ニュージーランドは、3月26日からスタートしたロックダウンによって、Covid-19の感染者数を4月26日現在、1,470人に抑え込み、すでに1,142名が回復。入院者数も8(うち1名が集中治療室)と、重傷者も少なく、さらに死亡者数は18名。また、検査の実施数は120,981件、これは100万人あたりにすると25,088件と、日本の1,166件、そしてアメリカの16,064件を大きく上回っています。
この結果を受け、政府は、ロックダウンを当初の4週間の予定を少し延長、いよいよ今日4月27日午後11時59分をもって終了とし、アラートレベルを4から3に引き下げることを決定しました。
自分の”Bubble”を少しだけ広げられるLevel3
→ All you need to know about your bubble under level 3(Level3において自分の”BUBBLE”について知っておくべきこと)
このロックダウンが決定してから、ニュージーランドのニュースから”Bubble”(バブル)という単語をよく聞くようになりました。
このバブルとは、ロックダウン中に自分が関わるべき最低限の人のグループのことを指します。
政府のコロナウイルス対策サイト、Unite against COVID-19によると
Alert Level 4 means you can only have in-person contact with the people in your household (also referred to as your bubble).
警戒レベル4では、接触する人をhousehold(家族、世帯、または同居する一括りのグループ)のみに留めること(これはバブルとも呼ぶ)
としています。
現在のLevel4のロックダウン中は同じ家に同居する人(Home Bubble)、病院やスーパーマーケットの必要とされる必要最低限の職に付いている人は職場で接する人(Work Bubble)以外の接触を禁止されていますが、Level3ではそのbubbleを少しだけ広げることが許されています。
ただ、これも近しい家族や必要とされる人(例えば介護人など)のみにする、また元々のBubbleが小さい一人または二人でロックダウンを過ごしている人が少しBubbleを広げるなど、最低限にするように求められています。具体的には1〜2人とのこと。そして同じ地域内に留めることとされています。ですがとくに少人数でロックダウンを過ごしていた人にとっては嬉しいニュースですね。
ちなみにニュージーランド首相のジャシンダは、自宅で同居する家族の他に、首相としての業務を行うためのWork Bubbleに属していますが、このWork Bubbleの中に「美容師はいない」とインタビューの中で答えていました。確かに髪型が毎日素敵なのでどうしているんだろうと思っていましたが、全部自分でやっていたんですね。
100%自炊生活も終了、テイクアウトが可能に
ロックダウン中のニュージーランドは、すべての飲食店が休業。ロックダウン中はすべての人が家で自炊。これは家族、特に子供が多い家庭では随分大変だったようです・・・!
Level3では、飲食店がテイクアウト、または宅配サービスをスタートすることが許されます。
Kiwiの多くが、マクドナルドやKFCなどのファーストフードの再開を楽しみにしているよう。
そして、ローカルのカフェ、レストランをサポートしようという動きも広がっています。ニュージーランドは、スターバックスが店舗数を増やせずにいるほど、個人経営のカフェが多い国。
FacebookなどのSNSでは、再開されるお店の情報がシェアされたり、今日の会見では、アーダーン首相も
「(テイクアウトなどがスタートするに当たって)長く休業を強いられていた近所のカフェなどの個人経営店をサポートできるのを楽しみにしている」
と語っていました。
ただ、テイクアウト、デリバリーが可能になるといっても、支払いはアプリやオンライン決済を利用するなど、店員と客が接触しないよう求められています。実はニュージーランドはキャッシュレスがかなり進んでいる国なので、混乱は少なそうです。
油断大敵!Level3は2週間
国中が一丸となって取り組んだロックダウンが成果を出し、コロナウイルスの抑え込みに成功しているニュージーランドは、世界的にも評価され、注目されています。
特にジャシンダ・アーダーン首相は世界中のメディアから称賛されています。
→ New Zealand’s Prime Minister May Be the Most Effective Leader on the Planet(NZ首相はおそらく地球上で一番有能なリーダー)
→ CNN praises Jacinda Ardern, New Zealand COVID-19 response(CNNがジャシンダ・アーダーンをコロナウイルスへの対応で称賛)
確かに、500万人に満たない少ない人口にメリットはあるものの、政府の素早い対応、Kiwiたちの協力的な動きは素晴らしいものがありますね。
警戒レベルがLevel3に引き下げられる明日4月28日から2週間、その後どうなるのかはまだ決まっていません。様子をみながらまた次のステップが検討されます。
ニュージーランド中の人たちが不自由な思いをした1ヶ月のロックダウンの努力が水の泡にならないよう、引き続き警戒が求められるとともに、
「少しでも喉が痛い、咳が出るなどあれば、すぐ検査を受けて」
と、検査への協力も求められています。
Level3に突入するニュージーランドの今後の動きに、引き続き世界中から注目が集まっています。