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ラジオドラマでうんうん唸る

 

ラジオドラマの仕事でこんなテーマのものを書きました。

「さよならは突然訪れる。だから、楽しく過ごしてお別れする時、もう二度と会えないんだという気持ちで、きっぱりとさよならする。そうしたら、次にもし会えたら、その再会の喜びは特別なものになる。」

まあね、実際の日常生活では、そんなに簡単に「今日がこの人と会うのは最後だ」なんていう覚悟はできないですけどもね。

しかし、僕、ラジオドラマを書くのは本当に苦手で、今回もうんうん唸ってようやく出てきたテーマがこれだったのですが、、、書き上げてみると、うまく書けたかやっぱり自信はない。

毎度のことながら、これで大丈夫かな・・・と思いながら、メールの送信ボタンを震えて押しました。

ちなみに、今回の原稿、書いているときは気付かなかったのですが、改めて完成したものを読んでみると、うまいへたはさておき、ああ、自分の今の気持ちが色濃く出ているなあ、と思いました。



来月、大学時代のサークルの創設70周年のパーティーがあります。

その日は前々から出張が入っていたので、参加できないなと思っていたのですが、その出張が延期になったので、行けることに。

同期から「行こうかどうか迷ってるんだよね」と連絡があったときに、僕は「人生折り返しを過ぎたし、もう滅多なことでは会えない人にも会える機会かな、と思って行くことにしたよ」と返事しました。

これです。

このとき、久しぶりに会う方、もう最後になる可能性もあるよなあ、と思ったのです。

もちろん、また会えたら嬉しいけれど、でも、二度と会えないと考えると、その機会が貴重なものに感じる。

そんなことをぼんやり考えていました。

そして、締め切りが近づいてうんうん唸っているうちに、その考えが蘇ってきて物語になったのだと。原稿を読み返して気付きました。

あとから気付くなよ!普段自分が考えていることをちゃんと整理していたら、もっとスムーズに書けただろ!

とは思うのですが。

いかんせん頭の中は常に散らかりっぱなしなので、毎回唸るハメになってしまいます。

まあでも、こうして自分の生活の中からでてきた小さな考えが、物語になって、ちょっとでもリスナーの方と共有することができたら、それは嬉しいことです。

そういう、自分の生活とラジオの向こうの人の生活が繋がっている、と思えるのが、仕事へのモチベーションになってるのは間違いないな、と。



あ、70年も続いてるサークルってどんなんじゃい、と思った方もいらっしゃるかもしれないですね。

名前は「中日本学生放送連盟」。またの名を「名古屋大学放送文化研究会」と言います。

インカレサークルなので、名古屋大学以外の方もいっぱいいます。学校の放送部の、色んな大学の人がいるバージョン、みたいな感じ。

放送業界に多くの人材を輩出していて、OB/OGの中にはアナウンサーがいたり、番組制作や放送技術に携わっている人もいます。

僕もこのサークル経由でラジオ局のADのアルバイトを紹介してもらい、そこからラジオ業界に入っていった感じです。ここがなければ、今の自分はまったくない、と言えます。


さあ、パーティーではどんな人に会えるんだろう。

学生時代をともにした先輩・同期・後輩は、もう40代後半〜50代。仕事のこと、家庭のこと、いろいろ聞いてみたいです。ドラマがありそうです。

そうだ、ドラマがあるならば、そこからラジオドラマに広げられるかも知れない。

会場で自分の中になにか小さな考えが浮かんだら、今度はちゃんとそれをキャッチして、頭の中に整理して置いておかねば。

でも実際は、キャッチしたとて、またとっちらかるんだろうな。

そして、また締め切りが近づいて、うんうん唸っているうちに、その考えがなんとなく形になっていき、点と点が線になり、書き終わってから「ああ、自分の考えってこうだったんだ」と気付くのです。

そう、だいたい自分の思考パターンがわかってしまう。47歳、そんな年頃です。

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この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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