イギリス女王、エリザベス2世が、今年在位70周年を迎えました。
この在位70周年のお祝いは、Platinum Jubilee(プラチナ・ジュビリー)と呼ばれます。このPlatinum Jubileeが開催されることは大変珍しく、このお祝いができた人物は歴史上でもエリザベス女王の前にたった三人しか存在しません。
「プラチナ・ジュビリー」を迎えたのは、歴史上四人目
在位70周年を迎えた四人目の国王、エリザベス女王。
歴史上その一人目は1713年、フランスのルイ14世でした。二人目は1928年、中央ヨーロッパに位置するリヒテンシュタイン公国のヨーハン2世。そして三人目は2016年タイのラーマ9世が、在位70周年を祝っています。
25歳の若さで即位したエリザベス女王、全名Elizabeth Alexandra Mary of Windsor(エリザベス・アレクサンドラ・メアリー・オブ・ウィンザー)は、イギリス・ウィンザー朝の第4代目の君主。
ウィンザー朝とは、イギリスだけでなくCommonwealth of Nations(コモンウエルス・オブ・ネイションズ)と呼ばれる54カ国が加盟するイギリス連邦を含めた王室の名称です。イギリスから独立した立場ではありますが、ニュージーランドもイギリス連邦に名を連ねる国の一つであり、エリザベス女王をニュージーランド国王とする立憲君主制国家です。
70周年を記念したポートレート。イギリス王室はSNSなども積極的に活用し、開かれた王室をアピールしています。
NZDFも参加
エリザベス女王が即位したのは1952年2月6日。70周年となる今年は一年をかけ、さまざまなお祝いのイベントや式典が行われますが、6月2日からの4日間開催されたプラチナ・ジュビリーの祝賀行事では、一般向けのイベントも数多く行われました。
6月2日はロンドンでロイヤルファミリー主催のQueen's Official Birthday Parade(女王誕生日記念パレード)が開催され、1400人以上の軍人、約200頭の馬、そして400人余りからなる音楽隊が参加しました。
そして6月5日に行われた軍関係者による3.2Kmの祝賀行進には、NZDF(New Zealand Defence Force:ニュージーランド)から結成された派遣団も参加。
6人のマオリ族の戦士が、伝統的な武器を手に軍人たちの列を先導し、時には列から離れたところから守るようにパフォーマンスをし、観客からは大注目を浴びたそうです。
WATCH🎬See our contingent performing a haka before international militaries in London.
— NZ Defence Force (@NZDefenceForce) June 8, 2022
This took place upon the completion of their march to celebrate Her Majesty The Queen’s #PlatinumJubileePageant.#Force4NZ pic.twitter.com/zgtPRErmoM
こちらは派遣団によるハカ。日本ではオールブラックスがラグビーの試合前に行うことで有名ですが、ハカはあらゆるお祝いや儀式で行われます。
ニュージーランド軍は1897年のビクトリア女王在位60周年を皮切りに、イギリス国王の在位を記念する祝賀式典に毎回参加しています。
ウェリントンから祝砲
ニュージーランド国内では首都・ウェリントンのPoint Jerninghamにある砲台から、6月2日の70周年記念の始まりと、6月6日のQueen's Official Birthday(女王公式誕生日でニュージーランドの祝日)を祝い、それぞれ21発の祝砲が放たれました。
この祝砲、ロイヤル・ファミリーや国の君主を祝う際には21発が放たれます。そして特別な時に、20発がプラスされるそう。エリザベス女王の夫、フィリップ殿下が亡くなった時は、追悼のために41発が礼砲として放たれました。
ちなみに首相などの政治的な国のトップの際は19発と決まっています。サモアの首相がニュージーランドを訪れた6月14日には、19発の歓迎の砲が放たれました。
【おまけ】女王公式誕生日とは?
女王公式誕生日は、日本の天皇誕生日のように、イギリス女王の誕生日を祝う日。ニュージーランドでは今年6月6日だったわけですが、実はエリザベス女王の誕生日は1926年4月21日。ニュージーランドでは、6月の第一月曜日を女王公式誕生日と定め、この日を祝日としているんです。
イギリスでは6月の第二土曜日をQueen's Official Birthday(女王公式誕生日)と定めています。19世紀までは、君主の誕生日が祝日となっていましたが、気候の良い時に行事が行われるよう、6月に移動になったそうです。エリザベス女王の先代は6月第二木曜日でしたが、エリザベス女王は1959年にこれをさらに土曜日に移動しました。
ニュージーランドだけでなく、イギリス連邦に名を連ねる国々でも、女王公式誕生日を祝う祝日はバラバラだそうです。