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僕とラジオ

 今僕は、飲食店の経営、ワインショップの運営、ラジオ番組のライターの3足の草鞋を履いています。その中でいちばん長いのはラジオで、19歳のときにADのアルバイトをはじめて以来、今年で27年が経ちました。気づけば、まあまあ長いことラジオに関わらせていただいてますが、正直なところ、この3足の中で、いちばん僕の足にフィットしていないなと感じる草鞋が、ラジオです。今でも月に10本書いているのに、です。

これは謙遜でもなんでもなくて、いまだに毎回うまく書けないのです。書けた!と思って、オンエアを聴くと、ああ、もっとこうすれば良かったなあと思うことがほとんどなのです。

そもそも、僕は文章を書くのはぜんぜん得意ではありません。国語の成績が良かったわけでもないし、今でもしょっちゅう「てにをは」を間違えます。ワインショップのウェブサイトで文章を書くことも多いですが、スタッフから「岩須さん、その言葉の使い方は誤用ですよ」と教えてもらうこともしばしば(スタッフ優秀)。ちなみに、このブログも完璧に書けたと思ったことは、悲しいかな、一度もありません。文才・無し男なのです。

じゃあ、なんでラジオの原稿を書く仕事がやれているのか。その理由は…

正直、よくわかりません。

でも、なんか、振り返ったら理由が見つかるのかもな…と思い、ちょっとこの場を借りて、「ラジオと僕の関係性」を振り返ってみます。

あ、時間を持て余している方以外はすっとばして、後半の「高級スパークリングワイン半額セール」だけでも読んでいただけるとありがたいです。

さて、僕にとってのラジオの原体験は、思えば、中学の頃でした。2つ上の兄の部屋から漏れ聞こえてきた「さだまさしのセイ!ヤング」です。これがめちゃくちゃ面白かった。ミュージシャンなのにこんなに話が面白いってすごいなと感動したことを覚えています。

そして、高校3年になると、名古屋にZIP-FMという音楽中心のFM局が開局します。高3の時は受験勉強(とはじめての恋愛)に忙しくてあまり聴いていませんでしたが、大学1年生で車に乗るようになると、洋楽が好きなこともあってZIP-FMばかり聴くようになりました。

ちなみに、僕は言語学に興味があったので、言語学専攻がある文学部に入ったのですが、入ってみてびっくり。休み時間になると、クラスメイトはみんな一斉に読書をしはじめるのです。で、あの小説読んだ?とかの話をしているのです。まじかよ本物の文学好きばっかりじゃん、と驚きました。それまで小説なんてほとんど読んだことのなかった僕は、話についていくために、あわてて生協で村上春樹を買いました。

そして2年生。所属していた放送サークルの先輩から運よくADの仕事を紹介してもらい、うまいことスタッフとして放送局に潜り込むことに。

しかし、入ってびっくりしました。初日にディレクターから「原稿を書け」と言われたのです。そう、ラジオは少人数でつくるので、基本全員が何でも屋さんなんですね。新人だろうが、入った瞬間から原稿書き要員なのです。

でも、読んだ小説は数冊というエセ文学部生に、ちゃんとした文章なんて書けるはずがありません。困ったなあと思いながら、大学の講義室にバレないように原稿用紙を持ち込んで、ああでもない、こうでもない、とうなりながら書きました。授業が終わるころには、机は消しゴムのカスまみれに。なんとか書けたのを「まあ、いいだろう」と言われて、放送に使われたときは、それはそれは嬉しかったです。

そうそう、今思うのは、最初に働いたのがたまたま音楽がメインの放送局だったのがよかったのかもしれない、ということ。トークのパートが少なかったので、原稿量はそれほど多くなかった。政治とか経済とかの難しい話題を書く必要もない。だから、なんとか、付け焼刃の若造のへたくそな文でもギリギリなんとかなったのだと思います。

大学卒業後、僕はそのままラジオの制作スタッフを続け、24歳の時に小林克也さんの番組スタッフになりました。そして、克也さんの名古屋の番組がなくなっても、引き続き、東京の番組のライターとして起用していただいて、現在に至るという感じです。

うーん、ここまで書いてみて、なぜラジオがやれているか、やっぱり理由はよくわかりません。

強いて言えば、たぶん小林克也さんが番組をやるときに、たまたま他に頼みやすい人がいなかったのかもなと思います。名古屋でいっしょに番組をやってあれこれ教えてきた岩須なら指示しやすいと思ったのかな、と。で、使ってみたら、まあ、個性はないけど、ギリ使える感じだし、締め切りは守るから、そのまま継続、となったんじゃないかと推察します。

そう考えると、もしかしたら、小林克也さんにとってライターの岩須は、「立ち寄りやすくて、普通の味の飲食店」みたいなものかもしれません。

すごく美味しいわけじゃないんだけど、職場と家の間にある。空腹を満たすにはちょうどいい。味は普通、みたいな店。

そういう店の存在意義ってありますよね。

僕がよく行くうどん屋さんは、生活の動線の中にあって、仕事ぶりと値段がちょうどいい。ずっと通ってるから、あれこれ細かいオーダーをすることもないし、出てくるもののクオリティもだいたいわかる。感動はないけれど、価値はある。僕にはなくてはならない店です。

そうか、僕のポジションは、立地がいいうどん屋さん、なんだな。あの店のご主人みたいに、まじめにこつこつ続けていれば良いってことかな。

とりあえず今日のところは、そう結論しておきます。よし、このあと、うどん食べに行こう。

あ、ボクモや、ボクモワインは、それじゃダメなのはわかってますよ。

ワインバーやワインショップは、とびっきり美味しいよね!と感動していただけるものを提供してなんぼです。

そのためには、いろんな業者さんと協力して、魅力的なアイテムをどんどん出さなきゃ、と常に思ってまして、それが形になったのがこれ。急に宣伝入ります!(このへんがやっぱり文章へたくそ)

「高級スパークリングワイン半額セール」

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シャンパーニュと同じ製法で作ったNZの泡。2014年のヴィンテージつき。使っているぶどうはシャルドネのみです。キレのある味わいなのですが、熟成由来のふくよかさも感じられます。記念日、お祝いにぜひ使ってやってくださいな。おひとり様1本限りです。

今週のペアリング

ボクモの新メニュー「和牛ホホ肉の赤ワイン煮込み」です。

和牛ホホ肉の赤ワイン煮込み

完全に赤ワインとのマッチング狙いでつくりました。特にボルドーブレンドの赤、それからシラーにはたまらん相性だと思います。

これか

ブラックコテージ ホークス・ベイ メルロー カベルネ 2018

ブラックコテージ ホークス・ベイ メルロー カベルネ 2018

これを

ワイルドソング オーガニック シラー ホークス・ベイ 2018

ワイルドソング オーガニック シラー ホークス・ベイ 2018

あわせたら、たぶん、「ああ、これがとびっきりね」と感じていただけるのでは!

ちなみに、最近、僕がリスナーとして好きなラジオ番組は、TBSラジオの「問わず語りの神田伯山」です。初回からぜんぶ聴いてます。人の悪口をこんなうまくエンターテイメントに昇華させる人は他にいないと思います。

2024 クリスマス & 歳末セール

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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