2009年からスタートした「ボクモ」は、おかげさまで13周年を迎えました。
まあ、ここ2年以上、ストップ&ゴーを繰り返していたので、胸を張って「みっちり13年営業しました」とは言えないのですが、なんとか、今年も僕らにとって大事な7/17という開店記念日を迎えることが出来ました。
ご来店してくださったお客さま、取引先の皆さん、イベントに出演してくださった皆さん、そして今&これまでのスタッフのみんな、13年前からずっと相棒でいてくれるシェフ、本当にありがとうございます。
そうそう、先日、お客さまにこんなことを聞かれました。
「これまでボクモで働いたスタッフって何人くらいいるんですか?」
・・・そういや、数えたことはないぞ。
と思って数えてみました(覚えている限り)。
「たぶん20人くらいですね。」
「えー!13年で20人!めちゃくちゃ少ない!」
そうなんですか・・・。
僕は、あまり飲食業界のことを知らずにボクモをオープンして、今もよくわかっていない節があるので、どれくらいがフツウなのかはわかりません。
でも、そのお客さん曰く「たしかに、ボクモっていったん新人さんが入ると割と長くいる印象があります」とのこと。
そうか、そう考えると、これってとてもありがたいことです。
うちは、マニアックな立地にある小さな個人店。「便利さ」よりも「ボクモならではの経験」に重きを置きたいと思って日々やっています。
「ならではの経験」の中心にあるのは、もちろん味ですが、飲食店の味というものは「店が持つムード」とともにあります。「味+ムード」が、その店での体験になります。
そして、そのムードには、「お客さまがスタッフと接したときの気持ちよさ」、これが大いに含まれます。
ころころスタッフが変わっていると、この気持ちよさを醸し出すのが難しい。
やっぱり、ある程度長く働くと、体が仕事を覚えます。頭でなく体で動けるようになると、気持ちにゆとりができる。
そうすると、笑顔も出やすくなるし、気配りもできるようになります。
だから、スタッフがボクモで働くことを選び続けてくれているのは、とても貴重なことなんです。それをちゃんと普段から意識しなさいよ、岩須くん。はい。
ちなみに今のレギュラースタッフは全員、お客さまからのご紹介でうちに来てくれた人ばかり。返す返すもまわりの人に恵まれています。ちゃんと普段から・・・、はい!
さて、そのデキるスタッフも手伝ってくれて、今週はボクモ13周年の「Live & Buffet」という小さなイベントを開催しました。
前半は、スタッフでもあるシンガーソングライター・カズミナナちゃんのアルバムリリース記念ライブ。
手前味噌ですが、本番では、裏でミキサーを操作する手が震えました。ニューアルバム、すごく良い曲がいくつもあります。やはり、かなりの才能だと思います。
いつか、音楽の巨人が「こんな才能の子、どこに眠っていたの?」とさらってゆくでしょう。それまでは、妥協することなく、機が熟すまで自分を煮込んでおいてねと思っています。
後半は、相棒シェフが腕によりをかけた料理(復刻メニューも新作も色々)+NZワイン(珍しいのを色々)で楽しんでいただきました。
今回は、店内を改装し収容人数を減らしてからの、はじめての周年イベントでした。
どうなるかなと思いましたが、まあ、狭いなりに工夫すれば今後も開催可能かなという手応えは感じました。
大きいのがやりたくなったら、またどこかを借りればいいもんね。
そうだ。思い返せば、クラブクアトロを借りて開催した10周年イベントにご参加頂いた人数は230人でした。ミュージシャンいっぱい、お客さんいっぱい、酔っ払いいっぱい・・・
「普通、クアトロで飲み放題イベントなんてやらないでしょ」って言われたなあ。フツウってなに?アゲイン。
あのときは歴代スタッフも手伝いに駆けつけてくれたりして、本当にありがたかった。
対する今回の13周年の会は23人。ちょうど10分の1。これくらいの規模が今は適正なのかな。
少ないけれど濃さはある。そんな会になったのかなと思います。
「キリの良い15周年には、またでっかいのやるんでしょう?」
そんな声も頂きます。フツウじゃないのをご期待頂き、ありがたいです。
きっとやります。大きくて、ごった煮で、楽しいやつ。歴代スタッフにも声をかけて、やりたいなと思っています。
が、それまで店が存続しなければ、イベントなぞ出来ません。
まずは存続。そのためには工夫。
14年目も、昨日より今日、今日より明日。
ちょっとずつ工夫して、ちょっとでも美味しくなるように、ぐつぐつとボクモを煮込んでいこうと思います。