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大人の遠足

ソムリエブログ

コロナ前、毎年ボクモのお客さんとスタッフを誘って、「大人の遠足」と題して、ワイナリーの見学ツアーをしていました。

はじめてやったのは、2014年。ちょっと前の話なので、なぜやろうと思いついたのかは忘れてしまいましたが、一度実行してみたら思いのほか好評で、それ以来、毎年ボクモの名物行事になりました。

初回の2014年の秋は、大型バスを借りて長野県塩尻市のワイナリー見学をしました。25人くらいの方が参加してくれたと思います。バスの中でシェフのギター弾き語りコーナーとかもあって楽しかったなあ。

畑の見学、醸造施設の見学からの、サントリー塩尻ワイナリーで桔梗ヶ原メルローの試飲。

その後、ワインをレストランに持ち込んでオードブルとのペアリングもやりました。そりゃあたぶん、舌が鼓を打ったと思いますが、なんせ8年前のことなんでちょっと記憶が曖昧です。

2015年の秋は、山梨1泊ツアー。これは20人くらいだったかな。1日目は、サントリー登美の丘ワイナリーでしっかりワイナリー見学。2日目は、シャトーメルシャンのハーベストフェスティバルに参加しました。

思い返すと、このツアー、1日目の甲府の夜がヤバかった。駅前にめちゃくちゃいい感じの横丁があり、そこでやはりというか当然というか、ほぼ全員羽目を外しました。

もちろん主催の僕としては、間違いが起きないように、ちゃんとビジネスホテルのシングルの部屋を人数分確保しておきました。

が、翌朝、独身男性の部屋から人妻の携帯電話が見つかる事案が発生。

まあ、実際はただ部屋飲みをしていただけで、別になんにもなかったらしいけど(真実は藪の中)。

このツアーで、1泊の大人の遠足は危険が伴うことがわかりました。修学旅行の先生ってこんな感じなんだろうなと良い勉強になりました。

2016年は、日本酒の酒蔵見学がいいなと思っていたのですが、「酒を仕込んでいる冬に来るのが良いですよ」と杜氏さんに言われたので、秋の遠足を冬に延期。

翌2017年2月に中津川の酒蔵「恵那山」へ行きました。これも20人くらいだったかな。

このツアーは当日の朝、事件が起きました。

なんと集合時間に遅刻する人が2人も。

ひとりは、ちょっと待っていたら、バスにジャンピング土下座で入ってきました。

もうひとりは、全然間に合いそうになかったので、バスで自宅前まで迎えに行くことに。その方は、いまだに「家の前に大型バスを横付けさせた女」として常連さんの中で語り継がれています。

名古屋は晴れていましたが、中津川は雪。恵那山の蔵は旧中津川宿にある歴史的建造物で、そこにちらつく雪がいいムードを醸し出し、遅刻事件を忘れさせてくれました。本当にいい景色でした。杜氏の岩ヶ谷さん、大変お世話になりました。

そのあと、我が地元の「小牧ワイナリー」へ行き、醸造長の白井さんに畑と醸造所の案内をしていただきました。

障害者の自立支援と美味しいワインづくりを両立させるというでっかい目標、凄いなあ、応援したいなあと思いました。

2017年の秋は、滋賀へのバスツアー。ニュージーランドにワイナリーを持っている大沢ホールディングスさんが、滋賀に「ローザンベリー多和田」というガーデン施設を運営していると聞き、そこにお邪魔することに。この年は、30人以上の大所帯。

マヌカハニーのアイスクリームを食べながらガーデン散策をしたあとは、ラム肉のBBQと大沢ワインズ(NZ ホークスベイ)のワインをあわせました。たまらんかった。

そこから、濁りワインで有名な滋賀の「ヒトミワイナリー」へ。マセラシオンカルボニックの様子を見学させてもらったり、発酵前のぶどうジュースを試飲をさせていただいたりと、貴重な体験ができました。

2018年の遠足は、ちょっと趣向を変えて、ワイナリー見学ではなく、白ワインと海の幸のペアリングを楽しもうと、日間賀島へ。

これも30人くらいだったかな。河和港から貸し切りの高速船で20分。前もって送っておいた30本の白ワインと、漁師旅館の海の幸は「うまー!」連発でした。あっという間にワイン30本が空いてしまいましたとさ。

帰りの船までの時間がちょっとあったので、みんなで浜辺をぶらぶらしたのも楽しかったな。

2019年は、ボクモ10周年パーティー@名古屋クラブクアトロというまあまあデカい規模のイベントをやったので、余力残らず、遠足は実施できず。

そしてコロナ襲来。あれよあれよと2020、2021。そして、このままだと2022もやれない感じです。

さあ、来年2023はどうなる。

やっぱりやりたい。5年ぶりにやりたい。

「遠く」に「足」を延ばすと、その延ばした先で必ず何かが起きる。そして、その出来事をいっしょに行った人と共有できます。それが楽しい。人生の1ページになる。

ついつい羽目を外すのも、大型バスを自宅に横付けするのも、みんなでうまー!の大合唱をするのも、ぜんぶ足を延ばしてみた結果。

そういいう日常から離れたときの体験って、あとから思い返したときに、じんわりと心があったかくなります。これを書いている今、あったかいです。

そうか。

思い返せば、そんなあったかい感じがいいなと思って、「大人の遠足」をやることにしたんだった。

よし、やっぱり来年こそは、あったかいアゲインだ。ここ2,3年貯めてきたあったかさへの枯渇を原動力に、やろうじゃないの。

2014年のボクモは、色んな国のワインの店だったけど、今のボクモはNZワインオンリーの店になった。ならば、次はやっぱりNZワインにまつわる遠足にしたい。

みんなでNZへ遠足だ!が、本当はいいけれど、片道10時間のフライトに皆さんの足を揃えるのは難しい(いずれは実現したいけどね)。

となると・・・

NZワイン × キャンプ!かな!

ニュージーランドのラム肉とキングサーモンでBBQ。ワインはぜんぶNZワイン。NZのクラフトビールも取り寄せよう。

ビールからのソーヴィニヨン・ブラン。ピノを挟んで、焚き火を囲んでシラーで締める。どう、良い感じじゃない。

翌朝はキウイフルーツのサラダと、ベジマイトのトースト。え〜なにこの味!?って、賛否両論、また1ページに加わりそう。

ボクモのお客さんだけじゃなくて、ボクモワインで繋がった方もきていただいたら嬉しいな。

ロケーション的には、できればNZの景色を思わせるような、山と湖があるところがいい。

よーし。

まずはソロキャンプで下見に行くとしますか!

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この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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