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金華山

人生二度目の低山登りに行ってきました。

先月、山登りをはじめたという投稿をしたところ、思わぬ反応がありました。先に山を趣味にしていらっしゃる諸先輩からアドバイスを頂いたり、いっしょに行こうよと誘っていただいたり。

知らなかったけれど、山好きってけっこう多いんですね。

アドバイスを元に次の行き先を考えつつ、カレンダーをにらめっこしました。

うーむ。予定が決まらん。

ここなら行けるかな、となんとなく目星はつけておくことはできる。でもバタバタと仕事が入り、家族の予定も入ってくる。なので、前もってここなら確実に大丈夫、という日を作るのが難しい。

まあ、はっきり言って時間のマネージメントが下手クソな自分への言い訳なんですが。なかなか誰かと計画を立てるっていうのができないグズなのです、わたくし。

しかし、今週は不意にチャンスが訪れました。理由あって水曜がボクモの臨時休業になったのです。しかも梅雨の晴れ間。

よし。トレッキングシューズ・キャラバン号の二度目の出番だと思い立ち、こんな急ならやはりソロだ、とひとりで行ってまいりました。

行き先は、金華山。そう、織田信長が居を構えた岐阜城を擁する岐阜市屈指の観光名所です。

前回の鳩吹山が標高313メートルで、初級者向けと聞いていたけれど、ド素人の僕にとってはなんとかひいこらギリギリ楽しい、でした。

金華山は329メートル。ほとんどいっしょ。ならばいけるんじゃないか。そう思って挑戦することにしました。

金華山の登山ルートは、調べてみたら9つもありました。岐阜市のホームページによると、レベル1〜4まで分けてあります。

よし、あんまり平坦すぎてもキャラバン号の意味がないだろうと思い、レベル2、山頂まで60分の「めい想の小径」コースを選択しました。

結果、フウフウ、かなり疲れた!思ったよりも急勾配の岩場が多く、手を使ってよじ登らないと危ないところも。キャラバン号大活躍。

やはり、前回の鳩吹山とだいたい同じひいこら具合で、しっかり息が上がり、汗が噴出しました。

山頂の岐阜城の中を見学し、濃尾平野を眺めながら息を整えたところで、自問します。

おい、俺の足。特に古傷のある膝よ。このあとどうするよ。

お前、あの急勾配の斜面を下山できるのか?トレッキングポール持ってないんだぞ。

このあとお前はバスに乗ってJRに乗り換えて名古屋まで戻るんだぞ。もし下山途中で捻挫なんかしたら帰り道、えらいごとになる。明日から職場のみんなにも迷惑をかけるぞ。

わかった、わかった。仕方ないなあ。本当はちゃんと元来た道で戻りたいけれど、やむを得ずだ、今回は。自力で下山するお楽しみは、次回以降に持ち越しだな。

そう膝に言い聞かせ、ロープウェイであっという間に下山してきました。スーパー楽ちん。

そしてお楽しみと言えば、ここからです。やっぱり僕には鞭の後の飴は必須イベントなのだ。

事前に調べておいたお楽しみ1。

岐阜公園の敷地内にあるでんがく処「むらせ」さんで「豆腐田楽」を食す。

このお店、明治35年から続く老舗とのことで、外装も内装も趣たっぷりです。明治、大正、昭和、平成、令和と、金華山を訪れたたくさんの人がこの店の田楽に舌鼓を打ってきたんだなあ。

行きは意気揚々と登山したけれど、帰りはロープウェーでズルして帰ってきて、この店に寄って「無理は禁物だわいな」と田楽を頬張った人も、長い歴史の中でたくさんいたに違いない。

追加でところてんもいただき、満足満足で店をあとにします。

そして、お楽しみ2。

「のはら湯」。こちらは明治27年創業の銭湯です。お湯は池田さくら温泉からタンクローリーで直送されているそう。

中に入ると時代がビタっと止まっていました。昔の銭湯は知らないけれど、懐かしいという表現がぴったり。

どれくらいの人がここで汗を流したんだろう。いろんなドラマがあったんだろうな。戦争もオイルショックもリーマンショックもコロナもくぐり抜けてここにありつづけるって、奇跡としか言いようがない。

そんな奇跡を皮膚全体で感じることができて、わしゃ幸せだわい、と美濃茶のジェットバス(!)のぶくぶくを足(主に膝)に当てました。ようござんした。

結果、今回も無理せず自分のペースで、最後にお楽しみの飴を用意して自分を楽しませる。このパターンで大成功な山登りデーとなりました。

さあて、次はどこにしよう。また、Myベン図で「休み」と「天気」と「やる気」が急に重なったときのために、下調べをしておきましょう。

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この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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