発明!「紅茶筋トレ」

みなさん、筋トレ好きですか?僕は嫌いです。

高校生のとき、僕は県立ドいなか高校軟式テニス部に所属していました。こうして文字にしてみると、「ド田舎 × 軟式」ってインパクトが凄いですね。「イモっぽい × 日の当たらない」みたいな。ちょっと笑えます。

ただ、そんな日陰のイモでも、筋トレやランニングだけはけっこうしっかりやっていました。なぜかというと、筋トレやランニングが大好きな高橋くんがいたからです。顧問の先生は居て居ないようなものだったので、練習メニューは自分たちで好き勝手に組んでいました。で、筋トレ大好き高橋くんが「明日から朝練やろうぜ」とか言い出すと、なぜかみんな「よし、やろう」となって、早朝に集まって筋トレやランニングをやるのです。

「やっぱりさあ、朝から体を動かすのって、気持ちいいよねえ」と高橋くんは言います。

「ああ、うん。そうだね。」

みんなも僕もそう答えますが、少なくとも僕は「布団で寝ていたい」が本音でした。でも、日陰のイモが入ってる段ボールの中では、そんなことは言えない。ひとりだけ発芽して「筋トレなんて嫌いだ」と毒(ソラニン)を発するわけにはいかない。みんなにあわせて黙々と腹筋、腕立て伏せ、外周(学校の周囲)を走る、を毎朝やっていました。

ちなみに、我がど田舎高校では、外周を走るときは決死の覚悟が必要です。なぜなら、途中で学校に隣接している豚小屋の横を通過するから。豚横通過時は、息を止めなければなりません。命がけの無呼吸ランニングが強いられるという非常にタフな環境で朝練は行われました。

そんなタフな状況でもなんとか続いたのは、やはり言い出しっぺの筋トレ大好き高橋くんがいたからです。「体動かすの、楽しいでしょ?やっぱりなあ。俺さあ、将来スポーツジムの経営やりたいんだよね」とか言ってました。

どこまで好きなんだよ。もう、その熱量はわかった。筋トレも付き合うよ。でも、俺、本音は布団で寝てたいよ・・・。

あれから28年。

このところのリモート&おうち時間の生活で、いよいよ体がやばいことになってきました。もうだるんだるんです。一日中家にこもっていたら、頭もぼーっとしてくるようにもなりました。しかし、高橋くんのようなぐいぐい引っ張って、布団をはいでくれるような人はいない。

これはいかん。嫌いな筋トレにも着手せざるを得ない、コロナがやってきて、初めてそう思いました。

やるからには続けないと意味がない。でも普通にやっていては、続けられる気がしない。どうしたらいいかな。

そのときふと、高校時代を思い出しました。

そうか、あのときは高橋くんや、部活の仲間に会える、それが楽しかったんだよな。だから、無理やり布団から出て朝練に行ったんだよな。

よし、楽しいことと筋トレをセットにすればいいんだ。

じゃあ今、毎日やってる楽しいことと言えば何だ・・・?

そう思って開発したのが、「紅茶筋トレ」です。

僕は紅茶が大好きです。多いときで1日6杯くらい飲みます。香りも味も好きだし、体にも合う。ダージリン、アッサム、ニルギリ、セイロン、フレーバードなど、細かく掘っていくとけっこう楽しい。

そうだ。ティーバッグをカップに入れ、お湯を注いで待っている蒸らし時間がある。僕はすこし薄めが好きなので2、3分程度。この蒸らし時間だけ、筋トレをやろう。2、3分なら我慢できる。これなら、楽しいことと、やらなきゃいけないことをセットに出来るぞ。

そう思い立ってから1ヶ月。

今も続いています。毎日腹筋だいたい100回

まあ、この程度では痩せもしないし、たいしたカロリー量も消費していないとは思いますが、ゼロに比べればいいでしょう。なんせ、高橋くんの号令なしでやれているわけですから、大きな進歩です。

そして、紅茶筋トレをしたあとは、心なしか、脳の回転がよくなっている気がします。今は、ラジオの仕事がちょっと多めなので自宅でパソコンに向かう時間が長いのですが、紅茶筋トレのあとは、余分なネットサーフィンとかゲームとかをせずに、すっと仕事に向かえる気がします。

いいじゃないか、紅茶筋トレ。この調子で続けよう。今度、年に1回の軟庭の同窓会でみんなに会ったら、報告しよう。筋トレ嫌いの俺が、朝練やってるよ、すごいでしょ!なんなら、昼練も、夜練も紅茶とともにやってる。2、3分だけどね、と。

ちなみに、その高橋くんは今、伏見と名古屋駅でパーソナルトレーニングジムを経営しています。ヤツが一番すごい。

名古屋伏見駅から徒歩2分の好立地のパーソナルトレーニングスタジオnano

 

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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