独身ワイン会レポート

こないだ、久しぶりにボクモの店内BGMで「蛍の光」をかけました。

あの曲を「店が閉まる合図」と刷り込まれている人は多いと思います。

特にスーパーなどの商業施設では定番の閉店ソングだと思いますが、ボクモのようなワインバーでかけるのは、かなり違和感があります。あまりにも「はやく帰って欲しい」をストレートに表現しすぎですよね。ムードも何もありゃしないので、当然普段はかけることはありません。

が、違和感を顧みず、かけなければいけないときがあったのです。

それは、先日開催した「独身ワイン会」のとき。

「会の終了時間、20時となりました」とマイクでアナウンスしたのですが、まあ、皆さんおしゃべりがぜんぜん止まらない。席を立つ気配ゼロ。

まあね、考えてみれば、知らない人同士の会って、開始から2時間くららいって、ちょうど打ち解けてくるぐらいの時間ですよね。全員の顔に「名残惜しい」と書いてありました。

しかし、これでは一向に閉め作業ができない。

なので、あえて蛍の光を流しました(ちょっとひねって「栗コーダーカルテット」のバージョンにしました)。

そうしたら、「じゃあみんな2軒目いきますよ!」と参加者のひとりが音頭を取ってくれて、だんだん皆さんも腰を上げてくれました。

そう。

蛍の光をかけなければいけないほど、今回の「独身ワイン会」、盛り上がったのです。

予約があっという間に埋まったときから、きっと盛り上がるだろうな、と思っていましたが、予想を上回りました。

コロナ渦中の僕に教えてやりたいです。

「我慢すれば、ちゃんとイベントもできるようなるぞ。そして男女が出会うイベントはしっかりニーズがあって盛り上がるぞ」と。

こんないい感じになるならば、シリーズ化するしかありません。

次は秋。11月3日(祝)にやります。また詳細決まったらお知らせします。ご興味のある方、カレンダーに仮で入れておいてください。

さて、僕としては、次回を開催するにあたって、今回の振り返りをしておく必要があります。

まず、良かった点

・男女比、ぼちぼち整ったこと。

ご予約段階で女性の方がかなり多めでしたが、キャンセルもあって、やや女性多めくらいに落ち着きました。

・半立食にして、途中で移動して交流していただく形式に。

「どかっと座って、気に入った人とずっと喋ってる」だと他の人が入りにくくなります。なので、適度に席が足りないこの形式が正解だったかなと。

・ワイン、料理、美味しいと言っていただいたこと。

両方ともしっかりと準備しました。久々にビュッフェ用のウォーマー(ホテルにあるようなステンレスのやつ)も使えて良かった。

・途中で挟んだクイズ大会。

ワインの品種当てクイズをやりました。「そんなのわかんないよ」なんて言いながらも、皆さん真剣に考えていただきました。ヒントを手がかかりに4択から選んでいただく方式にしたら、正解者が6人。ちょうど良い盛り上がりだったかなと。

・2時間で終了にしたこと。

やっぱり蛍の光を流してよかったと思います。1軒目で盛り上がったら、小グループにわかれて2軒目へ。帰りたい人は帰る。せっかくの初対面の場で、酔いすぎてしまっては台無しです。そのためにも時間制限は必要だなと。

 

そして、改善ポイント

・輪になかなか加われない人のアシスト、もっとしてもよかったかも。

最初の1時間、ひとりでひたすら飲んでいた方もいらっしゃいました。最後の方でようやくコミュニケーションとれていましたが、もうちょっとサポートが必要だったなあと。

・名札、あれでよかったのかなあ。

首から自分の名前(ニックネーム可)を書いた名札をぶら下げてもらったのですが、果たしてそれでよかったのか。

年齢、職業、趣味などの情報も書いてもらった方が・・・いや、書きたくない人もいるだろうな。

でも、最後の方になって「へえ!そんなお仕事されているのですね」なんて、ようやく深めの話ができるのって、ちょっと時間がもったいないような。

・クイズの景品が大きすぎた。

わたくし、お洒落してくる女性のことを何も知りませんでした。こういう会にいらっしゃる女性のカバンって極小サイズなのね。なんでも入るトートバッグじゃないのね。

クイズの景品は、張り切ってボクモのオリジナルワイングラスにしたのですが、大きすぎました。誰もカバンに入らない。急遽、昔使っていた紙袋を引っ張り出してなんとかセーフでしたが、次回からは、麗しい女性のカバンはとても小さいことを肝に銘じます。

とまあ、総括はこんな感じ。

 

そうそう、もうひとつ印象深かったのは、参加者の中に数人いらっしゃった「常連さん&何回かボクモにいらっしゃったことがある方々の行動」です。

その会でボクモにはじめていらっしゃった方と比べて、明らかに他の人と打ち解けるのが早かったように思いました。

やっぱり、飲食店でこういう会をやるときの最初のトークテーマは、ほぼ「ここにはよく来るんですか?」です。

「そうですね、ここへ来るとまず白ワインを飲みます」とか「ラムチョップステーキが好きなんです」なんて、店のことを話せると、ちょっと心に余裕ができるってことなんですね。話しぶり、会話の弾み方からそれがよく伝わってきました。

なので、次回11/3(祝)に参加を希望される方にお知らせします。

ぜひ、それより前に何回かカウンターでアイドリングボクモをしておいてください。

そうすれば、きっと当日は「ホーム感」を感じつつ、ゆとりをもって楽しめます。特に月〜木のカウンターは比較的ゆったりなのでおすすめです。

 

さあて、そろそろ、あの会で仲良くなった方同士の会(デート)がボクモで開催される頃かな。

え?今頃、他の店でよろしくやってる?

まあ、それもよしです。

ボクモも新しい関係誕生の店として、ローテーションの一角にちょろっと入れていただけたら嬉しく思います。

今度は蛍の光はかけずに待っておりますので。

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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