日曜日にボクモの14周年パーティーをやりました。
本当は7月がオープンの月なのですが、事情により3ヶ月遅れでの開催となりました。
当日はおかげさまで満員。楽しそうに過ごしているたくさんの顔を見て、熱気を感じて、やっぱりイベントはいいなあと思いました。
楽しげな顔で埋め尽くされるのって、美しい店の姿だな。店というのは、お客さんが盛り上がっていて、はじめて完成するものだと改めて実感しました。
新しく加入したスタッフはイベント営業に慣れていないながらも、キビキビと動いてくれて助かりました。スタッフOBもお祝いに駆けつけてくれて嬉しかったなあ。
パーティーのハイライトは、後半の催し物、謎の音楽ユニット「喘息キャッツ」のライブでした。
まあ、種を明かせば、謎でも何でもなく、喘息キャッツとはボクモのシェフ+シェフの友人(のんちゃん)から成る二人組です。共通点が猫好きの喘息持ちということで、この名前になりました。
二人は高校時代の同級生で音楽仲間。以前の周年パーティーでも演奏をしてもらったこともあって、ステージに上がったときには、すでに正体がバレバレでした。
でも今回、設定がよかった。本人たちが、謎のユニットという立ち位置を貫いたのが効きました。
二人は、人間の形をした猫というテイで、猫のお面を被って登場。ひとしきり挨拶をしたあと、シェフのような外見の猫が、「今日ここに来られなかったシェフからこれを預かっている」と言って、ポケットから手紙を取り出しました。
「僕は、今日ここにはじめて来たので、事情はわからないのですが、シェフからの手紙を読みますね。
なになに。
『今日パーティーに来ている人は、真のボクモファン「ボクラー」に認定します。ボクモの未来はあなたたちボクラーの活躍にかかっています。もっともっとお友達もいっぱい連れてきてくださいね』」
仮面の猫が、そうやって手紙を代読しました(関西弁で)。
やるなあ。
自分じゃない(という設定の)猫に思いを託すとは、ひねりが利いているじゃないの。
演奏は、カバー曲を3曲。のんちゃんは、ワインを6杯飲んでからの演奏だったので、歌詞が飛んだりもしていましたが、それもまた愛嬌。
僕もいっしょに歌を口ずさみ、途中、色んなことを思い出してちょっとうるっときてしまいました。やはり音楽っていいです。
その後は、私岩須の店パス(店長パスタ)を2種類つくって、皆さんに召し上がって頂きました。久々のボクモでの料理、楽しかったです。
そして、会の終わり頃、お客さまからこう言われました。
「来年は15周年ですね。また大きいの、やるタイミングですね!」
そう。
10周年のときは、クラブクアトロを借り切って、割と大きめなパーティーをやりました。たしか参加者は230人くらい。ライブたっぷり、お酒たっぷり。たくさんの方のお助けを頂き、大騒ぎのイベントをつくることができました。
15周年はどうする。大きいの、またやろうかな。
しかし、問題は15周年まで、ボクモが続くかどうかです。これ、ほんとの問題です。
こんなことを言うのは、まあまあダサいことだとわかっているのですが、でも、皆さんが思っているより、夜の飲食店は今、厳しい状況です。理由はお察しのとおり、コロナ前に比べて飲みに行く人が減ったからです。
今日はどうかな?お客さん来てくれるかな?シェフと毎日そんな話をしています。
そんな僕らの正直な気持ちを、シェフは猫に託した手紙という形でやんわりと(?)伝えてくれました。
が、現状を嘆いているだけでは始まりません。
僕らは好きでこの仕事を選んだのです。なにをやっても自由。アイデアを出したもん勝ち。それが良くてここまでやってきました。
よし、またアイデアの出しどころ、来たぞ。
来年みんなと楽しい15周年パーティーができるよう、また魅力ある店作り、一歩ずつやっていくのだ。
これまでもボクモは変化してきた。でもこれからはもっとだ。止まることなく、中身を変えていかなくては。もちろん楽しい方向にね。そして目指すのは、楽しい顔で埋め尽くされた、美しい姿の店。
これをご覧になっている皆さんには、そうなっているかどうかを確かめるために、たまに遊びに来ていただけると嬉しく思います。
そして、好きな飲み屋があるという皆さん。その店に久しぶりに行ったら、きっと喜ばれますよ。
なくなってから「あの店いい店だったのに」とならぬよう、好きな店にはたびたびの清き一杯、よろしくお願いします。
飲み屋、踏ん張ろうぞ。