コラボレーション

「コラボレーション」というカタカナ語について。

1990年代以前の日本では、コラボレーションは、主に芸術の分野で使われていたらしい。

複数の芸術家による合作とか、合同展示とか。アート界隈の限られた人たちが使う用語だったそうな。

その後、経営・情報の分野での共同作業もコラボレーションと呼ぶようになり、今ではごく一般的に「いっしょにやること」を指すようになった。

最初は違和感のあった「コラボ」という略称も、今では浸透しきっている。

「意外なコラボ」とか、かなりよく耳にする。

あっちでコラボ、こっちでコラボ。

その背景には、あらゆるジャンルで先端化が進んで、もはや「真新しいアイデアなどない」時代になってきたことがあると思う。

そして、「新しさとは、古い何かと何かの掛け合わせに過ぎない」とみんなが知るようになった。

だから他者と共同で何かをやることで化学反応を起こしたい。ベン図の重なったところに、新しい色を見つけたい。

そんな流れでコラボレーションという言葉がよく使われるようになったのではなかろうか。

ボクモがはじまった2009年、コラボレーションという言葉はそれほど一般的でなかった気もするが、ボクモは、最初から共同して発表するという機能を持ってオープンした。

僕がつくりたかったのはだたの飲食の場ではなく、色んなイベントをのっけられる箱。今でいう、コラボしやすい箱。

30代から飲食の世界に入った、遅れてきたヤツでも、他ジャンルとの化学反応の面白さがあれば、なんとかやれるんじゃないか。そんなことを思って、たくさんイベントをやった。

ミュージシャン × ボクモ

大学の先生 × ボクモ

文化人 × ボクモ

朗読 × ボクモ

マジック × ボクモ

合コン × ボクモ

ワイン醸造家 × ボクモ

多い年だと、年間100本くらいやっていたときもあった。が、コロナでいったんリセットとなった。

そして、ボクモはニュージーランド色を強め、オープン当時とは違ったスタイルになってきている。

コロナ禍中に改装して、収容人数が減ったので、以前のようなわいわい系のイベントはやりづらくなった。

ただ、やっぱりイベント活動をやりたい気持ちはずっとある。そこがボクモの原点だし。

というわけで、今は、「今のボクモに似合うイベント」を模索している時期だ(ちなみに「独身ワイン会」はとっても人気)。

そして、模索した結果、なんかいい感じかもしれないコラボレーションイベントを思いついた。

それがこれ。

「ボクモ × 獬(シエ) ニュージーランドワインとジビエ料理の饗宴」

今年伏見にオープンした飲食店「獬(シエ)」のオーナー酒井さんにボクモにお越し頂き、ボクモの古園シェフとWシェフ体制で調理。

テーマはジビエ。今回はキジがメインになりそう。

それにあわせるニュージーランドワインを岩須がセレクト。フェルトンロードやアタランギといったNZトップワイナリーのワインも組み込む。

 

2024年1月24日(水)

18:30 オープン 19:00 スタート

ニュージーランドワイン 6種 × コース料理 × 6品

参加費:11,000円(税込)

定員:20名様

参加方法:12/25よりボクモ店頭にてチケットを販売します。チケットの取り置きはお電話(052-253-6950)やメール(event@bokumo.jp)、ボクモのSNSでも受け付けます。

 

これを書いている今、ちょっとドキドキしてきた。いやわくわくの方が強いかも。

ボクモが他のお店とコラボディナーをやるのは初めてのこと。もしこれがうまく行けば、1シーズンに1回くらいのレギュラーイベントにできるかも。

そう考えると、初回が肝心だ。

どんな準備をしようかな。ボクモがはじまった当初、おっかなびっくりでイベントを作っていたあの頃の気持ちがちょっと蘇ってきたぞ。

そうか、コラボレーションって、こういう未来へのわくわく感を感じるから、みんなやるんだな。

ちなみに、ボクモワインは次の春、ちょっと大きなお花見イベントとコラボする予定。こっちもわくわくだ。

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
1 / 4