「名古屋の人って地元志向が強いよね」
とカウンターで度々耳にします。
他の町から名古屋にやってきた方は特にそう思うようです。
確かに名古屋を含む愛知って、進学や就職で外に出る人はそれほど多くないと思います。
質素倹約の尾張藩のお膝元で、保守的な人が多いのは実感としてありますし、T社をはじめとする安定した製造業の会社が多く、地元の手堅い会社こそいちばん、みたいな価値観が今も根強いと思います。
そういや、毎年集まっている僕の高校時代の部活メンバーは、ひとり以外は全員愛知県にいます。
かくいう僕も、愛知県生まれで愛知で仕事をしているので、愛知の中の蛙、です。
ただ、ボクモのカウンターに関しては、その限りではなく、蛙の僕が大海を知ることができる場所になっています。
そう、来てくださる方の出身地のバリエーションが豊かで、蛙的には、その出身地トークがとても面白いのです。
東北や北陸出身の方の海の幸トークは、いつ聞いても「いいな〜」と心からの叫びが出ますし、京都出身の方からの「そんな二面性なんてあるわけないやないですか(ニヤリ)」の鉄板ネタも楽しい。
今日も、はじめてカウンターにいらっしゃった方が東京出身で、「どんな店に行ってたんですか?」と伺うと、やっぱり東京ならではの飲食店の恐るべきカラフルさがわんさか出てきて、楽しい楽しい。
カウンターのある店をやっててよかったなあ。この井戸、色んな場所から飛び込んできていただいて、ありがたいなあと日々思っています。
そんな出身地トークに花が咲きがちなボクモのカウンターに、先日、強力なアイテムが加わりました。
それは・・・
という本です。
スーパーマーケット研究家の菅原さんは、メディアご出演多数のご当地グルメの専門家。この新作は、他の地方にはない「地元で長く愛されている食」を独自の目線で紹介した図鑑です。
この本をカウンターでお見せすると「あ!懐かしい!これ、子どもの頃よく食べていた!」とか、「へえ、知らなかったけど、今度実家に帰ったら食べてみようかな」とか、実に楽しい反応があるのです。
愛知ならば、「スガキヤラーメン」「つけてみそかけてみそ」のような我々にとっては空気と水のような定番も紹介されているのですが、それと並んで「ビスくん」があったりします。ビスくんって!!笑 そこ、取り上げる!?このへんの選択のバランス感、素敵だなあ、と思います。
ちなみに、菅原さんは東京の方なんですが、ちょっと前まで名古屋に住んでいて、そのときにボクモのトークイベントに何回か出演して頂きました。ボクモ主催のワイナリー探訪の遠足にも参加して頂いたこともありました。行動派。
先日、テレビ出演のために名古屋にいらっしゃって、そのときに著者仲間の大竹敏之さんといっしょにボクモに来てくださって、この新作を紹介して頂いた、という流れです。
今もパラパラめくってみると、福島の「会津の雪」とか鹿児島の「シンコム3号」とか、気になるご当地グルメが目に飛び込んできます。うーん、食べてみたい。
ひとつひとつのご当地食には、その商品の誕生秘話やどう愛されてきたかなど、地方ならではの食の背景がしっかり書かれているので、民俗学を学んでいる気分にもなります。旅行のお供にこの本があったら、その旅、ふくらむような気がするな。
個人的には、長野の「遠山ジンギス」(特製のタレで漬け込んだ羊肉)とニュージーランドの赤ワイン、あわせてみたらさぞかし美味しいだろうなあ、と涎を垂らしています。
今度、長野にいるボクモの元スタッフにお願いして取り寄せてみよっかな。
今週のニュージーランド
ボクモやボクモワインでは扱っていないのですが、日本におけるニュージーランドワインで、大きなシェアを持っている「シレーニ」というワイナリーがあります。
このシレーニは、エノテカさんが輸入・販売をしているので、全国のエノテカさんの店頭やオンラインショップで購入することが出来ます。
僕もシレーニは好きで、ちょくちょく買っていたのですが、そのちょくちょく買っていた名古屋・ラシックのエノテカさんが先日閉店となってしまいました。
あの便利な立地で、テーブル席で試飲もできたりして、とてもいい店だなあと思っていたので、閉店は残念だなあと思っていたのですが、こないだ歩いていたら、こんなのを発見!
おお!閉店じゃなくて、移転だったのか!
ありがたいです。三越とラシックを結ぶB1の通路にオープンするようです。
こないだボクモのカウンターにいらっしゃった事情に詳しい方に聞いたら、どうやらラシックの1階で試飲スペースを設けながら営業するのが難しくなったので、契約満了とともに移転になった、とのこと。
なるほど、試飲とは言え、飲食営業にあたりますもんね。いろいろデパートのルール的に難しいところもあるのでしょうね。
とにもかくにも、また歩ける距離のところにエノテカさんが出来るのはありがたいです。
またシレーニ、買いに行こう。
あ、シレーニ以外のNZワインは、よかったらボクモワインで〜♪