「コロナ転じて福となす」
後から振り返ったときに、そう言えるといいなあ、と常々思っています。
ただ嵐が過ぎ去るのをじっと待っているのではなく、次へ進むために挑戦する機会にしよう。
このコロナ禍をそう捉えて、ボクモワインというNZワインのショップをつくり、ボクモの店内を改装しました。
まだ、この判断が成功だったのかどうかは、今の時点ではよくわかりませんが、ただ「挑戦するマインドを持てたこと」は大きな収穫だったと思います。
なので、僕は、僕と同類の「転じて福となす狙いの人たち」を見ると、思わず応援したくなります。
ちょっと前、うちの近所にテイクアウト専門のから揚げ屋さんが開店しました。飲食業界の目線で言うと、すでにこすり倒されている業態なので大丈夫かなあと思ったのですが、やった人は、コロナ禍の巣ごもり需要で、勝機があると思ったのでしょうね。
まっさらな土地に、立派な店舗と駐車場、大きな看板をつくってオープンしました。たぶん投資額は2000万オーバーくらいかな。
転じて福となしたい、をひしひしと感じました。味もよかったので、月に1回くらいは買いに行っていたのですが、先日、残念ながら閉店してしまいました。
やっぱり飲食店って難しい。流行りのものをやろうとすると、輪をかけて難しい。きっと、やった人は「今がチャンスだ」と思ったんだろうなあ。その気持ち、痛いほどわかります。
改めて、大きな決断をするときは、まわりにいっぱい相談して、大反対されて、それでもやりたいと強く思って、腹をくくってやらなきゃな、と思いました。他山の石。
大学の同期にも同類がいます。
このコロナ禍で石垣島に移住して、ワーケーションのホテル「しまのとき」や、旅行代理店「石垣島好き好きツアーズ」とかをやっています。
これから観光が回復するのを見越して今のうちに仕掛けている感じ。やるなあ。
彼の場合は大手広告代理店を早期退職して、「今がチャンス」を自分から手に入れた感じ。まあ、たぶんうまくいくだろうな、と思っています。
そのうち僕もNZワイン片手に、石垣島でワーケーション、なんてできたらいいなあ。
もうひとつ、最近応援したいなと思っているのが、「nohaco」というサービス。「自分好みのおつまみが毎月送られてくる」というサブスクリプションです。
最初にウェブ上で自分の好みをアンケート形式で答えていき、それをAIが分析。翌月から自分用にパーソナライズされたおつまみが届くというものです。
家飲みの定着を見越した、コロナ禍ならではのサービスだなと思います。
裏方をやっているのが、共同代表の佐藤さんの友達ということで、佐藤さんからこのサービスを教えてもらい、試しにやってみました。
これ、なかなか面白いです。
まず、届いたおつまみの見た目がめっちゃお洒落。きっと、家飲みだからこそ、ちょっとでも非日常なムードを演出しようっていう感じですね。
そして、送られてきた6種類は、たしかに全部僕好みでした。硬い歯触りで、甘くなくて、ワインにあう、みたいなポイントはぜんぶクリアしていました。AI診断、めっちゃすごいです。
老舗のおつまみ専門店とウェブ制作会社がいっしょにつくったサービスってのも、共感します。なぜなら、ボクモワインも、NZワインに詳しいソムリエの僕と、ウェブに強い佐藤さんがいっしょにつくった店なので。成り立ちが似すぎ。
ただ違うのは、nohacoさんはAIが商品を選ぶのが特徴なのに対し、ボクモワインは、めちゃくちゃ人力で選んでいるという点。
ボクモワインでいちばん売れている「おまかせセット」は、過去にご購入いただいたデータとにらめっこして、なるべく被らないように、でも好みは外さないように、みたいな感じで、超アナログな作業をやっています。
これは、どっちがいい、とかは言えないですが、ボクモワインの場合は、ずっと飲食店でお客さんの好みを伺ってワインを選んできた僕の勘ピューターでやっている感じ。でも、将来的には、AIの方がいいセレクトをする時代になるのかもなあ、とも思っています。
ちなみに、この「おまかせセット」のセレクトが、僕にとって、ボクモワインの仕事の中でいちばん楽しい仕事です。今日もこれから、オーダーいただいた「おまかせセット」のセレクトをします。
箱を開けたときの、「そうきたか!」とか「へえ、こんなのあるんだ!」の顔を想像しながら、ニヤニヤやろうと思います。
あ、この楽しい感じ、もう福となしてる!
今週のペアリング
nohacoさんから送られてきたおつまみのなかでも、とりわけこれはやっぱりワインにぴったりでした。
ローストカシューナッツ。
あわせるのはNZ代表選手のソーヴィニヨン・ブランじゃなくて、もうちょっとまろやか系の白がいいです。
マヒ マールボロ シャルドネ 2018
樽熟成しているナチュラルワイン。ぶどうはシャルドネです。ナッツ感のあるワインに、ナッツをあわせるという、超シンプルなペアリング。同郷だから話が合うよね、ってやつです。