることも広く知られている。

これらの賞には明確な権威がある。人気と実力を裏打ちする象徴的な存在がこういった華やかな賞とも言える。

しかし、ワインの世界となると話は少し複雑だ。

地球上には無数のワインが存在するが(最近こればかり言っている気がする)、それを評価する団体や媒体だって数えきれないほどあるのだ。評価媒体も群雄割拠の状態なのだ。

よって、ワイナリーたちはあちらこちらの団体にワインを出品し、高評価を得るたびにその結果を自らの宣伝材料にしている。

そして私たち人間は、どうしても賞を取ったものに弱い。特に馴染みの薄い業界のものに対してはとても弱い。なんなのでしょうな、あの「プロのお墨付き」の神通力は。

某通販サイトでは「金賞受賞セット」という名の商品が爆発的に売れているらしい。もっとも、その金賞がどこのどんな団体の賞なのかを気にする人などあまりいないようで、大事なのは、金賞という印だけ。それでいいのか、ワイン業界!なんて思ったりもするけれど。

ただ、一方で、世界的にプロから信頼されている評価媒体というものは存在する。

たとえば、アメリカでは『ワイン・アドヴォケイト』や『ワイン・スペクテーター』。イギリスでは『デキャンタ』や『インターナショナル・ワイン・チャレンジ』。イタリアでは『ガンベロ・ロッソ』、ニュージーランドでは『ザ・リアル・レビュー』といった具合に。

これらの媒体は、我々にとっては一種の羅針盤のようなものだ。評価が高ければ必ず美味しい、と言うわけではないが、プロ受けする要素があるんだろうという予想は立つ。

ところで、上に挙げたうちのひとつ「ワイン・スペクテーター」は、去年、あるニュージーランドワインにもの凄く高い評価をつけた。それは、「クラギー・レンジ ソーヴィニヨン・ブラン テ・ムナ マーティンボロ 2023 」。

「2024年の年間トップ100」で第11位にこのワインを選び、ソーヴィニヨン・ブランだけで見ると、このワインを「世界No.1」に選んだのだ。

ええ!?どんなワインなの?

と気になる方は、ボクモワインより絶賛発売中の「2025年福袋」をチェックしてください。実は、全福袋にこのワインを入れてお届けしている。おかげさまで売れている(手前味噌)。評価がすごいだけじゃなく、僕もこれは素直に美味しいと思ってます。

ところで、年末にわたくし岩須の独断と偏見による「今年のベストワイン」という文を書いた。これまた手前味噌ながら、あそこに紹介したワインはすぐに売り切れになった。近日中に再入荷する予定なので、よかったらそちらもチェックを。

繰り返すが、ワインには「ここさえチェックしておけばいい」という絶対的な指標がない。だから、数多ある金賞やハイスコアに頼りすぎることなく、「マイ尺度を持つ」ことが、僕は大事なんだろうと思う。

その点で言えば、ボクモワインでワインを購入すると、それぞれのワインの説明が書いてあるワインカードが1本につき1枚ついてきて、裏はメモ欄になっている。これはマイ尺度づくりに便利だ(今日三回目の手前味噌)。

金・銀・銅、あるいは点数などを書いておけば、あとから役に立つ。だって自分がつくった尺度がなにより信頼性が高いでしょう。

今日は、図らずも味噌過多の日となった。この勢いで寿がきやの味噌煮込みうどんをつくって食べようと思う。料理のBGMは、、、そうだな、森田童子で。

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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