ニュージーランドといえばすぐに、
「人間より羊の数の方が多いんだよね」
なんて言われてしまうくらい、羊はニュージーランドを象徴するシンボルの一つ。
ラム肉はもちろん、シープスキンやウール製品も多く海外に輸出されています。
今日はそんな羊の牧場から”シープアート”をお届けします!
餌やりに飽きた牧場主のひらめき
このビデオが撮影されたのは、ワインの産地としても人気の一つであるホークス・ベイに位置するコールマンさんの牧場。
Massey University(筆者と同じ大学!と言いたいところですが、NZには大学が7つしかないので高確率でかぶります。)で、動物科学の博士課程中だった娘さんが、ロックダウンで実家に帰省したところ、牧場主であるお父さんが台所でこのアイディアを書いていたのを見つけます。
そしてルーシーさんは、牧場主であるお父さんと協力して、この羊アートを作り上げました。
ホークス・ベイでは雨不足で羊たちが十分に牧草を食べることができず、コールマンさんは羊たちが健康を害さないよう、追加で餌を与えなければなりませんでした。
この餌やりを利用して、餌をまきながら羊たちを誘導。ルーシーさんが牧場の小高い場所からビデオを撮影し(ドローンは使ってないそう!)、早回しすることで羊たちの群れの動きが見事に、にっこりマークやキウイマークの形になりました!
ニュージーランドの羊の歴史
毎年5月24日はNZのラムの日。今年は、ニュージーランドのラムの歴史ビデオがyoutubeで公開されました。
1969年、HMSエンデバー号を指揮するキャプテン・ジェームス・クックが、イギリス海軍本部から南太平洋への探検に向かい、ニュージーランドに上陸しました。
この初めての上陸のあと、キャプテン・クックは2度ニュージーランドを訪れており、1773年の2度めの上陸で南アフリカから雄牛と雄羊を持ち込みました。これがニュージーランド初めての羊と言われています。ただ、可愛そうなことにこの二頭はあっという間に死んでしまったそう・・・
その後、1814年になってから、ニュージーランドで羊が家畜として繁殖されはじめ、一大産業へと発展し続けます。
大きな転機は1882年2月15日。この日初めて冷凍ラム肉が、イギリスへ向けてニュージーランドを出発。そして5月24日にロンドンに到着しました。この日を祝って、5月24日がラムの日に制定されています。
1900年代になると、ラム肉の供給が多くなり、ニュージーランドの一般家庭でも食卓に並ぶようになります。特に日曜日にラム肉をローストして食べるSunday Roast(サンデーロースト)はKiwiならみんな大好きなはず。たくさん作って残りを月曜日に食べるのも定番です。
1930年になると海外への輸出が更に加速。イギリスではNZラム肉のレシピ本が500万部も売れるほどの人気に。
1990年代には品質管理が徹底されるようになり、今日も世界中の食卓で愛され続けています。
減少している羊の数、でも生産量はキープ
「人間より羊の数の方が多いんだよね」
は、日本だけでなく、世界中の人から半ばからかわれるように言われていること。
でも実は、ピーク時の1982年の7000万頭と比べると、2019年には2740万頭と、かなり減ってきているのです。
ピーク時はニュージーランド人一人当たり22頭いた羊も、今では6頭以下になってしまいました。
原因は、羊のための牧草地が、市街地や、酪農、ワイン畑、キウイフルーツなどのその他の畑になっているためと言われています。
それにも関わらず、ニュージーランドで生産されているラム肉は5%しか減っていません。これは牧場の人たちがより良い羊たちを育てる努力をしてきたから。
ラム肉として出荷される頭数、牧草地の改善、それによるラムの体重の増加、これらは長年に渡る研究、改善の成果です。
おまけ
ニュージーランドの人間の方は、先日人口500万人を突破しました!
このWebサイトの主宰・岩須ソムリエがオーナーのボクモでも、ラムチョップステーキは人気メニュー。そしてラムと赤ワインの相性はもう最高です・・・!
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の解除に伴い、ボクモも段階的に店内飲食を再開しています。営業時間の短縮や席数の制限、そしてメニューも当面の間、限られたものになっていますが、ラムチョップステーキは選抜メニュー!(※日によって変更あり)
まだまだ外食は奨励されないかもですが、もう少し落ち着いたらボクモでぜひラム肉を楽しんでくださいね。