予測の自己採点

ソムリエブログ

ちょうど1年前の2月、ブログでこんなことを書きました。

「コロナ明けの飲食業界、こうなるかも予測!×7」(▶そのブログはこちら

あの頃は、トンネルを抜けたらまたトンネル。ようやく抜けたらまた土砂降り。

毎日気持ちがどんよりしがちな中で、だからこそ晴れの空を想像しなきゃいかんと、コロナが明けたらどうなるか、自分なりに予測を立てたのでした。そして、不安な心をうっちゃろうとしたのでした。

そして1年後の今。あの予測は当たったのか、外れたのか。

当時書いた7つの予測を自己採点してみたいと思います。

 

1)歓送迎会、同窓会、会社のパーティー、接待など、会食が急増して、どこの飲食店も潤う。

【自己採点:星1つ ★☆☆☆☆】

これは全然。まだだ。あの頃はあと1年くらいの我慢かとも思っていましたが、甘かった。急増なんてぜんぜん。

現在のボクモ、正直言ってまったりモードの日もあります。それでも週末はお客さまが戻ってきた感じ。ならすとまだえっちらおっちらという状態です。

会社関係の飲み会は「もうやらないだろう」という声もちらほら聞きますね。リモートから復帰しない職種はとくにその傾向が強そう。

一方で、「やっぱり職場の飲み会があるからこそ、仕事が円滑に進むんだよなあ」とおっしゃる方も。

今後は「職場飲み会割り引き」なんていうサービスをやる店も出てくるかもなあ。

この春の歓送迎会シーズンくらいから、じわじわとでも戻ってほしいものです(切実)。

 

2)泥酔者が激増する。

【自己採点:星3つ★★★☆☆】

一時期ちょっと増えましたが、また落ち着いた感があります。

これから暖かくなると増える可能性が高そうです。もしかすると、今年の花見シーズンはちょっとヤバいかも。

 

3)アルバイトスタッフ、大いに不足する。

【自己採点:星5つ★★★★★】

当たって欲しくないものが当たってしまいました。以前はSNSで呼びかけるとすぐにご紹介いただいて、採用が決まるパターンもよくありました。しかし今はなかなか。

こないだカウンターにいらっしゃった20代前半のお客さんが「マスク生活が長すぎて、学生のコミュ力が落ちた気がする。コミュ力が求められそうな個人の飲食店って、避ける学生は多いかも」と言ってました。

なるほどねえ。残念だけどなんとなくわかる気がするなあ。

「でもね、私だったらこんな店で働きたいかも。だってオシャレで自慢できるじゃん!」とフォローを入れてくれて、少し救われました。たまたま「働きたい人」にまだ出会えていないだけ。

マッチングアプリで「まだ運命の人に出会えてないだけだ、次、次!」と頑張っている人たちの気持ちが痛いほどわかります。

にしても、3月までには新人さんと新体制を作りたいぞ。

 

4)ノンアル&低アル、いよいよ本格的なブームに。

【自己採点:星3つ★★★☆☆】

そう見込んで、ボクモはノンアルのカクテルを増やしました。「すごく出る」わけではないものの、コンスタントにご注文頂いている感じ。

ブーム感は感じませんが、これからの飲食店には必要なものだとは思っています。

 

5)インバウンド、どっと増える。

【自己採点:星1つ★☆☆☆☆】

どっと増えていません。甘すぎるよ岩須。

先週、東京から出張でいらっしゃる方から「もう東京は海外からの旅行客、かなり戻っていますよ」と教えていただきました。

そうなのか・・・。

でもなあ、名古屋はコロナ前から観光資源がやや少ない街として知られます。住みやすいんだけどね。そして、名古屋観光はどうもナゴヤメシに頼りすぎな感じも否めない。

そんな環境で、NZワイン&多国籍料理という、「和」の要素があんまりないことをやっているわたくしども。

そもそもインバウンドを肌感覚で感じにくい町&店の業態なわけなので、旅行者が復活しているかどうかは、ボクモという店では観測が難しいです。

ただ、まだコロナ前、オールブラックスがトヨタスタジアムで試合をしたときは、NZからのお客さんがいらっしゃいました。あれは嬉しかった。そういう「NZを日本人が解釈したらどうなるんじゃい」のケース、増えたらいいなと思います。

それに、きっと今後もっと訪日客が増えたら、「ナゴヤメシじゃない次の一手」を探す人も出てくるでしょう。「NZワインとラムチョップ in 名古屋」という変化球だって、面白がってくれるNZ以外の外国人が出てくるかもしれない。

その為の準備はね、ちゃんとせねば。

ということで、今、オンラインで「レストラン・イングリッシュ」のコースを学んでいます。

今日は「Thank you for dining with us.」を覚えました。

 

6)アクリル板、大量廃棄が問題になる。

【自己採点:星1つ★☆☆☆☆】

目の付け所は良かった気もします。が、まだ使っているところも多いですね。うちの店もまだカウンターに鎮座しております。

ただ、あと1年経ったら、さすがに不要品となっていてほしい。

会話の邪魔なのよねえ、本当に。個人的にはマスク+アクリル板のせいで、本来できるコミュニケーション量の半分くらいを失っている気がする。

 

7)「Zoom飲み会」、死語になる。

【自己採点:星5つ★★★★★】

まあこれはそうかも。

ただし、オンライン飲み会はなくなっても、仕事のことは「オンラインで済むことはオンラインで」が定着したのは、大きな社会の変化かなと。僕もその恩恵を受け、ボクモワインのミーティングは基本オンラインでやっております。

しかし問題は、リモートワークばかりだと「会社帰りになんとなく飲みに行く」がなくなってしまうのです。やっぱり僕らは皆さんの「なんとなく」に支えられていたんだなあ、と日々感じております。

 

ということで、2勝3敗2分けみたいな結果となりました。

やっぱり未来を当てるのは難しいなあ。でも、こうやって振り返ると、過去の自分と対話してる気になってちょっと楽しいです。

来週は、また1年後の2024年の予測をしてみよう。

笑えばいいさ、鬼さんよ。

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
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