趣味は何ですか?

ソムリエブログ

「趣味は何ですか?」

これは、僕がカウンターで言わないようにしている質問です。

なぜなら、「じゃああなたの趣味は?」と聞かれたら困るからです。

僕には胸を張って言える趣味はありません。

唯一趣味に近いのは、キャンプですが、今年は1回も行ってません。

最近のブームの盛り上がりに乗れておらず、薪ストーブもパップテントも持ってないし、華麗なロープワークのテクニックもありません。

趣味というにはおこがましい。

僕にとっては趣味っていうのは、「しっかり腰を据えて取り組んでいて、人様にお見せして恥ずかしくない立派なもの」。

「100kmオーバーのウルトラマラソンで自己最速タイムを追求してます。」

「全国の路線、制覇しました。あ、乗り鉄です。」

「カーオーディオが好きで、こないだコンテストで優勝しました。」

すべてボクモのカウンターにいらっしゃる方のリアルな趣味。趣味趣味している趣味。

皆さん立派。

いいな、羨ましいなと思いますが、どの山も高すぎて登る気持ちは起きません。見上げてるくらいがちょうど良い。

趣味はやはり僕には崇高すぎます。

ならば。

「休みの日にやっていることは何ですか?」

この質問ならたいぶ軽くなる気がしますね。

やっていることがそこまで深くはなくても許されるし、たまにやるくらいのことでも許される気がする。

そしてこれ、たまにカウンターで聞きます。たいがい皆さん、ちゃんと充実した休みの日を過ごしています。立派。

僕なら・・・

「コーヒー豆をミルで挽いて飲みます。」

「猫と戯れています。」

「パーソナルトレーニングのジムに行っています。」

って、言いたい。

でも、コーヒーは、大好きだったのにアレルギーになっちゃって飲めなくなった。猫は今は家族的に難しい。ジムは何度やっても続かない。

結局、たまった仕事をやっているのが、僕の休みです。休みじゃないじゃん。

なんだか、趣味もなければ、休みの日にやっていることのネタもない。

なんと自分がとてつもなく無味乾燥なやつに思えてきました。

むむむ。

じゃあ、これはどうだろう。

「年に1回くらい楽しんでいることって何ですか?」

この質問なら大丈夫かも。

「演劇です。」

たぶん、僕は演劇がまあまあ好きです。

高校の文化祭で演劇の脚本を書いたのが最初かな。あのとき、舞台って面白いなあと思いました。

大学の時は、暇さえあればスカパーの演劇チャンネルを見ていました。劇場にもちょくちょく行ったなあ。

社会人になってラジオディレクターをやっているとき、劇団とラジオ番組のコラボ企画で、演劇制作に関わらせてもらったこともありました。

ボクモの店内で「ダサいワインの楽しみ方」という、ワインマナーのNGなことを寸劇にして、お客さまにお見せしたことも。

コロナ前は、年にいくつか見に行きたいなと思う演劇があって、実際にそのうちのどれかに足を運んでいました。

そうだ、決して生活の近くではないけれど、忘れずに触れていたいもの。そんな存在が演劇だ。

あった、あった。自分の味がする部分。

よかったです。

そういえば、ボクモの元スタッフで、即興演劇を頑張ってる役者がいます。名古屋淳くんといいます。

彼ら「ロクディム」の舞台もけっこう好き。毎回腹を抱えて笑います。

こないだ、こんなチラシを持ってボクモにワインを飲みに来てくれました。

演劇チラシ

コロナでちょっと遠ざかっていたけれど、久々の演劇だ。楽しみだな。

と思ったら、、、

ボクモの営業時間とかぶってるじゃん。涙。

誰か見に行く方、どんな感じだったか、カウンターで教えてください・・・

さて、今日もこれから営業スタート。

さっそく聞いてみるとしよう。

「年1回くらい楽しんでること、何ですか?」

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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