名古屋市にまん延防止等重点措置がまたまた出されたことによって、ボクモは休業を選択しました(〜8/31の予定)。
また、家にいることが多い日々に戻ってしまっています。
僕は、ラジオの原稿を書く仕事で、一日中、仕事部屋にこもっているときもあるのですが、だいたいそのときは、あんまり上手く書けていません。
それは、家の中には脳を活性化する刺激が、あまりないからだと思います。
いったん外に出れば、視覚、嗅覚、触覚などが、たくさんの刺激を受けます。
その刺激を受け止めようとして、脳を含めた体全体が活発なモードになってくる。
やはり、歩き、街の空気を吸い、街の人を見ていると、ふとアイデアが出てくることが多いのは、そのせいなんじゃないかと思います。
ちょっと前に、そのラジオの仕事で横尾忠則のことを調べていたら、へえ!と驚いた記述がありました。
横尾忠則は、子どもの頃は、画家になりたかった。
しかし、職業として選んだのは、グラフィックデザイナーだった。
45歳のとき、息抜きのために、ニューヨークへ行った。
そこで見たピカソ展に、頭を打ち抜かれた。
俺は、絵を描くべきだ!と絵筆をとり、絵を描き始めた。
一度のニューヨーク旅行で、人生がまるっきり変わってしまった。
まず、45歳のオッサンになっても人生を変えられる、という点に勇気が出ます(私、今45です)。
そして、ニューヨークでピカソを見たことが、人生の分岐点になったということに、なるほどなあ、そうだよなあ、と深くうなずいてしまいました。
ボクモが開店する前のこと。僕とボクモのシェフは、ニューヨークに行ったことがあるのですが、たしかにその時は、センサーびんびんだった気がします。
朝から晩まで歩いて、1日4食は外食してメモをとり、この店のこんな感じいいよね、と語り合いました。
あの、ニューヨークにしかない独特の刺激が、“名古屋で他にはない店を作ろう”という動き出したときの原動力になったんだろうな、と思います。
外に出ると、刺激が多い。脳は、その刺激を受け取ろうと必死で働く。
そんなふうになってるんだと思います。
次に行くのは、もちろんニュージーランドです。たくさんのワイナリーを巡りたいし、レストランも巡りたい。
しっかりと刺激を受け取りたいなと思います。
そうそう、コロナ前までは、ニュージーランドワインのイベントが毎年東京で開催されていました。
このイベントも、僕にとっては大きな刺激でした。
会場で数年前に出会ったのが、愛知県出身、NZ在住のShigenoさんという女性。
NZの大自然の中で結婚式ができるというサービスを立ち上げた方です。
▶Aumarire|ニュージーランドウェディング&バケーション
名古屋から来ている人は珍しいこともあって、会場で意気投合し、その後、いっしょにNZの魅力を語るイベントをやったりしました。
そのShigenoさんが紹介してくださったのが、NZ在住経験があり、今は日本に戻ってきている写真家で旅人の伊藤秀海(Shu)さんです。
ボクモの壁にはShuさんがNZで撮影した写真が飾ってあります。
地下のボクモにある「窓」みたいな役割をしてくれていて、とてもいい感じ。
そして今回、ボクモワインでワインをリピート注文してくださる方のための特典として、ShuさんがNZで撮影した写真のポストカードを同梱することにしました。
こんな感じです。
Shuさんの写真を見て、ご縁を振り返り、ありがたいなあという気持ちがこみ上げてきました。
やっぱり、出かけると、出かけた先で、出会いがある。
出会いがあると、人生がちょっと動く。あるいは大きく動く場合もある。
コロナが終わったら、また刺激ビンビンの世界に飛び込みたいです。
今週のワインとおつまみ
Mahi SINGLE VINEYARD TWIN VALLEYS CHARDONNAY 2016 MARLBOROUGH
マヒ シングルヴィンヤード ツインヴァレーズ シャルドネ 2016 マールボロ
ニュージーランドは、シャルドネがそんなに多くない国です。
NZのシャルドネは、国の代表選手であるソーヴィニヨン・ブランに隠れていて、日本のショップではそれほど並ばないアイテムになっています。
が、良質なシャルドネは、探せばちゃんとあります。
このマヒは、ピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブランの素晴らしさで知られているワイナリーですが、なんのなんの、シャルドネの品質も非常に高いです。
酸味は中程度。まろやかなカリンのような果実味と、アーモンドやバニラのような樽由来のフレイバーが調和する、お見事な味わいです。
土着酵母が作り出す複雑な旨みがたまりません。余韻もとても長い。リッチなニューワールドシャルドネのお手本のようなワインだと思います。
このワインは、ボクモワインではまだ売ってないのですが、これのややお値打ち版のシャルドネはボクモワインで買えます。そちらも、お値段以上の美味さはあると思います。
これくらいパワフルな白ワインだと、鶏肉や豚肉とあわせるのがいいかなと思って、今回はチキンソテーにしました。
お肉の旨みと、ワインの酸味と旨みがドッキング。
まさに、「ワインを料理にかける最後のソースとする」という、僕がいつも唱えているペアリング法則が、ばっちりハマった瞬間でした。