相変わらず、人間にとっては良くないことが起こり続けているこの世の中ですが、ウイルスの野郎にとっては、スペイン風邪以来、100年ぶりに人間を苦しめた「成功の年」になったと言えるかも知れません。
しかし、僕はあの野郎に言ってやりたい。
2021年、たしかに君たちは、2020年に続きこの地球上で大いなる存在感を示したかも知れない。
ただ、まだ生き残っている我々は、君たちの妨害にもめげず、ちゃんと大成功しているんだぞ、と。
なにが大成功か。例えば僕の2021年の例を挙げておこうじゃないか。
- ワインバー「ボクモ」が存続した。
へっへーん。つぶれると思っただろう?どっこい、そう簡単にはいかないぜ。たしかに長い間休業して、メンタルがやられそうになったときもあった。しかし、我々には志を同じくするスタッフがいる。待っているお客さまがいる。協力金や雇調金の申請したり、席減らしたり、アクリル板立てたり、いろいろやったのさ。残念ながら、そちらの筋書き通りにはいかなかったぜ。
- ワインショップ「ボクモワイン」を開業した。
まさかそう来るとは思わなかっただろう。知恵をしぼれば、ウイルスがいても成り立つやり方もあるんだ。まだ目標には届いてないけど、あんたのおかげで、この年で新しいチャレンジができたのは、でっかい収穫だったぜ。ざまあみろ。今年はもっと攻めるからな。
- 人間関係のありがたみを感じた。
ギスギスさせたかっただろうね、君は。でも、そうはいかなかった。「大丈夫?」「頑張ろうね。」「困ったことがあったら言ってね。」
君は、僕の周りにいる人たちのポジティブな面を引きだしたんだよ。僕はだいぶ助けられたよ。おかげで僕も「お互い頑張ろう」ってちゃんと言えたよ。計算外だったろう。残念でした。
- 母親の病気が快方に向かった。
これは君とは関係ないと思うかも知れない。でも違う。君がまん延していると、別の病気を治すのはかなり困難な状況だったんだ。難しい病気だったし、感染に気をつけながら、治療・通院するのはなかなかたいへんだった。
しかし、みんなで知恵と力を出し合って、なんとか良い方に向かうことができたんだ。今じゃ、台所に立ってるし、畑仕事もやってるんだぞ。人間の回復力をなめるなよ。
どうだ、どう見ても大成功だろう。
僕たち、しぶといだろう。
いい加減、君もこのまま強気の姿勢で攻めるのは、得策じゃないって気づいてきたんじゃないか。
そろそろ毒を弱めたくなってきた頃だろう?
それでいい。君たちは、もうじゅうぶん歴史に名を残した。もちろん、亡くなった方、たいへんな目に遭っている方もまだまだ多い。君の強さは認める。
ただ、君たちの成功は、その後も生き抜いていく僕らが、さらに大成功するための、ひとつ試練にすぎないってことは、言っておこう。
もうそろそろ、疲れただろう。ゆっくりと、目立たない方へとお帰りください。
さあみんな。
2022年は、飛躍の年にしましょう。しぶとく、それぞれの大成功をめざしましょうね!
今週のペアリング
ボクモのカルボナーラ。
今から10年ほど前、ラジオディレクター時代の仲間・DJの落合健太郎 氏がボクモに来たとき。
シェフに「メニューにないけど、カルボナーラが食べたいなあ」と言ったら「はい!つくります!」となって、出てきたのがこれ。
それ以来、パスタでは不動のセンターフォワードです。思いがけない大成功。オチケン、ありがとね〜。
あわせるワインは、ちょっとコクが強めのまったり系白ワインがいちばんだと思います。
コスパ重視で選ぶならこれ。
ヴィラマリア プライベートビン シャルドネ 2020
お値打ちなのにしっかり樽の風味が効いています。
もう少し複雑なニュアンスが楽しめるのがこれ。
マヒ マールボロ シャルドネ 2018
僕も大好き、ナチュラルワインのマヒです。樽もしっかり感じます。
赤をあわせるならこちらかな。
大沢ワインズ フライングシープ サンジョヴェーゼ 2013
イタリア風料理とイタリアのぶどう品種のコンボ。
酸味とほどよい渋みがあり、クリームやチーズとの相性はバッチリです。