24日間、新型コロナウイルス感染者ゼロが続いていたニュージーランドで、6月16日、2名の感染者が確認されました。
→ Covid 19 coronavirus: New Zealand has two new Covid-19 cases(ニュージーランドで新型コロナウイルス感染者が2名)
今回陽性と診断されたのは、一緒にイギリスから帰国した二人の女性(二人は家族と報道されています)。
ルールが厳守されていなかったのが問題に
現在ニュージーランドは国籍、または永住権のある人に対し帰国を認めていますが、到着後14日間、政府指定の宿泊施設での隔離を義務付けています。
イギリスから6月7日に帰国した二人は、身内の急死を理由に特別に許可を受け、1週間弱だけの隔離でオークランドを出発。車でオークランドからウエリントンに移動したあと、検査を受け陽性と判明しました。
本来であれば、ニュージーランドに到着した3日後と13日後に検査を受ける規則なのですが、これが実施されていませんでした。かつ、この二人のうちの一人にはすでに軽い症状がでていたとのこと。
決められた規則通りに、オークランド隔離中に検査が行わなかった行政側の問題と、ジャシンダ首相もご立腹。
この件を受け、身内の危篤や死亡、葬儀を理由に隔離期間を短くするという特別処置を行うことを中止することになりました。
また、野党からは、health minister(日本でいう厚生労働大臣)、 David Clark(デービッド・クラーク)の辞任を求める声も上がっています。
320人が追跡対象に
2名の陽性が発覚した次の日は、新たな感染者は発見されませんでしたが、陽性者と、一緒の飛行機に搭乗していた人、入国時の空港スタッフ、隔離先のホテルなどでなんらかの接触があったとされる人が320人いることがわかりました。
この人たち全てを把握し、今後陽性とならないかどうか、厳重な追跡が行われます。
Ministry of Health(日本でいう厚生労働省)のWebサイトによると、接触者には陽性患者と直接接触があった人だけでなく、同じ部屋にいた人、同じ建物で滞在した人、飛行機で2メートル以内の席にいた人、そしてその飛行機のスタッフなども含まれます。
海外からの帰国者による感染拡大はもっとも懸念されていること。
厳しいロックダウンを経て、新型コロナウイルスの排除に成功しつつあったニュージーランド、これ以上広がらないことを祈るばかりです。