昨日と違う店

新しく何かをはじめることが億劫になっている自分がいます。

昨日と同じ今日が良い。どこかでそう思ってしまっています。

年をとると、脳の機能が下がる。環境の変化に対応する能力が落ちる。それが普通の人間がたどる道。そう聞いたことがあります。

そして、「昨日と同じ店」って、価値があるように錯覚しがちです。

あの店の、あの味、あの雰囲気。

それが良いよね、と思う人は、次もその体験をしたいと思い、店を利用します。しかし、その「同じを求めるリピーター」だけでなり立つ店はごくわずかです。

残念なことに、人間の脳には「飽きる」という機能がついています。より楽しいことを求めるようにできています。

だから、「昨日と同じ店」は「昨日と同じ楽しさしか提供できない店」なのです。ちょっと言い方は強めですが。

店は、もっと楽しい、もっと美味しい、を提供し続けなければいけない宿命にあります。

なのに、店の中の人である僕の脳は、毎日ちょっとずつ老化している。

いかん!

ストップ老化。刺激を入れなければ。老化に抗うことが、脳と店の活性化に繋がるのだ。

そう思って今週これをやりました。

「ボクモ×獬(シエ) ニュージーランドワインとジビエ料理の饗宴」

いつものボクモではない料理の数々を、いつもよりグレードアップしたニュージーランドワインといっしょに。

伏見のジビエ料理店「獬(シエ)」の酒井さんを招いて、ボクモの古園シェフとのWシェフ体制でお料理を楽しんでいただきました。

ペアリングを考え、当日の段取りを考えて、脳にびんびんと刺激を送りました。

参加してくださった方からは、「お盆と正月がいっぺんにきた食事会だった」と言っていただきました。皆さんの脳にも非日常体験という刺激が伝わったようでよかったです。

個人的にはもうちょっとああすれば良かったなという点がいくつかありましたが、これもまた脳への刺激。次はもっと良くするぞ、という気持ちが盛り上がってきています。

次回は春頃かな。また刺激的なやつ、やります。

ちなみに最近、妻がチョコザップに行き始めました。定期的な運動は、脳の老化を防ぐのに役立つらしいですね。

ボクモ負けてられん!

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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