日本人、頑張ってますね。
大谷翔平でしょ、それから久保建英。あとは木村滋久。
いやあ、それぞれ活躍してますよね。それにみんなまだ若い。これからますます期待が高まります。
え?
3番目がわかんない?あれ、おかしいなあ。僕の中では、この3人、ほとんど並列なんだけどなあ。
メジャーリーグ、エンゼルスの大谷に、スペインのサッカーリーグ、マジョルカの久保。
それから、マールボロ、キムラセラーズの木村。
そうです!
ニュージーランドで大活躍している日本人ワインメイカーと言えば、木村滋久さんですよ!奥さん!笑
もちろん、取り組んでいるジャンルとか、メディアでの取り上げられ方とかは、そりゃあ違いはありますが、「志を持ち、海を渡り、奮闘し、現在、国際的な評価を得ている日本人である」という点では同じです。
そうなんです。木村さん、国際的にとても高い評価を得ているのです。
知らない方がいたら、ぜひ、今日知っていただきたいです!
なにが評価されているって、去年リリースされたキムラセラーズの「マールボロ ピノ・ノワール 2019」です。このワインが、「インターナショナル・ワイン・チャレンジ (IWC)2020」で、見事、ゴールドメダルを受賞!!!!
これ、すごいことなんです。
どんな感じかと言いますと・・・(以下、ちょっと専門的なんで読み飛ばしても大丈夫です)
IWCは、1984年から開催されてる世界最大規模の酒類コンペ。ワインのオリンピックとも呼ばれています。開催地はイギリス、ロンドン。ワイン界のトップランナーであるマスター・オブ・ワインをはじめ、各国から集まった酒類業界に精通する審査員が、すべて銘柄を隠すブラインド・テイスティングで審査。100点満点で採点し、95点以上を獲得するとゴールドメダルが贈られます。受賞情報は全世界に発信され、もちろんラベルにもその印をつけることが出来ます。
(ここまで読み飛ばしOK)
このコンペで、見事、ピノ・ノワールで受賞しちゃうんだから凄い。だって、ピノ・ノワールと言えば、押しも押されもしない世界の高級品種です。当然、専門家のジャッジもかなり厳しくなるはずです。が、そこで、堂々のゴールド。素晴らしい。
もう、「世界に誇る素晴らしいワインと認定された」と言えるでしょう。
受賞の一報を聞いたとき、思わず、ガッツポーズしちゃったなあ。
思い起こせば、僕と木村さんの出会いは今から6、7年ほど前。
同じ業界の先輩方に、木村さんを紹介していただき(橋本さん、篠原さん、ありがとうございます!)、それ以来、毎年のように木村さんが帰国されたタイミングでお会いして、現地での苦労話やワインづくりにかける思いを伺ってきました。
お話しするときにいつも思っていたのは、「とても真面目な方だなあ」ということ。もともとホテルマンということもあって、非常に物腰が柔らかい。お話が丁寧。その柔和で丁寧な話し方から、木村さんのNZでの真面目な仕事ぶりを察します。ほんと、誰もが応援したくなっちゃうような、お人柄だと思います。
以来毎年、木村さんの新作が届くたび、僕の飲食店「ボクモ」で、お客さんにお出ししてきたのですが、いよいよ今年は、NZワイン専門店「ボクモワイン」がオープン。
名古屋のお客さまだけじゃなく、全国に木村さんの素晴らしいワインを伝えることが出来るようになったわけです!ああ嬉しい!
例年なら、もうちょっと早く入荷していることが多かったのですが、今年はやはりコロナの影響か、日本への到着がやや遅れていたようです。今か今かと今年のワインの到着を待っておりました。
そして、ようやく!
先週、来ました!!!
それでは、ここからは、その日本上陸ほやほやの、今年の新作の2本(ソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワール)、そして、ちょっと前にリリースされたシャルドネをレビューしてみたいと思います。
まずは、去年、2019ヴィンテージがIWC金賞を受賞して、予想通り、瞬く間に売り切れてしまったピノ・ノワールから。
キムラセラーズ マールボロ ピノ・ノワール 2020
2018まではサラッとしたエレガントな味という印象だったのですが、金賞受賞の2019は、黒いフルーツの凝縮感があって、非常に密度が濃く、複雑な味わいのピノでした。
それを踏まえて、この2020は・・・
いい!非常にいい!2019のような凝縮感が感じられ、なおかつ、丸みのある旨みがあって、とても深い味わいです。
濃さがあるんだけれど、滑らか。ピノの繊細さも失っていない。タンニンはさらさらしていて心地よい。
いやあ、すごいです。見事に美味しいピノです。
鴨肉にあわせてみたら、もう、昇天です・・・
このワインには、非常に厳しい基準で知られるNZのオーガニック認証制度「BioGro」のマークがついています。
キムラセラーズ マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン 2021
これは木村さんの自社畑「ホームブロックヴィンヤード」のマークがついています。最初から最後まで、自分たちの手でつくったワインと言うことですね。
木村さんのSBは、はつらつとした果実の印象と、日本人の持つ繊細さを併せ持った味わい、というイメージがあったのですが、今年の2021はさらに、繊細な味わいになった印象です。
マールボロのSBは、グレープフルーツやパッションフルーツの果実の風味が特徴的ですが、このワインは、どちらかというと「和の柑橘」のイメージが浮かんできます。そう、「かぼす、すだち」という表現がしっくりきます。そして、じんわりとしたほろ苦い余韻がたまりません。
僕はチキンカツに合わせました。ソースをかけるとちょっとワインが負けそうだったので、塩(マールボロのシーソルト)をぱらぱらとかけました。完璧にあいました。
かぼす、すだちを搾って成立するおかずなら、たぶん、ぜんぶあうんじゃないかと思います。
このワインにも、今年からBioGroの認証マークが入っています。
キムラセラーズ マールボロ シャルドネ 2020
木村さんの初挑戦。これまでシャルドネをやってこなかったのですが、2020ヴィンテージはみんな大好きな品種シャルドネにトライ。
結果、大成功じゃないでしょうか。
シャルドネは、もともと、特徴が少なく順応力の高いぶどう品種。つまり、おかずに何がきても、邪魔をしない。そのシャルドネの魅力を、木村さんが引き出すと、こうなるのか、と納得。
青リンゴやライムの優しい香りに、やはりこれも和の柑橘を思わせるほろ苦さ。味わいは繊細です。
これは、和食にあわせたいシャルドネです。旨みはしっかりあるので、旨みがしっかりある和食がいい。料理が薄味であっても、打ち負かすことなく、そっと寄り添ってくれるワインです。
アジフライにあわせたらとても良かったです。付け合わせのサラダにもよくあいました。
全体としての僕の印象は・・・
ピノ・ノワールはさすが。やはり国際基準のピノの味です。
ソーヴィニヨン・ブランとシャルドネは、日本人がNZでつくると、こんなに繊細で味わいになるんだ、という発見があります。飲んだあとの表情は、口を開けたビッグスマイルじゃなくて、思わず口角がちょっと上がる。そんなイメージ。
大谷選手が、プレー中に帽子を脱いでお礼をしたとき、
久保選手が、ゴール後に深々とお辞儀をしたとき、
ああ、海外にいても、とても日本人らしいな、と感じます。
僕は、キムラセラーズのワインから、それと似たような感覚を覚えました。
と言うわけで、数量限定で入荷した「キムラセラーズ」ボクモワインで販売開始です。
お早めにどうぞ!
単品はこちら
▶キムラセラーズ マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン 2021