お正月にぴったりなワイン

 

もう師走。

昔「師走は岩須も忙しい」とか、うまいんだか、うまくないんだかよくわからないイジリ方をされたことを、ふと思い出しました。2021年の師走は、心の底からそうでありたいと願っています。飲食店もワインショップも、忙しく働かせて頂きたいなあ。

とは言ってもね、まあ、この流れからして、2年連続で忘年会の需要がなくなっちゃうのはしょうがない。今年も平日がらーんの12月になっちゃうかも。飲食店経営の激ムズ期はまだしばらく続くでしょうな。

でもね、飲みに出歩く機会は減ったとしても、せめてお正月くらいは、ご自宅やご実家で、ちょっといい感じのワインを飲んでいただきたいと思うわけです。コロナの退散を願う新年に、ワインを添えて頂けるとありがたいなと。

そこで、今日は、そんな「お正月にぴったりあうワイン」について、ちょっと考えてみたいと思います。

このままの調子だと、今年は、去年に比べれば、年末年始に里帰りをする方が多くなるのではないかと思います(もちろん、まだ警戒して会わないという方もいらっしゃると思います。オミクロン株も心配ですね・・・)。

ずいぶん長いこと会っていなかった親子や親戚との食事や、久しぶりの友人との家飲みのシーンもある。そんな想定で、そういうテーブルにどんなワインが似合うか。

それは、ずばり!

「泡、フルーティー系の白、ピノ、甘口」

です。

ぜんぜんズバリじゃない!

でも、ワインってバリエーションが豊かすぎるお酒なので仕方ないんです。4つに絞っただけでも偉い!(自分で言うな)

お正月というのは、価値観の異なる人が集まるイベントです。

親子、親戚など、年代はバラバラ。当然味覚はぜんぜん違う。同年代の友人とて、普段食べてるものはまるっきり違うでしょう。

繰り広げられる会話は、「道中、混んでいた?」「今日は一段と寒いねえ。」「大きくなったなあ。」「コロナはいつ頃収まるかねえ。」と、そこにいる人たちの最大公約数的なテーマがメインとなるでしょう。

よって、選ぶお酒もそう。

「みんながわかる話題」が必要な場所では、「みんながわかるお酒」が必要です。

ここで言う“わかる”というのは、「銘柄を知っている」という意味ではなく、「ひとくち味わって、あ、なんとなく美味しいな」と思えるという意味です。

ワインは、飲み慣れている人にとっては、その多様性・奥深さが楽しいお酒ですが、そうでない人にとっては、わかりづらい、めんどくさいお酒です。

だからこそ、価値観がバラバラの人たちに嫌われない「最大公約数的」なワインがもっともふさわしい。それが、さっき挙げた「泡」と「フルーティー系の白」と「ピノ」と「甘口」なのです。

 

まず、泡=スパークリングワインは、定番中の定番です。お祝い事にはしゅわしゅわのお酒が似合います。あわせられる食事の幅はほぼ無限。特にシャンパーニュやシャンパーニュ製法のものを選べば、まあ、高級感もしっかり演出できます。苦手な人が少ないのもいい。

ただし、持って行ってすぐに開けると、コルクが飛び出て中身が噴き出すこともあります。集まる場所に、あらかじめ送っておいて、前日から冷蔵庫で冷やしておいてもらうのがいいでしょう。(なんと、ボクモワインの通販は送り先の指定ができるんですよ!←当たり前)

続いて、フルーティー系の白ワイン。例えば柑橘系や白桃系など、フルーツの香りが前面に出ているワインは、それほどワインに親しみのない方でも「イイ香り!」と、よい第一印象を与えることができます。

ニュージーランドワインだと、やはりソーヴィニヨン・ブランですね。初心者からワインラバーまで、これまた苦手な人が少ないのがよろしいかなと。

そして、ピノ。これは、渋みの少ない赤ワイン「ピノ・ノワール」のことです。赤ワインを飲み慣れていない人の中には、かなりのパーセンテージで「渋いのが無理」という人がいます。しかし、柔らかい渋みのピノならば、そんな方でもすんなり入れる可能性があります。

特に、お肉料理全般との相性がよいので、お正月にお肉を食べるという方は、ピノをあわせてみると「あら!ワインと料理のペアリングってこういうことかしら!」と良い気づきになる可能性もあるかなと思います。

最後に、甘口。これは僕の実体験からのチョイスです。以前、大正生まれのばあちゃんに新年お祝いで甘口ワインを持って行ったことがあり、そのときばあちゃんは「これなら飲める。美味しい。」と言ってくれました。そう、「甘いものこそ貴重品、高級品」という価値観の世代の方も当然多くいるわけです。

「普段そんなにお酒を飲まないけれど、甘いのならばいける」の層にもちゃんとアジャストできる良い品があるのがワインの良いところです。

もし、甘口が苦手だという人がいたら、ブルーチーズを用意してください。ブルーチーズのあとに甘口ワインを飲んだら、「わー!そういうことね!」と美味しさがわかること間違いなしなので。

解説が長くなり、最大公約数じゃなくて、ただの公約数になった感も否めないですが、どうしても1本、ということであれば、やはり「泡」です。万能に一番近いワイン、それが、泡。

繰り返しになりますが、泡を選ぶなら、持ち運ばず、前日までに送っておくのがよいですよ。(なんと、ボクモワインの通販は送り先の指定が・・・!←しつこい)

そうそう、お正月×ワインで、ひとつ重要な注意点があります。

それは、おせちの定番「数の子」は、決してワインとあわせてはいけない、ということ。泡でも、白でも、赤でも、ロゼでもダメです。数の子を食べたあと、ワインを飲むと、それはそれは、とんでもない生臭さが鼻腔を支配してしまいます。

それはまるで、お正月の集まりで、長く独身でいる人に、親戚のおっさんが「結婚まだ?」と聞くようなもの。空気ぶち壊し。やっちゃだめな行為ですので、覚えておいてください(ま、あえてのチャレンジは、どうぞご自由に)。

というわけで、忙しい師走ですが、ワインの準備をしっかりして、よき新年を迎えましょうね。

岩須、師走っぽくなりたいぞ!

お正月におすすめのワイン

ここから宣伝になりますが、本文の中に出てきた「泡」「フルーティー系の白」「ピノ」「甘口」のワイン、それぞれおすすめのリンクをはっておきます。

【泡(スパークリング)】

大沢ワインズ プレステージコレクション メソッド トラディショナーレ ブリュット NV

大沢ワインズ プレステージコレクション メソッド トラディショナーレ ブリュット NV

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【フルーティー系の白】

インヴィーヴォ X サラ・ジェシカ・パーカー ソーヴィニヨン・ブラン 2020

インヴィーヴォ X サラ・ジェシカ・パーカー ソーヴィニヨン・ブラン 2020

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【ピノ・ノワール】

パリサーエステート ペンカロウ ピノ・ノワール 2018

パリサーエステート ペンカロウ ピノ・ノワール 2018

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【甘口】

グリーンソングス レイトハーベスト リースリング(500ml) 2019

グリーンソングス レイトハーベスト リースリング(500ml) 2019

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この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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