オミクロン株拡大で警戒レベルがレッドへ。 3回目接種も前倒し

ニュージーランドの新型コロナウイルスニュース

ニュージーランドが23日深夜から、オミクロン株の市中感染の拡大を抑制するため、新型コロナウイルスの新たな警告システムである“トラフィック・ライト・システム(信号機システム)”を、もっとも警戒レベルが高い「赤」に引き上げました。

「赤」の規制は、ロックダウンほど厳しくはありませんが、国民の生活にさまざまな規制が課されます。

市中感染がオークランド以外の地域にも

ネルソン(南島の北部)に住む家族は、新型コロナウイルスの感染が多く確認されているオークランドで行われた結婚式に出席し、帰宅後に陽性であることが判明、ゲノム解析の結果、オミクロン株であることが判明しました。

また、パーマストン・ノース(北島の北部)にある街など、オークランド以外でのオミクロン株による感染も起こっています。

ジャシンダ・アーダーン首相は以前から「オミクロン株の市中感染が起こるのは時間の問題」と、会見等で危機感を示していましたが、その言葉の通りになってしまいました。

信号機システム「赤」での暮らしは?

以前は1〜4に分けられた警戒レベルを採用(最高レベルの4はロックダウン)していたニュージーランド。

しかし、デルタ株の感染拡大により、感染レベル0を目指す方針から、ウイルスとの共存へ方向転換しました。それに伴い、新しい警戒レベルシステム、“トラフィック・ライト・システム”が導入されたのです。

トラフィック・ライト・システムでは、その名の通り信号機の「赤、オレンジ、緑」の3段階でレベルを表し、最も高い警戒レベルを「赤」としています。

トラフィック・ライト・システムについては、下記のニュースでも解説しています。

今回このオミクロン株の感染拡大に伴い、ニュージーランド中が“赤”となることになりました。この“赤”では下記のような制限等があります。
  • とくに飛行機、公共交通機関、タクシー、小売店、公共の場ではマスクを着用。
  • My Vaccine Pass(NZのワクチン接種済み証明書)があればカフェやバー、人が集まるイベント(人数制限あり)に参加可能。またソーシャルディスタンスを保てない美容院、ジムなどのサービスも利用可。
  • My Vaccine Passがない場合、ソーシャルディスタンスを保てない美容院やジムの利用、人が集まるイベントへの参加、レストラン等でのイートインは不可。
  • 職場、学校への通勤、通学は可能。
  • 訪れた場所をアプリを使って記録すること。
  • ソーシャルディスタンスを保つこと。
  • もし風邪のような症状がある場合は速やかに自主隔離を行い、検査を行うこと。
  • ニュージーランド国内を旅行、宿泊施設の利用は可能。

3回目のワクチン接種

ワクチン接種対象者の95%以上が2回目の接種を終えているニュージーランド。3回目の接種を、2回目接種から4ヶ月後と大幅に短縮することを決定し、すでに対象者の半分以上が3回目の接種を終えています。

コロナ対策担当大臣で保健大臣でもあるホプキンズ氏は、

ワクチン2回目から3回目までの期間を6ヶ月から4ヶ月に短縮、これによって2月の終わりには82%以上のワクチン2回接種者が3回目の接種ができることになる。

と、コメント。

3回目の接種によって、重症化する可能性を大幅に下げることができると国民に説明しました。 こちらは3回目のワクチン接種を受けるアーダーン首相の様子です。

首相も結婚式を延期

今年の夏に、パートナー、クラーク・ゲイフォード氏との結婚式を予定していたアーダーン首相も、式を延期すると会見で語りました。
国民も同じようにパンデミックの影響を受けており、私も同じです。

と、アーダーン首相。

記者に気持ちを聞かれると

such is life.(仕方がない)

とコメントしています。 アーダーン首相は2019年4月に、パートナーのゲイフォード氏と婚約。婚約当時は、4日以上婚約指輪をしていたのに、誰にも気づかれなかったことなどが話題になりました。ニューヨークタイムズで”ジャシンダ・アーダーン婚約。NZ、なかなか気づかず。”とニュースになったほど。

アーダーン首相は2018年に首相在任中に出産したことや、子連れで国連の会議に出席したことなども世界中のメディアで取りあげられました。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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