コレクション: フォリウム(Folium)
フォリウム・ヴィンヤードは、2010年6月にニュージーランド南島の北東部、マールボロ地方のブランコット・ヴァレーに設立された8ヘクタールのワイナリーです。
日本人の栽培・醸造家である岡田岳樹さんが中心となり、ソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールのワイン生産に取り組んでいます。
マールボロの気候は、上質なソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールの栽培に理想的です。生育期間中の昼夜の温度差が大きいため、ブドウは高い自然の酸味を保ちつつ、芳香と風味成分を蓄積できるのが特徴です。
ワイナリーの土壌は、氷河期の氷河の移動と古代の河川によって形成されました。ブランコット・ヴァレーの粘土質を多く含む土壌は、ブドウの生育を適度に抑える特性があります。この土壌は乾燥した夏でも十分な水分を保持し、ブドウの生育のバランスを保つことができるのです。また、マールボロ地方の他の畑に比べ高い密度で苗木を植えることで、より凝縮した味わい豊かな果実の生産を実現しています。
環境への配慮も重要視しており、2014年に有機農業認定機関「Biogro」の認証を取得。ニュージーランドのクリーンな環境を維持するため、有機農法を実践しているのが特徴です。
岡田氏は「高品質なワインを造る一番の近道は高品質なぶどうを育てることです」と語ります。畑では徹底した収量制限を行い、葉を適切に管理することで日光の当たり具合を調整。秋には完熟した果実を全て手摘みで丁寧に収穫するこだわりを持っています。
フォリウム・ヴィンヤードの哲学は、「ワイン造りは畑から始まる」という信念に基づいています。収穫したぶどうの個性を最大限に生かすため、醸造過程での人為的な介入を必要最小限に抑え、フォリウム・ヴィンヤード独自の土地の特徴を反映したワインを生み出すよう努めています。
この日本人生産者による丁寧なアプローチは、マールボロの土地の特性を活かしながら、独自の品質と個性を持つワインの生産に成功しているのです。