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キャンプでワイン、コンティニュー。

キャンプでワインを楽しむというのは、どうもそれほど一般的なことではないようですね。僕にとっては意外です。

僕は10年くらい前から家族とのキャンプにワインを持って行って飲んでいます(ここ2年くらいは行けていないのですが)。そしてこの10年で、キャンプ場のゴミ捨て場にワインの瓶を見ることが多くなりました。だからけっこう普通なことなんだろうと思っていました。

岩須家キャンプシーン

「キャンプ×NZワイン」で、心も体も躍っております

でも、お店のカウンター越しに「僕ね、キャンプでワイン飲むのが好きなんですよ」という話をすると、だいたい「へえ、おしゃれですね」とか「そういう選択肢もあったか!」とか言われます。

僕の場合、おしゃれなつもりは毛頭なく、選択は平凡。単純に、家族と行っているキャンプでのメシにワインをあわせて楽しみたいだけ。いや、なんならアウトドアでワインが飲みたいだけ。ただ、日帰りアウトドアでワインは難しい(ドライバーが僕だから)。よって泊まり。すなわちキャンプ。そんなシンプルな理由でずっと実践しています。これまで、キャンプにワインを持っていかなかったことはないです。キャンプメシとワインと焚き火があれば、そこは楽園。ワインがニュージーランドワインならもうパーフェクト。

そんな流れで、半年ほど前、このサイトの制作チームにキャンプの話をしたら、「岩須さんほどワインにこだわってキャンプやってる人って、そんなにいないんじゃないですか。」と言われました。

なるほど!

だったら、キャンプでワインを楽しむ方法を書いた記事を作ったらどうかな、ということなり、こんな記事ができました。

ソムリエ直伝!キャンプでワインをカジュアルに楽しむ方法

この記事を見た方が、どんどんアウトドアにワイン持って行ってくれるといいな。仲間、増えたら嬉しいもん。

さて、10年前に家族とはじめたキャンプですが、子どもが大きくなってからは、部活や友だちとの約束が優先されるようになったため、ここ最近は行けなくなっていました。

野草ビンゴ

前は家族で「野草ビンゴ」とか、やったなあ・・・遠い目

そこへきて、このコロナ禍で、キャンプ人気が再燃していますよね。いいなあ。やりたいなあ。でも家族はもう行ってくれないなあ。

なら、ソロキャンプやってみるか!

せっかく道具はあるし、いいキャンプ場もいくつか知っている。ひとりだって、うまいワインを外で飲んだら、コロナの閉塞感もちょっとは解消されるかも知れないしね。よし、ソロデビューだ。

ただし、これまではファミリーキャンプだったので、ソロだと勝手が違うかも、と思いました。ジョン・ボン・ジョヴィが、ボン・ジョヴィ名義とジョン・ボン・ジョヴィ名義とでは、勝手が違うように。知らんけど。

なので、休業中のボクモ店内で、ちょっと買い足したソロ用の装備を使って、テント泊の練習をやってみることにしました。夜はひとりじゃ寂しいかな、とも思ったんですが、インスタライブをやったら、案外たくさんの方が参加してくださって、ちっとも寂しくなかったです。とてもありがたかった。テントを張る練習や、料理の練習もできてよかった。

テントの練習

ボクモ店内でのソロキャンプの様子

よし、行ける!そう思って、3月10日、はじめてのソロキャンプに行ってきました。

結果は・・・失敗。ざんねん。

僕は甘ちゃんだということが露呈しました。まず、これまではだいたいGWとか夏休みとかの、比較的楽ちんな時期のキャンプでした。3月のキャンプがどういうものか、ちゃんとわかっていなかった。

当日は、突風が吹きまくり、テントはぺしゃんこ。椅子は転げる。急激に気温が下がる。防寒対策がダメダメのせいで夜は体がシャーベット。テントを諦めて、車中泊しようと思ったら、震えて車内にワインこぼす。ワインは飲むと旨いのにこぼすと臭い。ううう。

ようやく朝、風がおさまったので焚き火をやろうと思ったら、薪が湿気っていてぜんぜん火がつかない。刺すような冷気の中、歯をがちがちと鳴らしながら、落ちている小枝を集めてなんとか着火したけれど、最後の方は「もう、いったいなにをしに来たんだよ」でした。

テント ペシャンコ

自然をなめた結果

考えたら、お店は、シェフやスタッフとのチームワークでやっているし、家族と行くキャンプも家族とのチームワークで成り立っている。ああ、そうだ。これまで、僕はチームにだいぶ依存してきたんだ。そのありがたさを顧みず、ひとりでも、別にうまくやれるって勘違いしていたんだ。ジョン・ボン・ジョヴィが、「俺、ボン・ジョヴィを離れたってヒット曲が出せるし。」と言ったように。知らんけど。

ともかく、ソロ活動を、どこかでなめていたんだと思います。練習をお店の中でやったところで、エアコンも冷蔵庫も水も普通にあるんだもん。自然とはぜんぜん違う(今考えれば当たり前すぎ)。結局、圧倒的な準備不足のままやってしまって、自然にしっぺ返しをされてまった。家族にもごめん。スタッフにもごめん。「いつも」は「当たり前」じゃない。そして、自然先輩、すみませんでした。

このままじゃいかんです。次はちゃんと準備をします。リベンジして、ニュージーランドワイン=キャンプにぴったりなワイン、を身をもって実証しようと思います。そうそう、ソロキャンプで僕は、それがやりたいんです。

まじで、ニュージーランドワインは、アウトドアやBBQが似合う。これは、今までのソムリエ歴とキャンプ歴で確信したことです。それをこのサイトでもちゃんと写真や動画で伝えたいです。

次は4月。三重県のキャンプ場ならたぶんシャーベットになることもない。きっと、華麗な「ソロキャンプ×ニュージーランドワインの画」、撮って来られると思います。気持ちを新たにし、しっかり準備をしたソロのジョンに、乞うご期待(と、自分にプレッシャーをかける)。

今週のワインとおつまみ

GIBBSTON VALLEY CENTRAL OTAGO

RED SHED PINOT BLANC 2017

GIBBSTON VALLEY CENTRAL OTAGO  RED SHED PINOT BLANC 2017

ちょっと前までは「地球上でいちばん南のワイン産地」と呼ばれたニュージーランドの「セントラル・オタゴ」(現在はもっと緯度が高いチリの産地がある)。

南半球の南の方ってことは、めちゃくちゃ寒い、と思われがちだけれど、実は、夏の日照量はけっこう豊富。なので、しっかりと糖度の高いぶどうが採れる場所なんです。

特に有名な品種はピノ・ノワールで、このセントラル・オタゴには気候だけでなく土壌もピノ・ノワールにぴったりな場所がたくさんあり、世界も認める高品質なワインがつくられています。

さて、このワインは、ピノはピノでも、白いピノ「ピノ・ブラン」からつくられています。NZでピノ・ブランはとても珍しい品種(原産地はフランスのアルザスで、黒いピノ・ノワールから突然変異で生まれたのがはじまりと言われています)。味わいの特徴は、シンプルで優しいこと。すいすい飲める素直な白ワインになることが多いです。

この「ギブストン・ヴァレー・ワイナリー」は、セントラル・オタゴの草分け的なワイナリーで、地元では超有名です。大きな貯蔵庫を備えた美しいワイナリーは、観光名所にもなっています。クイーンズタウンからのアクセスも良いので、よくツアーパンフにも載っています。

しかし、僕が前回NZに行ったときは、残念ながらスケジュールがあわなくて、訪問できず・・・。次回こそはきっと。

このワインは、典型的なパッと明るいNZワインというよりは、やさしく寄り添うような繊細さを持っている、控えめなお味。口の中にじんわりと広がるほのかな柑橘の旨みは、不思議と日本のワインを思わせるような味わいです。

というインスピレーションがわいたので、おしとやかな和食の代表格「天ぷら」をあわせてみました。

天ぷら

奥さんが夕飯に作ってくれた天ぷらを、仕事から家に戻ってからオーブンで再加熱したものです。あんまり美味しそうに見えませんが、味はGOODです。

岩塩をかけたら、あら、ピノ・ブランとぴったり。これは、まるで、品が良くて口数の多くないふたり。微笑が似合うナイスカップルのできあがり〜。

 

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この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。
ニュージーランドワインと多国籍料理の店「ボクモ」(名古屋市中区)を経営。ラジオの原稿書きの仕事はかれこれ29年。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。

一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ

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ボクモワイン代表 岩須直紀

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