飲食店営業再開のガイドラインを小さなお店用にカスタマイズしてシェア

本日(5/21)より、ボクモは新型コロナウイルスの感染拡大予防に最大限気をつけながら、店内での飲食を再開します。

しばらくのうちは、これまでのテイクアウト営業も継続しながらの営業となります。

再開にあたって、どのような予防手段をとれば良いのか、メディアの情報やネットの情報を見ていろいろ考えました。なるほど、こうすればいいんだ、と思う情報がいくつかありましたが、じゃあそれを店で実行に移すとなると具体的にどうすればいいのか。どこまでやればOKなのか。自分の頭だけでその都度判断しながらやっていくのは、ちょっと自信がないです。きっと迷う場面も出てくるだろうなと。

なので、これは「自分の店のローカルなガイドライン」を作る必要があるぞと思いました。そのガイドラインを見えるところに置いていて、とりあえずはそれに従えばOKにしておけば、割と仕事がしやすいんじゃないかと思ったのです。

参考にしたのは、まず内閣官房のウェブサイト(最近よく見てます。理由はこちら→「50万円の罰金!?」)。

ここでは、業種ごとの感染拡大予防ガイドライン一覧が掲載されています。飲食店は、一般社団法人 日本フードサービス協会が作った「外食業の事業継続のためのガイドラインを見れば良いことになっているので、これを参考にします。ただ、これは色んな業態の飲食店に向けてのガイドラインですので、どのように自分のお店に落とし込めば良いのか、ちょっとした取捨選択が必要です。

それから、愛知県がウェブに掲載している「新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン(事業者向け)の表も見てます。こちらは、業種別に取り組むべき項目に印つけた簡便なものなので、協会のガイドラインよりもざっくりしていますが、他業種と比較して何を取り組むべきかが掴みやすいです。

このふたつのガイドラインをもとにして、その他、自分なりに得た情報から加えた方がいいだろうと思うことも加えて、カスタマイズしてみます。

カスタマイズ条件は、自分の店の条件

  • 18坪
  • 地下一階
  • 38席
  • ワインがメイン
  • カウンターありの飲食店
  • お弁当販売・ワイン販売も並行する

です。

感染対策としてやるべきことは、新型コロナウイルスは厚生労働省のウェブサイトによると、「飛沫感染を防ぐ」「接触感染を防ぐ」このふたつを徹底すればよいとなっています。

なので、スタッフ全員が頭の中を整理しやすいように、「何のためにやるのか」「スタッフがやること/お客さまにお願いすること」を分けて表にしてみます。

ボクモの感染対策

スタッフが行うこと
飛沫感染の対策
  • 基本的にマスクを着用
  • 咳が出るスタッフは勤務しない
  • 店内換気をよくする(出入り口の扉は開けたまま、換気扇は常時ON)
  • 店内レイアウトを間隔をあけたものに変更<図1図2参照>
  • 向かい合わせではなく、横並びに着席するようにご案内する<図2参照>
  • カウンターではお客さまとスタッフが真正面で対面しないようににする<図2参照>
  • 注文を受けるときは、お客様の側面に立ち間隔を保つ
  • BGMの音量を小さめにして大声で話す必要のない環境づくりをする
接触感染の対策
  • 1時間に1度、石けんでの手洗いを実行
  • ドアノブや机、椅子、メニュー、キャッシュトレイなどの手で接触する場所の除菌の励行
  • ドアノブは素手で接触せず、ペーパータオルを活用
  • 手指の殺菌剤がすぐに使えるように配置
  • 取り分け用のトングや箸を共用しないように工夫
  • 取り分け用の小皿を中皿に変更し、一度の取り分けで済むようにする
  • 顔を手で触らないように留意
  • お客さまと接触しないように留意(お会計時はキャッシュトレイを活用)
その他の対策
  • 店にいないときも余分な外出・接触を避け、感染予防に努める
  • 出勤前に検温し、37.5℃以上の場合は出勤を停止する
→すぐに責任者に連絡
  • 感染の疑いがあるときのために厚生労働省電話相談窓口にすぐ連絡できるようにしておく
  • 感染したスタッフ、濃厚接触者と判断されたスタッフの就業は禁止
お客様にお願いすること
飛沫感染の対策
  • 咳やくしゃみを連続でされる方に入店をご遠慮いただく
  • お食事のとき以外はマスク着用をお願いする
  • 間隔をあけた店内レイアウトに従い、横並びで着席していただく
  • 大声での会話をご遠慮いただく
  • 5名様以上の団体さまにはご入店をお断りする場合も
  • 滞在時間を2時間までと制限させていただく
接触感染の対策
  • 手指の殺菌剤を各テーブルに配置し、必要時にご使用いただく
  • お客様同士のお酌やグラスや回し飲みは避けるようにお願いする
その他の対策
  • 飲食のお客さまには、ご来店台帳にお名前とご連絡先をご記入いただく(万が一感染源となったときに保健所に提出するため)<注釈1>
  • 上記台帳の情報管理を徹底、2週間後に完全破棄
  • お弁当テイクアウトのお客さまは、店外の廊下でお待ちいただく

<注釈1>

この「ご来店台帳にお名前とご連絡先をご記入いただく」という項目は、参照にした二つのガイドラインには記載されていませんでした。

ですが、海外の動きを追っかけてると、ニュージーランドや香港などでは飲食の再開時にこれを励行していて、僕はたしかに必要だなと感じました。

韓国のクラブのように第2波のクラスターが発生する可能性はないとは言えないし、万が一、自分の店でクラスターが発生した場合、濃厚接触者の追跡調査ができるようにするのは、来店人数が数えられるくらいの僕らのような小さな飲食店のつとめのような気がします。

いつまでやるかは、また状況を見て判断したいと思います。

<図1>

ビフォーコロナの店内レイアウト

ビフォアーコロナ・レイアウト

<図2>

営業再開後、感染予防レイアウト

  • 収容人数を38席から14席に減らしました
  • 同一グループでの向かい合わせの席をなくしました
  • 別のお客さん同士は背を向けるレイアウトにしました
  • カウンターをL字にしてスタッフがお客さんの真正面に入らないようにしました

アフターコロナ・レイアウト

現在(5/21)のところ、こんなガイドラインをスタッフと共有し、お客さまにお願いをしながら、とりあえず再スタートしてみます。

また、やってみると改善ポイントが出てくると思いますので、その都度、新しくしていきたいと思います。ご意見などもいただけるとありがたいです。

店内メニューやお弁当メニューなどの情報は「ボクモのLINE」でお知らせしていますので、よかったらご登録ください。

ロックモの再開はもうちょっとお待ちくださいませ。

 

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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