名前をつけるのって難しいけれど楽しいです。
例えば、「ボクモ」という店名。
つけたのは14年前のこと。いろいろ候補を出して、2択までしぼって、最後にシェフにどっちがいい?と聞いて、選んでもらったのがボクモです。
ボクモの由来は、RADWIMPSの曲の歌詞です。
ラジオディレクターだった頃、RADWIMPSのインディーズ時代の音源に出会い、どうしてもこの人たちと番組がやりたいと企画書を書き、運良くそれが通って、デビュー前の半年+デビュー後の半年の合計1年、いっしょにお仕事をさせて頂きました。
あの1年間の経験は僕にとってとても特別でした。これから羽ばたいていく人たちのエネルギーの塊みたいなものを間近で見るという、貴重な体験をさせていただきました。
店をやるときに、あのとき感じたエネルギーを店の名前に込めたいと思い、僕が好きな曲「夢見月に何思ふ」の歌詞の一部を拝借し、ボクモがいいな、と。
野田洋次郎氏にも、事務所の社長にも「拝借しても良いですか」と聞いたところ、良いも悪いも「僕も」って別に誰のものでもない言葉ですよ、と言われ、たしかにそりゃそうかとなり、使わせていただくことにしました。
ちなみに店をオープンしてから、野田洋次郎氏からは「ボクモって実はボクチンのパクリでしょ?」と言われました。ボクチンってのは、彼らの事務所の名前。
そのつもりはなかったけれど、なぜか寄ってしまった形になりました。もしかしたら、心のどこかにパクりたい願望があったのかもしれませんが。
今振り返っても、これからはじまる店名を考えている時間は、かなり楽しかったなと思います。自分でつけた名前を色んな人が呼ぶことになり、やがて一人歩きすることになるんだ、と思うとわくわくしたし、シェフに候補を言うときにドキドキしたこと、今もはっきり覚えています。
結果、2009年の開店から今年で14年、今もボクモは自分が好きな名前のままです。ボクモにしてよかった。
さて、目下考えているのは、春からスタートするこの新しいデザートの名前です。
店名ほど大きなテーマではないですが、やっぱりメニュー名も、今後愛されるかどうかに大きく関わります。
このデザートの内容は、
- 「ホーキーポーキー」というキャラメル入りバニラアイス(NZでは超有名)
- 三河みりんを練り込んだお米のアイスクリーム
- NZで定番のスイーツ「アップルクランブル」をトッピング
- キウイフルーツのソースをトッピング
- 昔懐かしいサンデーの器で提供
というものです。
ニュージーランドの要素と日本・愛知の要素をミックスさせた感じですね。
こういう要素が多いものって名付けが難しいです。
全部を伝えるわけにはいかないので、情報を取捨選択しなければいけない。でもどれも大切な要素なので、削りづらい。となると、中身の説明をせずに、ふわっとした「雰囲気を伝える名前」の方がいいのかなあ、と思ったり。
情報を整理しつつ、中身を伝えるネーミングなら
「ホーキーポーキー&三河みりんサンデー」
とか
「アップルクランブル添えダブルアイス」
とかでしょうか。
雰囲気で行くならば
「ニュージー+ジャパン サンデー」
とか
「ザ・異文化融合アイス」
これは違うか。
うーん、どうしたら良いものか。もうちょっと悩もう。
ご覧の皆さん、なにかひらめいたら、迷える岩須に教えてくださると嬉しいです。いろんな方とやりとりが出来たら、それもきっと楽しいです。
ちなみに、ボクモの店名をつけるときの最後の2択。
もうひとつの候補は「ジェニファー」でした。
もしシェフがジェニファーにしましょうって言っていたら、今頃ぜんぜん違ったテイストの店になっていたかもしれないなあ。