プレゼントを贈るという行為は案外難しいです。
自分がもらったとき、一応喜ぶリアクションをしたけれど、実際はそんなに喜ばしいものではなかったという経験は誰でもあるでしょう。
だから、自分が贈る側のときには、相手にとって不要なものを選びたくない。
そうは思っても、実際はそう簡単ではないです。
例えば、ワインに明るくない人が、ワイン好きの人にワインを贈るのはちょっと危険です。
「あの人はワインが好きだから」と思ってなんとなく選んだものを贈っても、実際は「俺、実は白ワインってあんまり飲まないんだよな。どうせなら赤が良かったな。」となる場合があります。
飲んだ白ワインが意外と美味しくて、「おや、白ワインもいけるじゃん。新しい扉を開けてくれてありがとう。」となることもあるかもしれないが、それはたぶん、だいぶレアです。
そんな危険を回避するためには、専門家を使うという方法があります。
ボクモの常連さん(女性)で、僕を上手に使う人がいます。
その方は、常連さん(ワイン好きな男性)への誕生日プレゼントを「岩須さん、あの方が好きそうなワインを選んでおいてください。」と僕に発注します。
僕は、その男性の好みを把握しているので、外さないセレクトができるというわけ。
とてもありがたいやり方です。みんなに真似してほしい。笑
そうそう。
なぜ今回、プレゼントのことを書こうと思ったのかというと、もうすぐ妻の誕生日だから、なのです。
もうだいぶいっしょにいるので、正直、ネタが尽きてきた感は否めないです。
先日、なにかいいプレゼントはないかとデパートをぐるっと一周したものの、喜ばれそうなものがまったくわかりませんでした。
自分が選べるものの丸と、妻が喜ぶものの丸の、いわゆるベン図の重なりあう部分の面積は、年々小さくなっている気もします。生活を共にするってそういうことなのかな、と。
そこで、無粋とは思いながら、昨日、思い切って聞いてみました。
「なにか欲しいもの、ある?」と。
渡すときのサプライズ感はゼロになりますが、不要なものをあげてしまうリスクはなんとしても回避したかったので、致し方ないです。
すると意外な回答が。
「凪良ゆうの新刊が気になる」
おお、そうなのね!
そう言えば、一昨年くらいに「流浪の月」をプレゼントしたことがあって、気に入っていたっぽかった。
新刊は・・・去年出た「汝、星のごとく」ね。つい先日、本屋大賞に選ばれたのか。なるほど、それで書店でコーナー展開していて、気になっていたんだ。
よし、決まった。助かりました。
情緒を削って、実益をとる。そんな年頃になってきたのかな。
さあ、本屋に行こう。