ニュージーランド首相、ジャシンダ・アーダーンがアメリカを訪問し、ニュージーランドの入国規制緩和による観光客の受け入れ再開や、ニュージーランド製品の輸出、気候変動に対する取り組みなど、広い範囲でニュージーランドをアピールしました。
そしてアメリカ訪問の終盤には、アメリカ大統領、ジョー・バイデン及び副大統領、カマラ・ハリスとの会談が行われました。事前にはっきりと予定されてはいなかったのですが、無事に現地時間の5月31日に実現しました。
ニュージーランド首相がアメリカ大統領と対面での会談を行うのは八年ぶり。予定されていたのは1時間でしたが、それを超え90分に渡る会談となりました。
会談のメイントピックス
会談の大きなアジェンダは、インド太平洋経済枠組み(IPEF:Indo-Pacific Economic Framework)について。中国が南太平洋ソロモン諸島と安全保障協定を結んだことに対し危機感を抱いている両国は、太平洋諸島との関わりを深めていくことを確認しました。
太平洋諸国の平和と安定のため、気候変動や、コロナで影響を受けた経済活動回復などに取り組んで行く必要がある。アメリカの関与拡大は大いに歓迎する。太平洋諸国のために、今後も一緒に協力していきたい。
とアーダーン首相。
バイデン大統領はアーダーン首相を賞賛し、
このグローバル社会において、極めて重要な役目を果たしてくれている。
と語りました。
→Pacific stability a key point at Ardern’s meeting with Biden(アーダーン首相、バイデン大統領との会談のキーポイントは太平洋の安定
銃規制も話題に
アメリカではアーダーン首相が滞在中に、また銃乱射事件が発生。テキサスでは大勢の子供たちが犠牲になりました。
そのため、2019年にクライストチャーチのモスクで発生した銃乱射事件のことが会談の話題にあがり、バイデン大統領はニュージーランド政府の事件後の対応の早さを改めて称賛しました。
モスクでの銃乱射事件発生後、ニュージーランド政府はほぼ満場一致(議員120名中119名)で銃の規制を可決させ、軍仕様の半自動銃の所持を禁止したのです。
ニュージーランドでは、野生動物や家畜を有害生物から守るために銃が必要です。しかしそれに半自動銃は必要ありません。事件後、国民は銃規制を望み、政府はそれに素早く対応したに過ぎません。
と、アーダーン首相は過去にもコメントしています。
頻繁に銃による大量殺人が発生しているのにも関わらず、国として銃の規制が進んでいないアメリカ。バイデン大統領は、それぞれの国で事情が違うとはいえ、銃規制を実現させたアーダーン首相との会談で、アメリカでも銃規制を実現すべく、その決意を記者たちに語ったそうです。
アーダーン首相からのお土産
アーダーン首相がバイデン大統領に送ったお土産の情報も一部ご紹介します。ニュージーランド土産の参考にどうぞ!
まずはニュージーランド固有の針葉樹、Kauri(カウリ)でできたボウル。写真は公開されていませんが、こんな感じでしょうか。
Kauriの他にもRimuとばれる常緑針葉樹などからつくられるものもあります。ニュージーランドの木を使ったお土産は、ボウルなどの食器以外にも、鍋敷やカッティングボード、コースター、小物入れといった実用的なものから、子供も喜ぶパズルや置物まで幅広くあります。ぜひ、お土産を買う時には探してみてくださいね。
そして、愛犬家のバイデン夫妻のために、ファーマーたちにも人気のニュージーランドのアウトドアブランド、Swanndri(スワンドリ)のわんこ用コートも贈られました。
こちらはスワンドリのInstagramから。スワンドリの定番の柄ですが、こんな感じのが贈られたのでしょうか。
おまけ
世界的に大人気の韓国アイドルグループ、防弾少年団(BTS)も同じ日にホワイト・ハウスを訪問。アーダーン首相のあとにバイデン大統領と会談し、アメリカで起こっているアジア系の人々に対する差別や犯罪について話し合いました。
ニュージーランドでも人気で、ローカルなラジオからも頻繁に流れてくるBTS。アーダーン首相とは対面できたのでしょうか?!