今日はワインの話を。
先日、カウンターで「週末にワインを飲むことがあるけれど、1本はとても飲みきれないです。残ったものを次の週末に飲むと、美味しくないんですよね。だからあんまり買わなくなっちゃいました。」とおっしゃる方がいらっしゃいました。
これ、よくわかります。
日本人にとって、750mlはちょっと多い。
そして、ワインはいったん空気に触れるとすごいスピードで酸化して味が変わるお酒です。
僕も自宅で「酸化しすぎておじいちゃんみたいになったワイン」を飲んで涙を流したことが何度もあります。
せっかく奮発して買ったワインが、おじいちゃん味のワインになるのはもったいないです。
そして、あんまり買わなくなっちゃって、「美味しいワインという楽しみがある生活」から遠ざかってしまうことは、さらにもったいない。と僕は思います。
そこで今日は、どうしたら飲み残したワインの酸化を防ぐことができるかについて、アイデアを提案してみたいと思います。
1.ガスで瓶内の酸素を追い出す
これ、実際にうちの店でも少し前までやっていました。プライベート・プリザーブという窒素ガスを飲み残したワインの瓶にシュッとスプレーして、そっと縦置きで保管していました。窒素ガスの膜をワインの上につくって、酸素に触れさせないというイメージですね。
たしかに酸化の速度は緩やかになりますが、ちょっとコストがかかります。Amazonだと3,000円。90回使えると謳っているので、1回33円。
ガスを扱う会社に勤めている友人に「窒素ガスなんて、めちゃくちゃ安いよ。それってほぼ容器代と輸送費だね。」と言われてちょっと馬鹿らしくなって、今は使っていません。
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2.バキュバン(vacu vin)でボトル内の空気を抜く
これなら1回買ったらランニングコストは不要。1セット1,500円以下とだいぶ安い。ゴム栓をして、専用の吸引ポンプを上下させて、空気を抜くやり方です。
これも店で使っていたことがあります。幾分酸化しにくくなる感じがあります。体感的には3〜4日はもつイメージ。ただ、瓶の中に少ししかワインが残っていないときは、あまり効果がないように思いました。
それから、吸引ポンプで空気を吸っているときに、ワインの良い香りがどんどん外に漏れていくような気もします。今は使っていません。
3.アンチ・オックス(Anti-Ox)を使う
今、店で使っているのはこれです。ワインの瓶にかぶせるだけ。中に入っているカーボンフィルターが酸素を吸着するというものです。
1個3,000円弱とやや高いですが、うちの店みたいにグラスワインを10種類くらい開けている店だと、やっぱり手軽にかぶせるだけというのはありがたいです。
ただ、これを使っても1週間もつかといえば、微妙です。もちろんワインの性質によるところが大きいのですが、普通のワインの場合は、まあ3〜4日くらいかなというところです。
4.コラヴァン(Coravin)を使う
高級ワインを長持ちさせたないならば、これです。ボクモでも使っています。細い針をコルクにぷすっと差し込み、中のワインを吸い取るイメージ。吸い取ったあとに、アルゴンガスが注入され、酸素を追い出してくれるというマシンです。
3ヶ月はもつという触れ込みですが、僕の実感としては1ヶ月くらいかなあ(もちろんワインによる)。
機械の価格も、ランニングで使うガスの価格もまあまあ高いのがちょっとネック。安めの機種でもスタート時に20,000円以上かかります。
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5.小さい容器に移し替える
皆さんにお勧めしたいのはこれです。
まずハーフサイズ(375ml)のワインボトルを用意します。なければ、100均で売っているようなものでもよいので、密閉できる小容量の瓶を用意してください。
そして今から飲む750ml入りのワインをまず、その小さな瓶に移し替えます(このときに多少酸化しますが、それは仕方ないと諦めます)。瓶の中の空気を追い出したいので、口のギリギリまでワイン入れ、栓をします。
で、もとの瓶に残った半分のワインを、その日に楽しみます。
小瓶のワインは、冷蔵保管すれば、僕の経験上2週間はもちます。
ハーフボトルのワインがない?そんなときは、ボクモワインをご利用ください(宣伝すみません)。
以上、参考になれば幸いです。
ちなみに、酸化しすぎなおじいちゃんワインにならないための最善の策は、「ワインを楽しめる仲間とシェアして飲む」だと思います。
え?そんな人がいない?
ならば、つくればいいのです。
そう、ボクモみたいなカウンターのあるワインの店だと、ワインが好きな人との出会い、ありますよ(二度目の宣伝すみません)。