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ビールの思い出

 

突然ですが、僕は「美味しいもの」「記憶に残る味」ってまったく別だなあと思います。

いくら美味しくても、緊張を強いられる人といっしょに食べる料理の味って覚えてないし、子どもの頃、ばあちゃんがつくる名古屋式のどて煮って、特別美味しいと思ってなかったけど、今、どて煮を外で食べたりすると、ああ、ばあちゃんの方が美味しかったなあと、けっこうリアルにばあちゃんの味を思い出したりします(大人になってあの美味しさがわかったというのもある)。

後から思い出して、あれ美味しかったなあと、なんども味わえるのが本当に美味しいっていうことなのかなあ、なんて。

そんなことを思いながら、今日はビールの話。

今はニュージーランドワインばかりをやっていますが、昔は、世のおじさんたちと同じく、飲みといえばだいたいビールでした。

思い出に残るビールの味は、そうだな、3つくらいあります。

最初は、学生の頃。

「いいビデオが手に入ったから」と、友人から連絡があり、男7人でビデオ鑑賞会をすることに。その後、そのビデオの感想を語りつつ飲もうということになりました。

しかし、僕はその中でひとり「その手のビデオは、みんなで見るものじゃないだろう(どの手かはお察しください)」と、ひとり別の部屋で、はやばやとビールを開け、鑑賞会が終わるのを待っていました。そして、気づけば泥酔。みんなが鑑賞会を終え、部屋に来た頃には、「おそいよ!」と履いていた靴下を友達に投げつけ、その直後、耳からビニール袋をぶらさげました。

あの時初めて飲んだ(そして袋に返却した)バドワイザーの味、しっかり記憶に残っています。

次は、ラジオのディレクターをやっていた頃。

朝の番組を担当していたときは、4時から放送局に入って、ニュースのチェック、原稿書き、タイム計算、そして本番へと、とにかく分刻みのスケジュールでした。

それだけに10時に放送が終わったときの開放感はいつも格別でした。終わったあとは、夕方までに次の日の仕込みをやるのですが、たまに好条件が重なると、昼の1時頃に局を出られるときもあります。

そんなときは、同僚と「行く?行っちゃう?」と、目で合図。ランチの定食が美味しい店へと繰り出し、まわりの目をちょっと気にしながら、瓶のキリンラガーを小さなコップに注ぎ、小さな声で乾杯。心地よい苦みが、昼ビールの背徳感でブーストされ、たまらなく美味しく感じました。

そして、もうひとつは、飲食店をやり出してから。

ボクモは、開店時は他の店と同じように大手メーカーのビールを出していたのですが、途中から、どうしてもクラフトビールがやりたいなと思うようになりました。

それはなぜか。

開店前、ニューヨークでとあるパブに入ったときのこと。その店は、ビアパブとかビール専門店とか特に謳っていないのですが、壁面にはずらーっとタップ(ビールを注ぐ蛇口)が20くらい並んでいて、そのどれもが地元のクラフトビールでした。壮観!3つくらい飲んだのですが、どれも個性的でとても美味しかった。ああ、アメリカではクラフトビールってすっかり定着しているんだ、パブって地元のビールを紹介する機能があるんだと感じました。

そして、ボクモの近所に名古屋初のクラフトビール専門店ができたりして、日本でもいよいよ機が熟してきたのを感じました。よし、やるぞ。どこのビールがいいかなあ、といろいろ探してたどり着いたのが「金しゃちビール」です。

当時は金しゃちの直営レストランが名古屋にあって、そこで全銘柄を試飲しました。中でも衝撃的に美味しいと思ったのが、「プラチナエール」。これだ!出会った!と思いました。こんなに美味しい地元のビール、僕が紹介せねば、と勝手に使命感に目覚めました。

以来、プラチナエールはボクモの定番ビールに。工場の見学もさせていただき(実は実家のすぐ近くでした)、今では工場長の山口さんや杉山さんとも仲良くさせていただいています。ありがたや。

 

こう振り返ると、やっぱり僕にとっての「味」って、「記憶に残るストーリーの一部」なんだなあ、と改めて思います。

今、ボクモは店内改装中で、3/22にリニューアルオープン予定です。新しくなったボクモでの飲食の体験が、またみなさんの良いストーリーの一部になると良いな。そのために、しっかり準備を進めなきゃ。

今週のペアリング

さて、ビールの話の続きで、今月からボクモワインで取り扱いスタートになった、ニュージーランドのクラフトビールを紹介します。

日本にはまだあまり輸入されていませんが、NZも小規模なブルワリーはけっこうあります。

特にネルソンは、クラフトビール通の間ではホップの栽培が盛んな町として知られています。世界中に輸出されていて、日本でもネルソン産のホップを使っている会社があります。

今回は、そんなホップの町でもあるネルソンを拠点にするマカシンズ・ブルワリーの「ストーク」という銘柄の2種類を入荷しました。

ストークとは、ネルソンの中にある地区の名前で、僕はネルソンを訪れたとき、このストーク近くのホテルに泊まり、この辺りを車でうろうろしたのですが、、、ブルワリーは見つけられず。悔やまれます。次回行ったら、見学したいなあ。

今回入荷したストークのNPAとIPAは、ビアテイスターである永井まなさん(僕の友人の奥さま)にテイスティングしていただきました。味わいのコメントとペアリング例を提案してもらいましたので、よかったら参考にしてみてください。

NPA(ネルソン・ペール・エール)

NPA(ネルソン・ペール・エール)

香りは、柔らかいパッションフルーツ。

口に入れた瞬間、炭酸が弾ける舌触りと軽い苦味を感じる。後味に爽やかなマンゴーのほのかな香りがでるが、丸く消える。モルトの香ばしさも軽く感じる。

ペアリング例: サーモンの加熱料理、カルパッチョ、ピザ、揚げ物

 

IPA(インディア・ペール・エール)

IPA(インディア・ペール・エール)

苦味があるが、最近流行りの華やかホップからではなく、昔からのオーソドックスなイングリッシュスタイルのペールエール基盤を苦くした感じ。 ホップの香りはあまりなく、残りすぎない爽やかな苦味。後味は丸い。

ペアリング例: ラム肉のオーブン焼き、カレー、ビーフシチュー(レバーと合わせるとNGな苦味の系統かも)

どちらのビールも醤油とはぶつからない感じで、日本人が大好きな「日本の大手のビールの苦味」に近いので、気軽に飲めると思います。


表現の仕方が僕とは違って、整然としていますね。素晴らしい。見習います!

僕には、このビールは「ビアテイスターのまなさんの表現を見ながら、なるほどなあと感心しつつ、改装中のボクモで試飲した」というストーリーがインプットされました。

ストーク ネルソン・ペール・エール 6本セット

 

ストーク インディア・ペール・エール 6本セット

 

ストーク IPA / NPA 6本セット

 

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この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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