おまかせセットは楽しい

ボクモワインのラインナップの中にソムリエおまかせセットという商品があります。

これをつくる前は、正直、「ワインって嗜好品だからなあ、自分で選びたい方が多いんじゃないかなあ」と思っていました。

NZワインって、他の国と比べると2,000円以下のワインはかなり少ないのが特徴で、2,000円台からがエントリーゾーンになります。

個性が楽しめるのは2,500円以上、ぐんと面白くなるのは3,500円以上、みたいなイメージなので、やっぱりそれくらいのワインって、ひとつひとつ解説を見ながら、自分で納得したものだけをカートに入れたいんじゃないかな、と。

しかし、共同代表の佐藤さん曰く、「それはワインの知識がある人の考えですよ。知識がそれほどない、もしくは知識があっても専門家に選んで欲しいっていう人は多いはずです」とのこと。

むむ。そうか。

じゃあ、「白多め」とか「泡いらない」とか、ちょっとした趣向を選んで頂いた上で、あとはおまかせっていう商品をつくってみよう、となって「ソムリエおまかせセット」をつくってみました。

で、結果、完全に佐藤さんが正解でした。

今日もオーダーいただいています。ありがたい!

以前にも書いたのですが、ボクモワインの人気ランキングで、このセットがずっと1位なのです。

なるほどな。

やっぱりワインって、種類が多すぎて、整理するのが難しいんだな。個別の商品の情報を見ても、選ぶ決め手に欠けるってこと、あるんだろうな。だから、趣向だけは伝えて、あとは知ってる人に委ねてみようっていう方が多いんだな、と思います。

ちなみに、ボクモワインで扱っているすべてのワインは、僕が実際に試飲してコメントを書いているので、ただ商品を取り寄せて、販促文章をコピペして売ってるわけじゃありません。

なので、もしかしたら、「セレクトショップなら、安心感あるから任せちゃえ」となっている方もいらっしゃるのかもな、と思います(いや、それは思い上がりかな・・・)。

いずれにしても、僕にとっては「ソムリエおまかせセット」のオーダー、とても嬉しいです。

もちろん、ボクモワインでご注文いただけること自体が嬉しいのですが、輪をかけて嬉しいのは、ボクモワインの業務の中で、この「ソムリエおまかせセット」を組んでいる時間がいちばん好きだからです。

選ぶ時間、とてもわくわくするのです。

まず、オーダーが入ると、お名前とご購入履歴をチェックします。もし過去にご購入いただいている場合は、その銘柄をすべてメモします。

そして、今回のご要望を見ます。

「ピノ・ノワールを1本入れてください。」「はーい、合点承知!」

「シャルドネは苦手です。」「わかりましたー、外しますね!」

「カツオにあうワイン、入れてください。」「OKです、ここは赤ワインでいきましょう」

勝手に脳内で会話しながら、ひとつひとつ選んでいきます。

まず、初回の方にはなるべくNZらしさがしっかり出ているワインを入れよう、それだけじゃない奥行きもちょっと感じていただけるようなものも選ぼう、となることが多いです。

2回目以降の方は、前回のものとはちょっとずらして、こんなのもありますよ、の提案を必ず入れるようにしています。

あとは、季節感も大事なので、これからの時期だと、爽やかなソーヴィニヨン・ブランやリースリングは入れたいし、秋冬にはすこし重ためのボルドーブレンドを入れておこう、となります。

そして、大事なのが、お客さまが飲んでいる様を想像すること。

ワインが届いて、ワインについているカードからあいそうな料理を見て、「よし、週末はチキンカツでもつくるか!」となって、「ソーヴィニヨン・ブランってチキンカツと凄くあうんだなあ」となる。

そんな絵を浮かべながらニヤニヤして選んでいます。

それで、昨日もニヤつきながらおまかせセットのワインを選んでいたのですが、そのときにふと「あ、これって、前職のときの楽しい感じと似てるな」と思いました。

僕は以前、ラジオの音楽番組でディレクターをしていました(今もラジオはやっているのですが、現場に行かない書き物だけの仕事です)。

音楽番組なので、メインディッシュは当然音楽で、ディレクターの主な仕事は選曲です。

たとえば、晴れた朝には、Katrina & The Wavesの「Walking On Sunshine」をかけたり、梅雨に入ったらスピッツの「あじさい通り」、父の日にはEric Claptonの「Tears In Heaven」を選んだりする。

そんな感じで、ラジオの向こう側にいる方に、「ああ、この瞬間にこの曲、いいなあ」と思ってもらえるかな、と想像して選曲をしていました。

そう、これって「気分の共有」。

振り返ってみると、こういう気分って楽しくない?みたいな提案を、僕はずっとやってきたんだなあ、と。

このタイミングで、こんな曲いかが?ってのと同じように、今、ボクモワインでも、NZワインってこんな料理とペアだと楽しいよ!とか、アウトドアに持って行ったら最高だよ!とか、そいう呼びかけをしている。それがすごく楽しい。

性分ってのは、変わらないんだなあ。そういう仕事させてもらって、ありがたいなあ、と改めて思いました。

あ、またご注文入った!

ありがとうございます。よーし、選ぶぞ!

今週のニュージーランド

近隣の飲食店の方と話していたとき、6月に入って、ちょっと外食厳しくなってきたよね、という話題になりました。ようやく外食がOKなムードになってきて、以前みたいに飲み屋に出向く方も戻ってきたものの、ちょっとここらで失速している感、あるよね、と。

そうなんです。

やっぱりコロナ前のようには戻っていないし、リモートで出社してない方は、わざわざ飲みに出かけない。

飲み屋に行く、というルーティンを持っている方がいらっしゃるのは心強い一方、なんとなく飲み会やりますか、という緩い動機での飲みはだいぶ減ってしまった。

いかんです。

みんな、飲み会、楽しいよ!外食にしかない楽しさ、あるから、思い出して!と言いたいなあ。

というわけで、改めて、ボクモの看板メニュー「ニュージーランド産ラムチョップステーキ」をのっけておきます。

ニュージーランド産ラムチョップステーキ

ちなみにソースは月替わりです。この写真は赤ワインベースのソースですが、今月はホワイトソースです。どっちもうまいと思います。これぞ外食。

みなさん、よかったら、近隣の飲み屋さんに行ってください。

飲食店のバリエーションの豊かさは、日本の固有の文化です。守っていこーぜ。

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。